キャラクターのカエルもびっくり!おもしろいカエルの世界

高山ビッキ 100年カエル館副館長
更新日:2020-07-24 06:00
投稿日:2020-07-24 06:00

フロッグスタイルと野生のカエルの関係

 たとえば、このヒキ・フロッグ。この場合の「ヒキ」は割引の「引き」ですが、皆さんのお住まいの近くでも見られるかもしれないヒキガエルの「ヒキ」も何かを「引く」ことに由来しているとも言われます。エサとなる虫などを食べるために舌で引き寄せる目にも止まらぬ速さから来ているとする説も。

 ヒキガエル科のカエルは世界中に分布していますが、日本には7種生息しています。本州で主に見られるヒキガエルは、東日本中心に分布するアズマヒキガエルと西日本中心に生息する二ホンヒキガエルがいます。ちょっと見には似ていて近い種ですが別種で、鳴き声にも違いがあるのでヒキガエルにも東北弁と関西弁があるのかもしれないと想像したくなります。

 アマガエルのように小さい種とちがい、大きくなると10cm以上になるヒキガエルは、昔からガマガエルとも呼ばれ物語の中で妖術にも関わる雰囲気に抵抗感を抱く人も多くいました。しかし最近はそのちょっと不気味とも言える存在感に魅力を感じる人も少なくありません。

 そして、フロッグスタイルには「トマト・フロッグ」や「バナナ・フロッグ」、「ストロベリー・フロッグ」といった、女性が美容と健康のために好んで食べたくなるような名前のフロッグがいますが、アフリカ大陸の東に位置するマダガスカル島には、もし野菜市場でトマトと一緒に並んでいたら見分けがつかないかもしれないトマトガエル、ケニアには熟れていたんだバナナのように見えるオオバナナガエル(現地では鳥のフンに似せて天敵に見つからないようにしていると考えられトリノフンガエルと呼ばれている)がいます。

 ストロベリーといえば、コスタリカなど中米には日本では見られないようなビビッドな体色のヤドクガエルが何種かいて、胴体が熟したイチゴのようで足がブラックもしくはブルーのイチゴヤドクガエルがいます。自然界の色とは思えないようなまさに毒々しい色でヤドクガエルは天敵に「毒を持っているから攻撃しないほうがいいよ」と警告しています。

 また、日本でも海外でもカエルの多くは子育てをしませんが、このイチゴヤドクガエルのメスは自分が産んだオタマジャクシのために、エサとしての卵を産んでオタマジャクシからカエルに成長するまで与えます。

日本のカエルから生まれたカエルアートマン!?

 2000年代に人気者になったフロッグスタイルの登場の背景にあった、野生のカエルに対する関心の高まり。その頃から日本でも世界の珍しいカエルが見られる水族館が増えました。三重県の鳥羽水族館や東京・池袋のサンシャイン水族館は早くから外国産のカエルの飼育で知られています。最近では静岡県河津町に世界のカエルを含む120種以上のカエルが見られる体感型カエル館「カワズ―」ができ人気を集めています。

 私たちの住む日本でカエルは今、田んぼなど生息地の減少や環境問題で数が減っているとはいえ、自然環境への意識を少し高めるだけで身近に出会える機会は増えると思います。

 日本に生息しているカエル類から新しいキャラクターが生まれたとしたらと考え、私たちの100年カエル館では今年のGWに「カエルアートマン20 日本のカエルがHENSHIN」というイベントを企画しましたが、今回のコロナの感染拡大のために中止しました。今は始動できる日を待っているカエルアートマンたちです。

高山ビッキ
記事一覧
100年カエル館副館長
大学卒業後、西武百貨店などを経てフリーのライターに。2004年、祖父の代から集めたモノのカエルをもとに福島県喜多方市に100年カエル館を創設。2008年に学芸員資格取得。現在、同館及び同館の友の会「カエ~ル大学」を運営し、カエルの文化的側面を中心に研究、情報発信などを行う。日本両生類研究会会員。著書に『カエラーたちのつぶやき』(共著・グスコー出版)、『かえるる カエルLOVE111』(山と溪谷社)、『ときめくカエル図鑑』(共著・山と溪谷社)など。ブログはこちら→「コトバデフリカエル

ライフスタイル 新着一覧


没頭確定な趣味♡ 紙とペンでOK「ハンドレタリング」って?
 多趣味で好奇心旺盛のワタクシ、canちゃん。今回は「ハンドレタリング」をご紹介します。  お家でできて、気分転換にも...
口は禍の元でしかない 口が悪いのを直したい時のポイント4つ
 友人や家族から「いつも口が悪いよね」と指摘されると、正直ショックですよね。自覚がある人もいますが、多くはきつい印象を与...
もっこり紅葉!?コキアと畑のキャビア「とんぶり」の密な関係
 猫店長「さぶ」率いる我が花屋。神奈川のカントリー風情たっぷりな立地にてお商売をさせていただいているものですから、周囲に...
めちゃくちゃ体が丈夫な人の見ている世界 2022.10.26(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
実録!秘密のストレス解消「おじさんの咀嚼音に癒されて…」
 家庭や仕事でのストレス、みなさんはどのようにして発散していますか? 世の中には、買い物や食事といった「定番」とはかけ...
2022-10-26 06:00 ライフスタイル
女友達の年収自慢にモヤモヤ!不安を「稼ぐ力」に変える方法
「来月、昇進するんだよね。新卒から比べると年収倍になるのは嬉しいけど、これ以上働きたくないなあ」  女友達の、何気...
「善意の押し付け」はいりません!お節介な人をかわす対処法
 使いきれない量の食材を持ってくる義母や、上から目線のアドバイスばかりの友人……。こうしたお節介な人の言動に、日々ウンザ...
【ニトリ】話題の「重い毛布」買ってみた!2022.10.25(火)
 加重することで、包み込まれる安心感を与えるーー。ニトリの「重い毛布」を知っていますか? 本格的に寒くなる前に購入したの...
こんな時代だから「初心者向けの一人旅」メリット&楽しみ方
 気ままで自由な一人旅。憧れますよね! でも、実際には「会話する相手がいなくて寂しそう」「勇気がない」「一人だと不安」な...
チビッ子“たまたま”とピンク肉球のマリアージュにメロメロ♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
作り笑い以前に“笑顔が苦手な人”の原因と対策 どう接する?
 仕事やプライベートで人と接する時、なかなか笑顔を見せてくれない人がいると「嫌われているのかな?」と不安になってしまう時...
都会の雑踏で聞こえた地元の方言 2022.10.23(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
大凶作のドラフト会議でイケメン“ザックザック大豊作”のなぜ
 今年のプロ野球ドラフト会議は空前の大凶作といわれていた。目玉となる選手はゼロで、多くの球団が争奪戦を繰り広げるようなス...
2022-10-22 06:00 ライフスタイル
「やりすぎ時短LINE」BBQの役割分担までエクセルにするの?
 忙しい社会人で時短術を活用している人はたくさんいますよね! でも、何事もハマりすぎは良くないようです。今回は、時短術に...
パワハラ虫に遭遇、最悪!でも「したたかな準備」で反撃可能
 仕事でもプライベートでも、パワハラ気味な人に遭遇してしまうと最悪ですよね。  災難だと思って諦めることもできますが、...