CD購入者の半数近くがそもそも「握手会等の参加経験が無い」
総投票341票中、
1. 握手等行った事が無いから変わらない=43%
2. 握手等無くても変わらない=27%
3. 握手等無いなら購入枚数は減る=22%
4. CD自体買わなくなる=8%
最も回答が多かったのは選択肢1.の握手会等の参加経験が無い層だ。この層の購入枚数は当然、握手会の有無に左右されない。
また次に多かったのが選択肢2.で、握手会にこれまで参加した事はあるが、握手会が無くなっても購入枚数は変わらないという層。こちらはおそらくCDを1枚購入か多種形態で2~5枚購入の層がほとんどだと思われる。
握手型のアイドルと思われている秋元系グループだが、今後握手会が無くなったとしても上記合わせて70%が、購入枚数は減らないと回答している。
握手会目当てのCD購入者層へのアプローチは…
問題は3番目、4番目に多かった選択肢3.の握手会が無くなると購入枚数が減る、もしくは4.のCD自体買わなくなる層が合計30%いることだ。この層はおそらく前述の一部のコアなファンが主で、握手券目当ての同一商品複数枚(大量)購入をしてきたものと思われる。
この層の購入枚数が減ると、ミリオンヒットはかなり厳しくなるだろう。それでも2つのアンケートを見る限り、握手会が無くなっても多種形態販売さえあれば、素地の人気でジャニーズのグループ同様10~60万枚程のヒットは可能だと考えられる。
ただし、前述したように48Gと坂道はジャニーズのデビュー組より大所帯であり、維持していくためにはメンバー人数分の給与や衣装代、移動代などより経費がかかる。
その対策として、やはりここも、ジャニーズの販売方法がお手本になりそうだ。
応募券を抽選制にする
ジャニーズは18年、King & Princeのデビューシングル「シンデレラガール」で多種形態販売に加え、“抽選で”2会場4公演で約1万人(1公演当たり約2500人)が参加できる「トーク&ハイタッチイベント」“応募券”を封入。ジャニーズJr.時代より人気の彼らだったがこの“応募券”目当ての同一商品複数枚買いが追い風となり、初週だけで売上57.7万枚を達成した。
また今年1月にはSixTONES vs Snow Manの2組同時デビューシングル「Imitation Rain/D.D.」を両A面で発売。こちらにも“抽選で”参加できる「スペシャルイベント+ハイタッチ会」“応募券”が封入され、2組合算で初週132.8万枚を売り上げた(いずれもオリコン調べ)。
上記に1組だけでミリオンを売り上げたグループは無いが、一桁のメンバーだけで50万枚以上の売上達成はかなりの偉業だ。
何百枚買っても当選するか分からない応募券による抽選制に「AKB商法よりがめつい」との批判もあった。だが、長時間ファン対応し続けるメンバーの負担や、AKB握手会襲撃事件以降の手荷物検査などセキュリティー面を考えると参加できるファンの数を絞ることは妥当な判断だろう。
多種形態販売と抽選制イベント応募券封入を行う
また握手がAKBを始め秋元系の代名詞になっているが、トップアイドルでCD売上増のため握手会を(不定期だが)先に行っていたのはジャニーズだ。彼らは握手券さえ手に入れれば、全員が参加できるシステムだと大混雑でパニックになること(NEWSデビュー握手会で18万人が押し寄せ途中で中止など)を経験したのち、握手券を抽選制に変更したのだ。
これを「多種形態販売+抽選制イベント応募券封入」で“ジャニーズ抽選制商法”と定義する。
今後コロナが収束に向かっても1日に何万人も押し寄せる48Gや坂道のような握手会開催は当面難しいと思われる。だが、“ジャニーズ抽選制商法”のイベントであれば、参加者を絞り、ファン同士の距離を保ちながら、メンバーとハイタッチの前に手指消毒を徹底したり、見栄えは良くないが今月再開された海外サッカーやゴルフの選手同士のように“ヒジタッチ”にするなどの対策を取れば開催可能になるだろう。これで握手会完全撤廃よりは売上維持に繋がるはずだ。
よって、48Gや坂道ら(すでに固定客をつかんでいるトップアイドルに限るが)握手型大所帯アイドルでも“ジャニーズ抽選制商法”を取り入れることで存続は十分、可能だと思われる。
いままで当たり前のようにメンバーと握手できた秋元系ファンにとって、購入したCDの応募券による抽選制は少し辛いところだが、グループ存続そのものが危うくなるよりはずっと良いはずだ。
今後新型コロナウイルスのワクチンが開発されたら、従来の握手会形式に戻せる可能性もある。また笑顔でメンバーとファンが再会できる日を心から願っている。
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