年末年始の帰省で見抜いてあげたい 老親の秘めた5つのSOS

東城ゆず ライター・エディター
更新日:2019-12-18 06:00
投稿日:2019-12-18 06:00
 お正月というと豪勢な料理が並び、久々に会う親族との談笑が弾む楽しい時間。いつもは仕事が忙しい人でも、年末年始にはまとまった休暇を取れることも多いでしょう。でも、ちょっと不謹慎なことを言わせていただくと、意外と帰省のタイミングで親族の介護問題が明るみになる場合もあります。
「うちの親?ピンピンしてるから大丈夫!」という人も多いと思いますが、帰省のタイミングだけでも気にかけてあげてくださいね。

年末年始の帰省でリアルさが増す! 親族の介護問題

 近年の日本は、核家族化が進んでいます。「家つき、カーつき、ババア抜き」なんて言葉がありますが、結婚と同時に長男も家を出る時代。義実家、あるいは自分の慣れ親しんだ実家の人と離れて暮らすことも多いです。

 筆者も「今の奥さんはいいわねぇ。お姑さんやお舅さんの気を遣わなくていいから……」なんてこと、高齢者によく言われました。義実家と物理的な距離感を表すのに、昔はよく「味噌汁が冷めない距離くらいがちょうどいい」なんて言われていましたが、帰省するのに「丸一日かかる」なんて人も現代は珍しくないかもしれません。

 年末年始は、親族がそれだけで集まる理由になる特別なシーズンです。いくら遠方に住んでいても、この時ばかりは新年の挨拶に出向く人も多いでしょう。そして、思うことがあるんだそうです。「私のお母さん、こんなにネガティブだったっけ?」「こんなに面倒臭がりだった?」

 もしかして……?

 そう。年末年始に自分の親族の介護問題を目の当たりにする人って、結構いるんです。この時にしっかり見抜いておくと、今後「もしも」の時に容易に比較しやすくなります。そのためにも、帰省では親族の健康チェックを欠かさずに行いましょう!

年末年始の帰省で見抜く介護問題! チェックしたい5つのこと

 高齢である親族に「元気だった?」と聞くと、十中八九「元気だよ」と答えが返ってくるでしょう。でも、ちょっと考えていただきたいのは、年末年始のお祝いムードの最中に「具合が悪い」など、不安を漏らす人ってどのくらいいるのでしょうか。おそらく、高齢であるほどその場の空気を読んで、自分の言い分は我慢するはず。昔の人ほど、我慢しなくていいことも我慢してしまう傾向にありますから。

 現代人は忙しいからこそ、頻繁に帰省ができません。本人に聞けないとなれば、年末年始に“さりげなく介護の必要性をチェック”しませんか?

1. 毎年行っていた慣習がない

 毎年のように行っていた“鏡もち作り”など、その家庭の慣習が行われていない時は、その理由を聞きましょう。全てにおいて“やる気がない”というのは、高齢者にとって精神的な落ち込みが疑われます。毎年行っていた慣習ができないのはなぜか、しっかりと聞くことが大事です。

2. 楽しそうにしていない

 年末年始に大勢の親族が集まると、それはそれは楽しい時間になるはず。しかし、高齢者が浮かない顔つきをしていたら注意が必要です。空気が読めないセリフを発したり、会話についていけない様子が見られたら、相手の話を理解していない可能性もあります。不眠で連日よく寝られていない場合も、顔つきが暗くなりがち。意識して表情をチェックしたいものです。

3. 孫や子供の名前がスムーズに出てこない

 孫や子供の名前がスムーズに出てこないのも、少し不審な点として挙げられます。似たような名前については高齢者でなくても呼び間違えが起こりやすいですが、「自分の孫と子どもを間違える」などの間違いには注意が必要。自分の子どもが幼い時の記憶と、現在の孫が混同している場合もあるからです。

 このような場合は、すでに認知症の見当識障害が出ている場合があります。こまめに電話などで連絡を取り、本人の生活の状況を確認した方が良さそうです。

4. 立ち上がりや歩行の状態が危なっかしい

 立ち上がったときのふらつきや歩行時の足の引きずりなど、変化がないか見てみましょう。「去年は健脚だった」としても、今年の状態がどうなのかを見ておくのが大切です。高齢者の場合、むくみがひどい場合にも脚を引きずることがあります。歩行が危ういと、日頃の生活で転倒するリスクも高くなってしまうでしょう。

 転倒して骨折などした場合は入院となり、筋力低下などを招いて寝たきりの生活になることも。杖を購入してあげたり、住宅改修をして手すりをつけるなど、早めにリスクヘッジしておくと安心です。

5. 冷蔵庫が空っぽ

 年末年始というのに、冷蔵庫が異様にガランとしているのも注意が必要です。お祝い事にもかかわらず、それらしい食べ物はおろか、飲みものさえ入っていないことも少なくありません。冷蔵庫を意識して空にしている訳ではないかどうかは、野菜や惣菜の賞味期限を見れば分かります。

「炊事ができていない、家事能力がない」という判断は、それだけで介護を必要とする理由になります。日頃は何を食べているのか、洗濯はどうしているかを確認するといいでしょう。

年末年始は親族が集まるシーズンだから「介護」も考えやすい

 年末年始は、親族が無条件に集まる時期です。「親が介護状態になった」という深刻な問題の元に集まっている訳ではないので、もしもの時のことも比較的話しやすい状態にあります。

「正月早々、縁起でもない」なんて言わずに、楽しい年末年始をこれからも続けていくためにも早めのジャッジをしておくだけ損はないと思いますよ。

東城ゆず
記事一覧
ライター・エディター
1994年生まれ。11歳の頃からブログを運営。ライターやエディターとして、女性誌メディアや地元新聞のコラム枠まで幅広く活躍中。恋愛やママ友問題、介護士であった経験からリアルな介護問題まで幅広い知見がある。年子兄弟を連れ離婚の経験があり、現在は再婚に至る。

ライフスタイル 新着一覧


“地獄の育休”で病む寸前…先輩ママたちのしんどいエピソード&解消法
 子供を出産してから、育休を取得する女性は多いですよね。でも、育休には体力面で休める点や子供のそばにいられるなどの大きな...
竜宮城はこんな感じかな 2023.7.17(月)
 海の生き物に夜の街の光が重なって、にぎやかで涼しげな世界。  竜宮城はきっとこんな感じかな。  そういえば...
納涼★にゃんたまシリーズ!雪ん子“たまたま”のクールな視線
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
急に生理! 気分最悪の流血事件を防ぐ対処法&“即席ナプキン”の作り方
「ナプキンをしていないのに生理が来ちゃった……!」女性として数十年生きていれば、こんなこともありますよね。今回は、急に生...
もうさ、スタコラサッサと逃げ出そうよ? 2023.7.16(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
30代女が感じたApple Watchのメリット3つ 2023.7.15(土)
 街を歩いていると、スマートウォッチを付けている人が多いですよね。運動しない人にもメリットがあるのでしょうか?  ...
動物のゆるキャラ漫画/第53回「ぼくらのこだわり」
 ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、その生きものたちをこよな...
“うちの自慢の嫁”に徹しなきゃだめ?「旦那の実家に行かない方法」5つ
 夏休みが近づいてくると浮上するのが、「旦那の実家に行きたくない」問題。旦那の実家への帰省が嫌というのは、あなただけでは...
親友でも彼ができた途端、ハブ攻撃開始! げに恐ろしき女の世界LINE3選
“女の世界”という言葉を聞くだけで、どこかゾッとするような怖さを感じませんか? 女には裏の顔があるもの。それはLINEに...
女性だけじゃないYO!「スマホ&パソコン童貞」60代オヤジの幸福論
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
この世の最凶生物はナチュラルマウントさん!距離をとる以外に対処法ナシ
 みなさんの周りには、いまだにマウントをとってくる人はいますか?  明確に「マウントをとってやろう!」と思って来てく...
なんでもない日、子どもらしさが愛おしい 2023.7.14(金)
 自分にも、あの人にも、知らないどこかの誰かにだってこんな時代があった。  僕らみんなが子どもだった。誰もが通る道...
40代への「貫禄がある」は悪口とは限らない!5つの“褒められ”特徴は?
 貫禄というと「老けている」といった、マイナスイメージを持つ人もいるでしょう。けれど、そもそもは品格や風格、威厳を表す言...
“たまたま”探しの猫旅へ!素敵な「ねこの島」が見つかるかも
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
タイパ重視!? いしだ壱成、田口淳之介…有名人のホスト化が止まらない
 いしだ壱成さん、押尾学さん、田口淳之介さん、そしてついに羽賀研二さんまで。最近、芸能人や有名人のホスト化が止まりません...
近所付き合いってめんどくさい! “鉄則5カ条”だけ守ってイライラ回避
 家族と暮らしていてもひとり暮らしでも、多少の近所付き合いはあるものです。「マンションの隣の部屋にどんな人が住んでいるか...