たった1回の行為で妊娠→男として責任を取るために結婚
case5-3.武田翔平さん(仮名/48歳)
35歳で独立してバーの経営に着手した武田翔平さん(仮名/48歳)は、40歳のときに15歳年下の美香さん(仮名)と結婚しました。前々回と前回ではふれませんでしたが、結婚したきっかけは奥様の妊娠。デキ婚です。翔平さんは、「相手とは結婚する気はなかったし、今でも離婚したいと思うことがある」と言います(筆者がたまにお伺いするバーのマスターなので、翔平さんのコメントはお友達口調とさせていただきます)。
「たった1回でデキちゃったんだから、『ウソでしょ!?』って最初は信じられなくてさ。『本当に俺の子?』って聞いたよ。店の常連客(男性)にも『自分が費用を出すから、DNA鑑定(※1)をしたほうがいいよ』って言われたもん(笑)。
でも、相手は『絶対に堕ろさない。独りで産んで育てる』って言い張るだけ。
シングルマザーに育てられた家庭環境が影響していたのかもしれないけど、『今は結婚とかマジで無理だから』と伝えても、『産む』の一点張り。
自分の子どもかはわからないけど、心配だからちょくちょく様子を見に行くと、どんどんお腹が大きくなっていく。相手は働けないから俺が生活費を渡していたんだけど、もう堕ろせない段階で観念したの。
もうすぐ出産する女性に非道な仕打ちはできない。腹をくくろうって。で、自分から『結婚しますか……』って、切り出した」
子ども“だけ”がかすがいの関係に…
「美香さんの粘り勝ちですね」と言うと、「そう。子どもができていなかったら絶対に結婚していなかった」と答えます。
翔平さんは、元格闘家の魔娑斗さん似の男前で、女性が好みそうな適度な筋肉質体型。接客態度もソフトで、常連男性によれば「結婚前は、翔平さん目当ての女性客が大勢いた」とのこと。
モテ男です。モテ男を「結婚するしかない」と降参させるためには、デキ婚が近道なのかも!?
「40代50代の大人婚」は、子づくりがマストではありませんが、翔平さんは「責任をとって結婚するのであれば、相手の年齢は関係なかった」と言っていました。
ただし、ご夫妻は「子はかすがい(子どもが夫婦の縁を保ってくれるということのたとえ)」ではなく、「子“だけが”かすがい」の関係になっているようで……。
「俺、結婚してから一度も浮気はしていないのね。
女性のお客さんとは、お店が終わってから飲みに行くだけ。カラダの関係は一切ないし、相手は家で子育てをしているのに、なぜかバレちゃうの。
だから、『本当に怒らない?』って全部白状すると、激怒される。お菓子の詰め合わせが入ったアルミ缶で、頭をバコーンと殴られたりもしたよ(笑)。
寝ているとき、馬乗りになられて『私のこと、愛してないんでしょう!?』って、首根っこをつかまれて揺さぶられたこともあるし。相手が怒っているときはね、俺、子どもに『助けてー!』って言うの。3人の子どもに向かって」
離婚したい夫婦関係でも子どもは3人…「愛情と性欲は別」
えっ、3人? 「今でも離婚したいと思うことがある」のに??? しかも、3人目のお子さんは取材当時まだ2歳。ということは、出産前の十月十日前には……。
「男は相手に愛情を持っているかどうかと、そういう欲は別なんだよ(笑)。俺、1人目が生まれたあとは本気で離婚しようと思っていたのね。だから避妊具を装着して行為をしようとしたら、外されちゃったの。『ひとりっ子じゃあの子がかわいそうでしょう! きょうだいをつくるの!!』って言われて。
3人目は流れというか、諦念かな。3人で“打ち止め”だけど」
「子どもが成人して巣立ったら会話のない夫婦になると思うよ。熟年離婚する前に俺は死んじゃうと思う。こんな飲み方をしているんだから」と、インタビュー中もお客さんからごちそうになった、ショットグラスに入ったテキーラを一気飲みする翔平さん。
デキ婚は離婚率が高い説がありますし、「翔平さんがカウンターに立つ日にバーへ行きたい」と、彼を人として慕っている筆者は、いろいろ心配です。
(※1)SeeDNA法医学研究所のHPによると、DNA鑑定は妊娠7週目から鑑定が可能とのこと。
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