19歳女性のナマ告白「私はこうして不倫に落ちました」 #6

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2021-04-11 07:56
投稿日:2020-04-13 06:00

「車内という密室」だからこその関係

――素晴らしいセックスだったのですね。

「はい……こうしている今も、体が震えるほど幸せでした」

――先生とはその後も?

「はい、続いています。ただ、じき私が教習所を卒業するので、会うのは外でのみとなってしまう。それがちょっと不安なんです」

――不安とは?

「ご存知のとおり、先生とは『車内という密室』だからこそ付き合いが始まったんです。

 私が卒業しても先生との関係は続いていくと思いますが……第二の私――つまり、別な女性と親密にならないか心配なんです。

 あ、奥さんは別ですよ。奥さんには嫉妬の感情が湧きません。ただ、密室ゆえに、私のような積極的な女性が、先生に誘いをかけたらと思うと心配で――」

――わかります。恋愛には常に不安がつきまといますよね

「それとは別に、先日、同い年の恋人にドキッとすることを言われたんです。

 彼の誘いを断り切れなくて、セックスに応じていたら『あれ? お前、フェラ上手くなったな。なんかあったのか?』って、いぶかしがられて。

 S先生とのセックスで、テクニックが上達したようです」

――それは大変! 大丈夫でしたか?

「はい、『アナタのためにAVを見て練習したの』って、うまくごまかしました。

 彼はニンマリしていましたが、相変わらず自分本位なセックスで……だから私、彼に抱かれている時は目を閉じて『今はS先生に抱かれているんだ』って自分に暗示をかけているんです。

 そうすると、多少強引な行為も、脳内変換できますから……」

 M子さんはふっと微笑んだ。

 不倫に困惑しながらも、女としての幸せを存分に謳歌している――そんな印象だ。

 そして彼女はインタビューする私を見すえて、きっぱりこう言った。

「不安は拭えませんが、『なるようになる』って言い聞かせています。

 運命って言葉を軽々しく使うのは好きじゃありませんが、きっと『起きていることがすべて正しい』と思える流れになるんだと。

 先生との関係がこのまま続いても、別れても……それは私にとって正しい道、運命なのだと信じています」

 そう凜と表情を引きしめた。

おわりに

――M子さんに取材をしたのが2月。

 現在、新型コロナウィルスの影響で、自動車教習所が自粛要請を受けている状態だ。

 私はM子さんに連絡をした。無事、免許を取得できたのか、S先生とのその後はどうなっているのか。メールを送ってみたが、まだ返信が来ない。取材の時はあれほどこまめに連絡を取り合っていたのに――。

 ふと、彼女の言葉が思いだされた。

「起きていることはすべて正しい」

 キッパリ告げた彼女のこと。どのような結果になっても、彼女は抗うことなく受け入れ、進むべき道を歩いていくのだろう。ならば――彼女自ら連絡をくれるまで、そっとしておきたい。 

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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