夫宛の怪しい封筒に戸惑う妻…すると固定電話が突然鳴って

並木まき ライター・エディター
更新日:2020-08-11 14:51
投稿日:2020-07-28 06:00

封筒のことを話すべきか、隠しておくべきか…

滅多に鳴らない電話が…(写真:iStock)
滅多に鳴らない電話が… (写真:iStock)

「だめだ。ごはんを作る気にもならない。ちょっと横になって休もうかな……」

 誰もいないリビングで、咲子はひとりそう呟くと、リビングの隣にある和室へと移動した。そして、どことなくフラフラとする身体を感じながら、畳の上に横になる。

(今日、彼が帰ってきたら、封筒のことを話すべきだろうか。それとも、何にも言わずに、しばらく隠しておくべきか……。

 こういうときは、どうするのがいいのか、早めに弁護士さんに相談したほうがいい? でも、お金がかかるかもしれないし、離婚もしたくないし……。

 いっそのこと、ご主人に浮気されたって言っていた、あの友達に久しぶりにLINEして、話を聞いてもらおうか……)

 身体と頭を休めようと和室に来てみたものの、咲子はやっぱり封筒のことが気がかりで、いろんなことが浮かんでは消えている。

 和室には咲子のこだわりが詰まっていて、壁や天井には和紙を使い、落ち着きがありながらもモダンな空間にしたのだが、今日はどうしても落ち着きを取り戻すことができないでいる。

 と、そのとき。

 トゥルルル、トゥルルリー……。

 滅多に鳴ることのない、家の固定電話が鳴り始めた。

「えっ…、誰!? 今日は、なんだか不思議なことばかり起きて不気味……」

 しばらくしても鳴り止むことのない電話に出るため、咲子は畳の上から起き上がり、よろよろとリビングへと戻る。床に落ちたままになっている白い封筒が目に入り、一瞥しながら、急いで電話へと駆け寄った。

「はい、もしもしーーー」

 咲子が電話に出ると、それは思いもよらない人物からの電話だった。不可解な手紙に続き、予想外の電話に戸惑う咲子。この電話はいったい誰から…?

 次回に続きます。

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元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
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