焼いた後は皿に置いて休ませて
青森の素晴らしい食材は、魚介に限りません。県内で育てられている肉は牛、豚、鶏、羊、馬、ダチョウと多岐にわたります。野菜も、ほかの地ではなかなか手に入らないものが作られています。
「青森は素材が良すぎるんですよね。だから、食材をそのまま“生”で出す店が多い。でも僕は、手をかけてもっとおいしくなるなら、その方がいいなって。さらにワンランク上にいきたいんですよね」
滝沢シェフが育った野辺地では「野辺地葉つきこかぶ」が名産。そのまま食べても甘くてジューシーですが、滝沢シェフの手がかかったそれは、おいしさが倍増していました。
そんな滝沢シェフは、イタリア本場の技法を使ったさまざまなイタリア料理を、青森県産の食材を積極的に使いながら、お客さんに振る舞っていきたい――と語ります。いつか、新幹線や飛行機に乗ってでも食べに行きたいですね。
【材料】2人前
・厚めにカットした豚肉 200グラム
・塩 少々
・サラダ油 適量
・イタリアンパセリ 5グラム
・アンチョビー 15グラム
・ニンニク 2分の1~3分の1片
・バター 30グラム
・レモン薄切り
【レシピ】
(1)常温に戻した豚肉の両面に軽く塩を振る。ソースの味が加わるので、塩のかけ過ぎに注意。
(2)フライパンに油を引き、1を弱火で両面を焼き、蓋をして蒸らす。焼きは片面5分ずつ、蒸らしは1~2分が目安。つまようじを刺して、出てきた肉汁がピンクや透明なら中まで火が通っている。
(3)豚肉を皿に置いて休ませる。すぐに切ると肉汁が流れてしまうため。
(4)叩いたアンチョビー、イタリアンパセリのみじん切り、潰したニンニクを2のフライパンに入れ、火にかけて温める。フライパンに残っていた肉汁がフツフツと沸いてきたら火を止め、バターを入れて溶かす。
(5)豚肉に4のソースをかける。好みでレモンを搾っていただく。
本日のダンツマ達人…滝沢英哲さん
▽たきさわ・ひでのり
1974年、青森県青森市生まれ、野辺地町育ち。元マウンテンバイクレーサー。2000年にイタリアへ渡り、現地の料理学校、エミリア・ロマーニャ州ラ・カバンナ、ピエモンテ州オステリア カッシーナ ディ フィオーリのMassimo Milanに師事。04年に帰国。八戸でオステリア デル ボルゴを開店後、15年から青森で同店を開店。
▽リンチェ
24歳で料理人への転向を考えた時、相談した先輩から「本気なら本場に行った方がいい」と言われ、いきなり渡伊。「絶対にイタリア料理人になる」という強い信念のもと、1日19時間ものイタリア語の勉強をこなし、厳しい修業に耐えた。リンチェの店内にはテーブル席とカウンター席。シェフ手作りのシャルキュトリーをはじめ、酒が進む前菜がこれでもかと載った「お一人様セット」が1500円と破格の値段だ。ぜひ出張や一人旅の時に。青森市新町2―6―18。
(日刊ゲンダイ2018年10月20日付記事を再編集)
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