70歳の彼が「結婚?大反対!」の親を説得するためにしたこと

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2021-01-19 06:01
投稿日:2021-01-19 06:00
「何歳からでも夫婦になるのは遅くない」とお伝えする本連載。インタビュアー・内埜(うちの)さくらが、40歳以上で結婚した男女の事情を深堀りする「40代50代の大人婚」です。

最初のデートで「相手の自宅」を提案された

case6-3.冴島凛さん(仮名/41歳)

 橋本マナミさん似の妖艶な雰囲気を持つ冴島凛さん(仮名/41歳)は、29歳年上で70歳の旦那様からナンパされて出会い、結婚に至りました。

 当日はお茶のみで解散しましたが、次回の初デートで旦那様から提案された場所はというと。旦那様が複数所有しているうちの、住居として使用しているマンション。最初のデートが相手の自宅。抵抗はなかったのでしょうか?

「あなたを騙さない」という証明に…

「彼はナンパで出会った初対面の人。『次に会うときは(自分の部屋に)お酒や食べ物を用意しておくから、ゆっくり話そう』と言われて、即答はできませんでした。でも、返答に窮した私の心情を察したのか、彼が説得してきたんです。『日本人女性は関係の浅い相手の自宅でデートというと抵抗を持つけど、男性の部屋を見ると一番手っ取り早く、その人の生活や本性がわかるんだよ。既婚者はもちろん、ほかに彼女がいたら必ず痕跡があるから、自宅には呼べないはず。呼ぶ側の僕からすれば、自宅に招待することは『あなたを騙さない』という証明になるんだ』と。いま思うと丸め込まれたのかもしれませんが(笑)、当時は『なるほど』と納得したんです」

自宅デートの基本は相手を「信用」してから

 筆者も同じように口説かれたら同意してしまいそうですが……ちょっと待って! 最近は物騒な世の中。

「信用できない相手の部屋や車内などの、密室で2人きりになってはいけない」という、筆者の母の教えを基本にしたほうがいいと思います。

「なにかあってもなんとかなるだろう」と旦那様の自宅を訪ね、自宅デートでは会話が途切れず盛り上がり、以降、ほぼ毎日会うようになった凛さんのケースは、稀というか幸運といえるのではないでしょうか。

 凛さんのように外食ではなく自宅で、「相手を信用できる」と感じられたらリラックスモードで恋仲は急速するかもしれませんが、訪問するか否かの判断は、自身の“嗅覚”による判断におまかせします。

 見誤って穢された例を知っているので、筆者はお勧めできませんが。

反対する両親を説得するために彼がしたこと

 男性の自宅が初デートという難関を突破した凛さんと旦那様は順調に愛を育み、結婚前に必ずといっていいほど通過する儀式を経験します。女性側の、ご両親への挨拶です。反対されたのでは。

「彼が70歳で父親が75歳、母親が69歳ですから、心配とともに反対されました。『不動産投資をしている人』と伝えても、『先がない人と結婚して大丈夫なのか。騙されているのではないか』と。そこで父親が、彼に対して質問状を作成したんです。彼は、『今までの彼女のご両親に、こんな屈辱的な仕打ちは受けたことがない』と憤慨しながらも、質問状への返事とともに、自身の履歴書や経歴書をつくってくれました」

 旦那様の真摯な姿勢に、ご両親は「娘を不幸にするような悪い人ではない」と判断したのでしょう。結婚は賛成の運びとなりました。

家事を任せてくれないのはなぜ?

 ただインタビュー中、凛さんが旦那様への不満をしばしば口にすることが気になりました。「きみは家事が下手だ」と言われて、現状は室内の掃き掃除と自身の洗濯しか担当させてもらえないこと。出会ったのが6月で、凛さんが住むマンションの更新期限が8月というタイミングで「じゃあ同棲しようよ」と言われたものの、今でも毎月7万円を旦那様に支払っていて、「彼が年上だからといって、ちやほやされてはいません」と語ったこと。

 あらら? 楽観主義者の筆者は、裏返して考えてしまいました。掃き掃除と自身の洗濯しかしていないのは、旦那様が面倒を見てくれているということでは。人生はいつなにが起きるかわかりませんが、平均寿命のみで考えれば、先に亡くなるのは旦那様です。「一通りの家事はできますが、得意ではありません」という凛さんのために、「自分が亡きあとは、こうするんだよ」という、背中を見せてくれているのかもしれません。

 結婚は、財産を共有する意味も含みます。資産家の旦那様が月7万円という、同棲前の凛さんが住む賃貸マンションと同等の金額を求めるのは、「自分の資産を相続しても、お金に目がくらまないように」という教えなのかもしれないのです。

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

関連キーワード

ラブ 新着一覧


年下彼氏からアラフォー女性がコクられても即別れを告げられる理由…鬼門はアナタの「誕生日」にアリ
 やっとできた年下の彼。けれどその幸せもつかの間、1カ月もたたないうちに彼から別れを告げられてしまう年上女性が続出してい...
内藤みか 2025-02-27 06:00 ラブ
お泊りデートの失敗談7選。ワキ処理忘れの惨劇、冷たい賢者タイム、謎のはい!はい!掛け声コール…
 大好きな彼とのはじめてのお泊まりデート。肝心なところで「やらかしちゃった!」と真っ青になったり、愛を確かめ合っている中...
恋バナ調査隊 2025-02-27 06:00 ラブ
友人の彼氏のED告白を聞いて思うのは、「正直、いいな」。
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
新井見枝香 2025-02-27 06:00 ラブ
「好きだけど、もう疲れた」恋愛でも燃え尽き症候群にご用心! なりやすい人の特徴と解決法
 それまで熱心だった人が急に意欲をなくしてしまう「燃え尽き症候群」は、恋愛でも起こるといいます。恋愛で燃え尽き症候群にな...
恋バナ調査隊 2025-02-26 06:00 ラブ
離婚しないけど一緒に過ごすのも嫌だ…そんな夫婦が選ぶ「家庭内別居」の原因・実態は?
「離婚はしないけど一緒に過ごすのも嫌だ」と、家庭内別居を選択すしている夫婦は少なくありません。でもなぜそうなったのか、気...
恋バナ調査隊 2025-02-25 06:00 ラブ
前科発覚! 好きな人が過去に浮気していたら…許せる派? 許せない派?
 今アプローチしている相手や、狙っている好きな人。その人が過去のお付き合いで浮気の前科があったら、あなたは許せる派? そ...
恋バナ調査隊 2025-02-24 06:00 ラブ
「結婚するわけがない。観察対象としては面白い」美意識ゼロな恋人に冷めた目を向ける50歳男性
「冷酷と激情のあいだvol.234〜女性編〜」では、シングルマザーとして子育てと仕事を両立させる洋子さん(47歳・仮名)...
並木まき 2025-02-22 06:00 ラブ
「男性にモテるために、わざとプチプラ服を選んでいます」床上手を自負する47歳女性の再婚計画
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-02-22 06:00 ラブ
井桁弘恵は男友達と2人で旅行もオッケー。「男女の友情」がガチで成立する条件とは?
《恋愛のことも仕事のことも話せるのが男友達》――。モデルで女優の井桁弘恵(28)が、18日放送の日本テレビ系「踊る!さん...
パラサイト不倫2人目の“標的”はあの女のFB友達…40代婚活セミナー講師がもくろむ復讐プラン #2
 悦子さん(48歳婚活セミナー講師/既婚子供アリ)は「リッチな成功者の男性」「承認欲求高めのハイスぺ男性」としか不倫をし...
蒼井凜花 2025-03-03 19:08 ラブ
不倫相手と別れた後の女性心理。既婚女性と未婚女性、立場によっても違う
 不倫していた男性と別れた後、女性はどのような心理になるのでしょうか? 自身が既婚者なのか未婚者なのか、立場によって抱く...
恋バナ調査隊 2025-02-21 06:00 ラブ
Overアラサーが20歳代の年下男性に愛される理由…彼らにとって「収入」は二の次だった
 アラサー以上の女性が年下男性を好む傾向は前からありましたが、最近顕著なのは、20代男性がアラサー以上の年上女性を好むよ...
内藤みか 2025-02-20 06:00 ラブ
「風俗を使ったら、心ごと妻から離れてしまうかもしれない」。セックスレスに耐える30代男たちの悲痛な叫び
 今やネット・メディアを通してそのワードを目にしない日はないというほどに深刻な、日本のセックスレス問題。しかし当事者だと...
久留米あぽろ 2025-02-18 06:00 ラブ
身の毛もよだつ不倫の恐怖体験3話。あり得ないような“まさか”がある…!
 世の中には不倫に興味がある人もいるでしょう。でも、どんな事態になるのか、どんなリスクがあるのか深く考えずに突っ走るのは...
恋バナ調査隊 2025-02-17 06:00 ラブ
LINE見返しちゃうよ…「未練が残る曖昧な別れ」3選。駆け引きしたら負けた? それともすっきり?
 好きな人との別れはどんな形であれつらいですよね。中でも曖昧な別れは未練が残るもの。この世の終わり…などと感じる時間も長...
恋バナ調査隊 2025-02-16 06:00 ラブ
「実家から高い肉が送られてきた」のお誘いは警戒度MAXで! 異性と“2人きり”を回避する賢いお断りLINE3選
 フジテレビや中居正広さんの一件は、いろいろと考えさせられる機会となりました。そのひとつとして「お誘い」があった時です。...
恋バナ調査隊 2025-02-15 06:00 ラブ