薬はちゃんと飲んでいるのに…突きつけられた残酷な検査結果

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-03-10 06:00
投稿日:2020-03-10 06:00
 潜在的な患者も含めるとおよそ30〜60人にひとりの女性がかかると言われている甲状腺疾患。バセドウ病は、甲状腺機能が亢進する病気で、動悸や発汗、めまいや悪心、体重減少に筋力低下など、その症状は全身に及びます。治療法は投薬・アイソトープ・外科的手術の3種類とされ、多くの患者は投薬治療で寛解を目指します。
 これは、投薬治療の末に、手術で甲状腺を全摘し完治に至った筆者が、2年間の闘病生活を振り返るドキュメンタリーです。

「振り出しに戻る」どころか「悪化」していた

 快方に向かっていたバセドウ病がじわじわと悪化している検査結果をつきつけられ、途方に暮れた私。

 医師からの最初の言葉は「大変失礼ですが、薬はちゃんと言われたとおりに飲んでいますか?」でした。

「はい。朝晩、言われたとおりに飲んでいます」と私。

「そうですか、では少し薬を増やします。今までの朝晩に加えて、昼も飲むようにしてください」とドクター。

 せっかく順調に進んでいたのに、ここへきて「振り出しに戻る」どころか「悪化」と言える状況に。再燃したバセドウ病は、初発のときよりもさまざまな症状で私を苦しめることになりました。

さまざまな症状を訴えても…

「先生、近ごろ食欲が減ってしまい、胃がいつもキリキリ痛くて気分も悪いです。食べても食べ物の味もしません。  

 あと皮膚もかゆかったり、なんとなく胸が痛んだり。

 それから、甲状腺が大きくなってしまったからか、首もとがさらに苦しくて、息苦しさが増しています。それにときどき、手の痺れもあって……」

「再燃は、最初のときより症状が重くなる人も多いんですよね。いろいろ出ていますね。

 運動は徹底的に控え、仕事もできるだけ軽くして、なるべく休養してください。お風呂も、負担が大きいので、短めにしてくださいね。

 薬を増やしますから、しばらくしたら落ち着いてくるはずです」

 さまざまな症状に苦しめられ始めていたものの、基本的に投薬はバセドウ病の治療に使用しているプロパジールとヨウカカリウム丸のみ。

 というのも、バセドウ病患者の場合、甲状腺への影響を考え、使える薬が限られるのだそうです。

病院と自宅の往復だけでぐったり

 あまり知られていませんが、バセドウ病など甲状腺疾患がある人は、使える市販薬もかなり限られています。

 ドラッグストアなどで買う医薬品の多くには、パッケージに「甲状腺疾患のある方は医師に相談してください」と書いてあるものが多いです。

 そのためバセドウ病の治療中には、風邪をひいても飲める市販薬が少なく、そのたびにかかりつけに行って、処方箋を出してもらっていました。

 さて、バセドウ病の再燃に、ひとまず投薬量を増やして対応することになったのですが、その日、診察からタクシーで自宅に戻るだけでも、ぐったりするほど体力も奪われてきていました。

 そしてさらに、次回の診察までの1カ月の間に、耐えがたい不調が増えていくのです。

 次回に続きます。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

ライフスタイル 新着一覧


お正月にしめ縄って必要かぃ?「しめ縄」と「しめ縄飾り」の違いも解説
 今年もあと2週間を切りました。年末だというのにあまりの暖冬、ここ数日は少しは寒くなったものの更年期のワタクシは、本職の...
「女は見た目がすべて」の思い出に悶々…容姿いじりのトラウマの克服法
「女は見た目がすべて」なんて言葉が昔からあるように、男性よりも女性の方が外見を厳しく見られる傾向です。そして残酷なことに...
落ち込んだらシーラカンスのことを考えるといいかもしれない
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
人生初のぎっくり腰なぜ発症? 40女の激痛を救った意外なコスメは…
 齢46、人生初のぎっくり腰になりました。腰が砕け、身動きがまったく取れない状態に陥るって本当にあるんですね。  デス...
韓国は「ひとり飯」ほぼタブー! おひとり様=みじめな人認定で苦労した
 ちまたでは『孤独のグルメ』(テレビ東京系)や『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京系)、『めんつゆひとり飯』(BS松竹東...
2023-12-19 06:00 ライフスタイル
“たまたま”とももうすぐお別れ…去勢前のおやつシーンを激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
自然の石を積んだ石垣でできた江戸時代から続く「棚田の村」
 見知らぬ土地で、山道を越えて現れた見事な石垣に圧倒される。ここまで積み上げる労力を想像すると途方に暮れるし、これが自然...
妙齢って何歳? 三省堂 現代新国語辞典のいまっぽい凡例に注目
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
#3 結婚で“輪”から去る友人への寂しさ。心地よい独身生活で失ったもの
【#2のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、毎晩芸人の卵や音楽仲間と飲み歩いている。高円寺はうんざ...
#2 友達の結婚、喜べないのはなぜ? 勝ち組を裏切りだと感じてしまう記憶
【#1のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、芸人の卵や音楽仲間と毎日飲み歩いている。高円寺はうんざ...
「最終的には学歴!」すごいですねー(棒)高学歴義母のマウントLINE3選
 義母が高学歴だとなんとなく上品でスマートな人柄が連想されますが、現実では学歴の高さと人格は比例しないようです。実際には...
2023-12-16 06:00 ライフスタイル
#1 夢を諦めきれない32歳の女。高円寺で燻る芸人らと酒に溺れる日々
 この街は、まるでネバーランドだ。  いつもの店に行くと、いつもの仲間がいて、相変わらずのバカな話で盛り上がれる。...
母親が施設から帰ってくる夢…認知症の予兆を「ボケたな」で済ませない
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
おひとり様全盛時代でも? 老後こそ“コミュ力”がものを言う
 ぶっちゃけ、私はあまり人づきあいが得意なほうではありません。一人のほうが気を遣わなくていいし、楽だから。  これから...
ムーミン好き必見!ESSEの時短レシピ&開運グッズ付録など使いこなす術
 今回ご紹介する雑誌付録は、「ムーミントラベルポーチ3点セット」と「別冊付録:保存版!ESSEのBest時短ベストおかず...
同僚のボールペン“カチカチ”に敏感反応!繊細すぎる人へのLINEどう返す
 世の中には、人一倍豊かな観察力や感受性を持つ人も存在します。そうした人は「優しい」「気遣いができる」などの長所をたくさ...