もはや投薬では制御不能に…手術に向けて「絶対安静」の日々

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-04-14 06:23
投稿日:2020-04-14 06:00
 潜在的な患者も含めるとおよそ30〜60人にひとりの女性がかかると言われている甲状腺疾患。バセドウ病は、甲状腺機能が亢進する病気で、動悸や発汗、めまいや悪心、体重減少に筋力低下など、その症状は全身に及びます。治療法は投薬・アイソトープ・外科的手術の3種類とされ、多くの患者は投薬治療で寛解を目指します。 
 これは、投薬治療の末に、手術で甲状腺を全摘し完治に至った筆者が、2年間の闘病生活を振り返るドキュメンタリーです。

火照りの原因は「脱水」だった

 救急車で大学病院に到着すると、まもなく主治医が出勤してくるので、少し待っていてくださいとのこと。言われたとおりベッドで横になりながら待っていると、慌てた様子で、すぐに主治医が駆けつけてくれました。

「大丈夫? 歩けないんだって? だるそうだね……。脱水を起こしているんだと思うから、急いで点滴します。すぐに、点滴用意して!!」

 なんと、私の火照りや微熱の症状は、脱水状態だったようです。主治医は迅速に判断し、近くにいた看護師にテキパキと指示を出しています。

 そして、点滴が始まって数分後……。スーッと火照りが引き始め、徐々に身体が楽になってきました。

「よかった……」と、素直に安堵する私。しかし、かなり脱水が進んでいるようなので、数時間点滴を続けると言われました。

「先生、私ちゃんと水を飲むようにしていたんですが。それでも、脱水になるんですか」

「なりますよ。水だけじゃダメなんですよね。しかも、バセドウがこれだけ暴れてますから、脱水が起きやすいんですよ……」と困惑した顔の先生。

 前回の受診の際に、投薬量を増やしていたものの、血液検査をしてみたらさらに数値が悪化していたのです。

「これはもう、手術で甲状腺を取るしかないでしょう。薬がまったく効かないので、早いほうがいいですね」

もはや手術しか方法はない

 本来、バセドウ病の手術で甲状腺を取る場合には、投薬によって数値を安定させてから手術に臨むのが一般的。その理由は、ショック状態を防ぐためだと聞いています。

 しかし私は、すでに投薬でコントロールできない状態に陥ってしまったので、これ以上悪化する前に、早めに手術を決断しなくてはならない状況でした。

「わかりました。こんなにつらいので、私自身も手術をして治してしまいたいです……。よろしくお願いいたします」

 以前、手術を勧められたときには体感として体調がよかったために断りましたが、今回は身体が悲鳴をあげていたために、その場で手術を決断しました。そして、素人の直感的にも、もはや手術しか方法はないのだろうなと感じていました。

「よかった。では、さっそく外科と相談して日程を調整しますね。

 投薬では甲状腺がコントロールできていないので、ステロイドも使って、手術前までに少しでも数値が下がるようにやっていきましょう」

 こうして、あれよあれよと手術が決まり、この日は点滴が終わってから帰宅。

 手術日など決まり次第、今後の予定を決めていくとのことで、それまでは自宅にて「絶対安静」を言い渡されました。

 家では、経口補水液を常に飲むよう指示を受け、身体の乾きが止まらずに、1日に500ミリリットル入りのペットボトルを8本飲んだ日もありました。それだけ、私の身体からは水分が抜けやすい状態になっていたようです。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


“会話下手”はそこがダメ! スナックママが指摘する「3:1」の法則とは?
 みなさんは自分のことを会話上手だと思いますか? スナックなどの水商売で最も大切なスキルがこの会話力なのですが、何をもっ...
理解不能!「外出キャンセル界隈」あるある。空腹は寝て解消、高級レストランよりカップ麺…ってウソでしょ
 お風呂に入るのが億劫になり、入浴を諦めてしまうクセがついている人を指す「風呂キャンセル界隈」。SNSを中心に話題になり...
なんて経済的! タフでお得な花々5選。おしゃれ植物「ラックス」はゴミ捨て場でも美しく咲く
 本日も猫店長「さぶ」率いる我がお花屋に隣接している「ほっぽらかしラボ」(売れ残った二軍、三軍の花鉢商品の置き場)をボー...
もう嫌!「節約疲れ」する前に…ストレスなく試せる5つの貯金方法
「毎日毎日節約のために出費を抑えた生活をしていて、全然楽しくない」と感じているそこのあなた! それは、節約疲れが出てきて...
ツー“にゃんたま”撮影に成功!さらに茶色のイケ猫が…♡ 可愛いアクシデントあるある
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
お客は昔の恋人か? 傲慢な一言に「じゃあ、あんたがやってみろよ」と反論するか問題
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
酔っ払い同士のLINEに爆笑! きのこたけのこ論争から記憶喪失コンビまで恥ずかしっ…
 人はお酒を飲むと日頃心に秘めている本音が出てきますよね。酔っ払い同士のLINEをのぞいてみると、本音同士の面白い会話が...
商店街で「縄張り荒らし」騒動が勃発! ムキムキお兄さんを近隣おじさまと奪い合う…顛末はいかに
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
中年のニラが歯に挟まる問題。口内インフラも老朽化するのだ。治療は保険治療か、それとも自費か
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
ワーママも専業主婦も、みんな違ってみんないい。それでも女は“自分の収入”を持った方がいいと思う
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
切ない…親の老いを実感したエピソード。ゴミ屋敷一歩手前、母の死から父の独り言が急増
 GWや年末年始など、長期休みに帰省する人は多いですよね。実家で過ごすと「懐かしい」「ホッとする」と感じ、心身ともに満た...
アラフィフ独女が『人事の人見』を見て思うこと。平成の働き方はもう通用しない…私たちはどう振る舞うべき?
 アラフィフ独女ライターのmiraeです。前回のコラムでもお伝えしたとおり、アラフィフである私は、氷河期世代として社会に...
夫のいびきがうるせえ! 約6割の人が悩んでいる睡眠問題、「対処法がわからない」は卒業しましょ
 眠い眠い眠すぎる! 「春眠暁を覚えず」昔の人はよく言ったもので、つい昼間でもうとうと…。  この眠気、我が家に関して...
2025-04-29 06:00 ライフスタイル
シッポがピン!「今日のご飯は鯛だニャン♪」ご機嫌“たまたま”たちが集結したよ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
脱「片づけられない女」宣言! この連休中こそ実行したい“断捨離”4つのコツ
 自宅の床には片方だけの靴下や、ぐちゃぐちゃのハンカチが転がり、デスク回りは書類と資料の山で作業するのも一苦労。そんなあ...
何気ない街の風景
 何気ない街の風景。  ここにいるよ…って呼ばれて振り返る。  心地良い風が吹いた。