新しいニラ玉のカタチ
「“五反田ヒルズ”のレジェンド的名店『食堂とだか』に『ウニ・オン・ザ煮卵』という名物料理があるんです。それにあやかろうというわけでもないと思いますが、卵の上に何かをのせるメニューを出す店がヒルズの中に何軒もあって、私だったら、煮卵に何をのせたいかなあと考えて生まれたのがこの料理。新しいニラ玉のカタチです」
オリーブオイルで炒めたニラに、塩昆布、みりん、牡蠣醤油を加えてまぜ合わせた熱々のソースをゆで卵にかけるだけ。即席で味が染みた煮卵風のおつまみ卵ができるというわけです。独特のコクと濃厚な風味のミルキーなソースが卵にからみ、エロチックなおいしさ。味の決め手は牡蠣のダシが入っためんつゆで、ママが愛用しているのは「アサムラサキ」。
「普通のめんつゆでもOKです。うちの料理の基本はめんつゆで、料理によって何種類かを使い分けています」
なるほど、濃いめにバシッと決まっためんつゆベースの料理は、お酒によく合います。
「単身赴任の男性客も多いので、料理の作り方をよく聞かれます。お客さま同士で、この間あれを作ってみた、これを作ってみたと話が盛り上がっているのを聞くと、すごくうれしいですね」
“みんなの嫁でありたい”というアミママの料理が、孤独に戦うサラリーマンの胃袋と心を癒やしてくれているのです。
【材料】
・卵 10個
・ニラ 1束
・塩昆布 1つかみ
・みりん 大さじ2
・牡蠣醤油 大さじ2
・塩 10グラム
・オリーブオイル 50ミリリットル
【レシピ】
1. 卵を常温に戻し、殻に小さな穴を開けるイメージで、パックの上からスプーンなどで軽く卵の上部をたたく。こうすると殻がツルンとむける。
2. 鍋に湯を沸かし、沸騰したら塩を入れ、再沸騰したら①の卵を入れて7分ゆでる。その間に、ニラを5ミリ幅に切る。
3. フライパンにオリーブオイルと2のニラを入れて火をつけ、軽く炒める。緑色が鮮やかなうちに塩昆布、みりんを加え、みりんのアルコールが飛んだら、牡蠣醤油を加え、まぜて火を止める。
4. 2の卵を引き上げ、氷水につけて粗熱をとり、冷ましてから殻をむく。
5. 卵を半分に切って深めの鉢に並べ、上から3のニラソースをかける。
本日のダンツマ達人…平野アミさん
▽ひらの・あみ
岡山県出身。美容専門学校の通信課程を修了後、ヘアメークをしながらスナックや居酒屋の手伝いをする。映画の製作や広告代理業を経て、合コンをコンセプトにした料理教室を主宰。2017年6月に「きになる嫁デラックス」を開く。
▽きになる嫁デラックス
JR五反田駅西口から徒歩2分。おふくろの味ではなく、“嫁の味”をコンセプトに、野菜や薬味がたっぷりのヘルシーなおばんざいが日替わりで楽しめる小料理屋。メニューはなく、何軒目の来店かによって料理を適当に見繕ってくれる。東京都品川区西五反田1―9―3 リバーライトビル地下1階。
(日刊ゲンダイ2019年7月3日付記事を再編集)
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