親に従順な娘が陥ったモラハラの連鎖…優紀さんのケース#1

神田つばき 作家・コラムニスト
更新日:2020-03-15 06:00
投稿日:2020-03-15 06:00

撮影の動機はお金ではなく「創作に参加したい」という思い

二人で奥多摩の山中で撮影した帰りに…(写真:iStock)
二人で奥多摩の山中で撮影した帰りに… (写真:iStock)

アダルト撮影じゃなければ大丈夫!

 募集広告に掲載されていた作品はアダルトではないものの、裸体に布を巻いた女性が風に吹かれている写真で、頭の堅い両親が見たら「いやらしい!」と怒り出しそうです。

 それでも、個展をたびたび開いている写真家だということもわかり、ますます興味をひかれました。キャバ嬢のバイトをしている友だちに相談すると、

「ギャラが安いからアダルトじゃないよ。SNSにも名前出している先生だし、心配ないんじゃない?」

 と言われ、背中を押された気持ちになりました。

 何度か事務的なメールのやり取りをしてから、テスト撮影のために優紀さんはA氏の事務所を訪れたのです。

初めてアート作品の被写体になった一日

 アート写真の紙焼きには、ネットで見る作品にはない迫力と美しさがあり、優紀さんは夢中になりました。両親の理解が得られないだろうことをA氏に話すと、「顔出しのない作品だけでいいから、作品づくりに参加してみない?」と言われ、Aさんを信頼しました。

 その日はテストシュート(テスト撮影)だけ行い、夏休みに二人で奥多摩の山中へ撮影に行き、夕暮れまでたっぷり作品撮りを行いました。

 シャッターを切られるたびにポージングにも自信が出てきて、何よりカメラマンの意図を理解して絵作りに参加しているということが楽しいと思いました。

 自然の中での撮影は終わり、A氏の運転する車で帰り道を走りながら、優紀さんはこれまでに経験したことのない充実感で胸がいっぱいでした。

 しかし、まもなく23区内に入るというところで、A氏は何も言わずに車を一軒のラブホテルの駐車場に入れたのです。優紀さんは驚きました。

 次回に続きます。

神田つばき
記事一覧
作家・コラムニスト
離婚と子宮ガンをきっかけに“目がさめて”、女性に生まれたことの愉しみを探そうと緊縛写真のモデルとライターに。私小説「ゲスママ」、女性の悩みや疑問を解き明かすコラム「性に纏わるあれこれ」
イベント「東京女子エロ画祭」「親であること、毒になること」などの企画も。X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【銀座】カラオケ館が仕掛ける“ノマド喫茶”誕生!無料豚汁の具がデカい
 人気のスタバやドトールはいつも満席でカフェ難民になることもしばしばな銀座・有楽町エリア。そんな都内喫茶激戦区で、カラオ...
【独自】すいかばか'24~究極のレシピを求めて#1 「寿風土ファーム」代表・小林栄一さんのある決意
 4月の始め、白州は少し遅めの春。冬を越した畑は、春の七草ホトケノザで一面紫の絨毯のようだった。  久しぶりに会っ...
インスタは安定のウザイ投稿祭りだよ!「可愛いよ」待ちがごく痛々しい
 知人・友人の生活を垣間見ることができる、インスタ。友人の近況を知れたり、幸せのお裾分けをしてもらったりと良いところがあ...
【拡散禁止】リモートワークのサボり方を全力で考えた。25分→5分の法則
 リモートワークの醍醐味といえば何ですか? そうです、サボりですね! リモートワークのときは周りの目もないので、やらなけ...
祖父がぽつり「年上女が好きだけど誰も生きてねえ」後期高齢者のLINEには切なさがつきもの
 最近では、後期高齢者でもスマホを操り、LINEを使いこなす人も多くいます。でも、おじいちゃんやおばあちゃんから送られて...
買って正解!不正解?「ニトリ」99円バスグッズが机周りで優秀だった件
 ニトリから生まれたインテリア雑貨のお店『デコホーム』で購入したバスグッズを紹介します♪  デコホームの魅力はなん...
長崎県の池島に上陸! お土産に夢中な“たまたま”をこっそり激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
親の介護が必要に【専門家監修】一人で悩まない!知っておきたい公的制度
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
任期中に【18万円】の最低保証!シンママ生活応援プロジェクト
 ただいま、『コクハクリーダーズ』2期生を、絶賛募集中!  今回は「シングルマザー応援企画」。シングルマザーであれ...
2024-05-15 11:40 ライフスタイル
花の値段も上がる一方だが、買いに来る女は必ずしもお金持ちとは限らない
 連日連夜「これも値上がりかぁ」と悶々としております。大好きなお菓子や菓子パンのサイズや個数が減っているのを確認するたび...
在宅ワークの暇つぶしも恋バナに限る。独女、久しぶりの胸アツ実況中継
 コロナ禍で、一気に在宅ワークをする人が増えましたよね。でも会社にいる時とは違い、雑談や電話などの雑務も減るため、在宅ワ...
【常勝無敗】ビールしか勝たん!飲み会好きな40女の太らないルール3本柱
 嬉しいことに最近飲みのお誘いが増えております。コロナ禍のあの日々はいったい何だったんだ…というくらい。とはいえ、気にな...
これヒットだわ…薄い・軽い・便利!40女を身軽にするU-1000円“神”3品
「薄型」で「便利」の2つが揃ったアイテムは、自宅だけでなく、出張や旅行でも活躍間違いなし…!  40代になると、出かけ...
職場の「かまってちゃんおばさん」対処法 波風立てずに断るひと言がある
 どの職場にもほぼいる「かまってちゃんおばさん」。忙しい仕事中に「かまって」アピールされたり雑談で引き止められたりすると...
自分が負け組だと実感する6つの瞬間 凹む5秒前に唱えて欲しい魔法の言葉
「私って、もしかして負け組…?」ふとしたときに、こう感じたことがある女性は多いのではないでしょうか。今回は、負け組を実感...
夫と大喧嘩!発熱の娘に家事させるか、フツー。モヤる私はおかしいのか
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...