かすべは軟骨を味わいたい
夏を乗り切る簡単料理をリクエストしたところ、遠藤総料理長が最初にチョイスしたのは“かすべ”。ガンギエイ科の魚の通称で、エイのことをいいます。北海道では煮付けで食べるのが一般的。コラーゲン豊富で多くの人に好まれているそうです。
「多めの油でじっくり焼くことによって、中の軟骨を軟らかくするのがポイントです。弱火で焦げない程度に片面5分、両面で10分くらいでしょうか。軟骨が嫌で取り除く人もいますが、かすべはやはり、軟骨を味わっていただきたい」
ここまでは至って、簡単に調理できそうですが「難しいといえば難しい」と前置きした上で、もうワンポイント、プロの焼き方を伝授してくれました。
「我々の場合、鍋の油の温度を調整しながら焼き上げます。温度が高くなってきたらフライパンを火から外して温度を下げ、冷めてきたらまた火にかける。これを何度か繰り返すと、軟骨がかみ砕きやすくなり、さらに食べやすくなります」
食欲が低下しやすい酷暑にもピッタリ。レモンの酸味に加え、肉料理によく使うクレソンを添えることでシニグリンという成分が食欲増進、胃もたれ解消の効果を促してくれます。冷蔵庫で保存するのは軟骨が固まってしまうため、ご法度とのことですのでご注意を。
【材料】
・かすべ(エイ) 150グラム
・塩コショウ 少々
・小麦粉 適量
・サラダ油 100㏄
・玉ネギ 4分の1個
・輪切りレモン 2枚
・クレソン 適量
※レモンソース
・水 50㏄
・砂糖 25グラム
・でんぷん 4グラム
・ポッカレモン 50㏄
【レシピ】
1. かすべ(エイ)を適量の大きさに切り、塩コショウをして、小麦粉をまぶす。
2. フライパンにサラダ油を入れ、かすべを揚げ焼きする。
3. 両面をカリカリにし、火が通ったら皿に移す。水でさらした玉ネギを引いて、輪切りレモンとクレソンを添える。
4. 鍋に最初は水、次に砂糖とでんぷんを入れてよく溶かす。最後にポッカレモンを入れたソースを、弱火でとろみがつくまで温める。
5. 4のソースをかけて出来上がり。
本日のダンツマ達人…遠藤稔さん
▽えんどう・みのる
1968年、小樽市生まれ。15歳で調理師の道を志し、丸井今井・小樽店のレストランで中華料理専門のシェフとして勤務。20歳の時に札幌市西区のホテルヤマチ、29歳で小樽朝里クラッセホテルに移り、副支配人・総料理長として現在に至る。「小樽あんかけ焼そば親衛隊」の一員で、ご当地グルメでのまちおこしに尽力。日本中国料理協会小樽支部副支部長、薬膳調理指導員。
▼シルフィード
小樽の奥座敷、朝里川温泉郷にある小樽朝里クラッセホテル内のロードレストラン。4種の肉(牛、豚、鶏、羊)と魚(鮭)をミックスしたオリジナルの「ハイブリッドミート」を使った寄せ鍋、ハンバーグステーキ、黒酢入り甘酢あんかけは健康メニューとして絶大な人気を誇る。温泉入浴とのセットも好評。
小樽市朝里川温泉2―676
℡0134・52・3800
営業時間10~22時(ラストオーダー20時30分)、平日14時30分~17時は喫茶のみ
(日刊ゲンダイ2018年8月28日付記事を再編集)
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