お手軽食材で本格イタリアン
青森駅から徒歩約10分。「しんまち商店街」に店を構えるのがイタリア料理店「リンチェ」です。滝沢英哲シェフは実に研究熱心な料理人。店で出している牛、豚、鶏肉のさまざまな部位から作ったシャルキュトリー(ハムなどの食肉加工品)は、すべて自家製。東京の某シェフは「シャルキュトリーでは、滝沢さんの右に出る者はいないんじゃない」と絶賛なんですよ。
また、滝沢シェフは、「北日本神経〆師会」の一員でもあります。全国の有名料理人から支持される「塩谷魚店」の塩谷孝さんが立ち上げたのが〆師会で、魚の最高の味を引き出すことがその目的。そのままでもおいしい青森の魚が、滝沢シェフの手でよりおいしくなります。
そんな滝沢さんが考えてくれた“ダンツマ”は、簡単に手に入る食材で作れるお料理です。
「紹介する5品は、実際に近所のスーパーで買ってきた食材で作りました。豪華な食材でなくても、特別感のある料理を作れるんですよ」
トップバッターは、時間を置くほどにおいしくなる豆のサラダ。5品すべて作れば、立派なコース料理になります。
【材料】
・白インゲン豆(レッドキドニーなどでもいい) 230グラム
・ツナ(水煮でもオイル缶でもいい) 70グラム
・玉ネギ 80グラム
・ワインビネガー 適量
・オリーブオイル 適量
・塩コショウ 適量
※分量は2~3人前
【レシピ】
(1)玉ネギは繊維に沿ってスライスし、水に5分ほどつけて辛味を取る。
(2)玉ネギの水気を切り、塩をして揉む。
(3)豆、ツナ(オイル缶ならオイルを切る)、玉ネギを混ぜ、ワインビネガー、オリーブオイル、塩コショウで味付け。味を馴染ませるためにしばらく置く。
(4)作って1~2時間後くらいからが食べ頃。冷蔵庫で3日ほど保存可。
※盛り付けるときに、下にサラダ菜(分量外)などを敷くと美しい。
本日のダンツマ達人…滝沢英哲さん
▽たきさわ・ひでのり
1974年、青森県青森市生まれ、野辺地町育ち。元マウンテンバイクレーサー。2000年にイタリアへ渡り、現地の料理学校、エミリア・ロマーニャ州ラ・カバンナ、ピエモンテ州オステリア カッシーナ ディ フィオーリのMassimo Milanに師事。04年に帰国。八戸でオステリア デル ボルゴを開店後、15年から青森で同店を開店。
▽リンチェ
24歳で料理人への転向を考えた時、相談した先輩から「本気なら本場に行った方がいい」と言われ、いきなり渡伊。「絶対にイタリア料理人になる」という強い信念のもと、1日19時間ものイタリア語の勉強をこなし、厳しい修業に耐えた。リンチェの店内にはテーブル席とカウンター席。シェフ手作りのシャルキュトリーをはじめ、酒が進む前菜がこれでもかと載った「お一人様セット」が1500円と破格の値段だ。ぜひ出張や一人旅の時に。青森市新町2―6―18。
(日刊ゲンダイ2018年10月16日付記事を再編集)
フード 新着一覧