山盛り食べても飽きない味
トンノはツナ缶、ファジョーリは白いんげん豆のこと。店では乾燥した豆を水に一晩漬けて戻してから茹でています。今回は市販の水煮タイプを使いました。
「トスカーナ地方は内陸部なので魚介類を使う料理はほとんどありませんが、ツナ缶はよく食べるのです」
アクセントとなるのは、メニューには含まれない玉ネギ。現地では赤玉ネギを好んで使います。
「白ワインビネガーに1時間ほど漬けておくと独特の辛味が抜けます。それをザルにあげてから使います」
イタリア人はチーズや肉などこってりした食べ物を好むイメージがありますが、実は野菜をもりもり食べるんだそう。
「日本人よりも量を食べるんじゃないかと思います。私がフィレンツェにいた時は、山盛りのトンノ・エ・ファジョーリをメイン代わりに注文し、白ワインと一緒に楽しんでいる中年男性もいましたよ」
冷蔵庫で3~4日は保存可能。冷やすと味がなじんでさらにおいしくなります。さっぱりしていて飽きのこない味だから、食欲が落ちる夏場にもってこいです。
【材料】
ツナ缶 70グラム×2
赤玉ネギ 1個
白いんげん豆(水煮) 380グラム(1パック)
レモン果汁 適量
イタリアンパセリ 1枚
塩 適量
エキストラバージンオリーブオイル 適量
【レシピ】
(1)赤玉ネギを細かく切り、ひたひたになる量のワインビネガーに1時間漬け、ザルにあげる。
(2)ボウルにツナ缶、白いんげん豆と①を入れ、レモン果汁、塩、オリーブオイルで味を調える。
(3)イタリアンパセリを添えて皿に盛る。
本日のダンツマ達人…大沼清敬さん
▽おおぬま・きよたか
1977年、埼玉県生まれ。高校卒業後に働いた洋食レストランで多様な食材を使うパスタのうまさに目覚め、イタリア料理の道に。都内や伊フィレンツェで修業後、29歳で丸の内の「デリツィオーゾ・フィレンツェ」でシェフとなり、39歳で独立、門前仲町に店を構えた。
▽トラットリア ブカ・マッシモ
大沼シェフがイタリア滞在中に食べていたトスカーナ地方の料理が中心。小皿の野菜をいくつか頼んだあとで、ワインと一緒にメインの炭火焼きを楽しむ客が多い。客の7割がリピーターで、根強いファンが通う名店。ミシュランの「ビブグルマン」(安くてオススメできる店)にも選ばれている。
江東区富岡1―24―11
℡03・5809・9022
(日刊ゲンダイ2019年6月12日付記事を再編集)
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