「カレー風味酢豚」カレー粉とお酢のコラボで絶妙な味わいに

コクハク編集部
更新日:2021-01-29 06:00
投稿日:2021-01-29 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、2年連続でミシュランのビブグルマンに輝いた大阪・西天満の中華料理店「中国菜 香味」の矢谷幸生さんに、カレー粉とお酢の相性が抜群の「カレー風味酢豚」のレシピを教えていただきました。

味のポイントはウスターソース

合う酒=ビール(C)コクハク
合う酒=ビール (C)コクハク

「カレー粉に酢」の味がまったくイメージできませんでしたが、これが何とも絶妙な味わいに仕上がっていました。

「ヒレ肉を使うと脂っぽくなく、サッパリして軟らかいのですが、食べておいしいのは脂の入った肩ロースです。肉というのは適度な筋と脂身と赤身がある方がいい。それをどうやったら、さらにおいしくできるか考えました」

 じゃばら状にちょっと切り込みを入れるだけで筋が切れるし、味が乗り、肉が軟らかくなります。

 表と裏の切り込みを逆にすれば、バラバラにちぎれません。こうすることで肉に甘酢がよく絡んで、コクのある味わいになるのです。

「ポイントはウスターソースです。いろいろな野菜のエキスやスパイスが入っているので、味を調えてくれ、料理のアクセントになります。ケチャップと酢と砂糖だけだと単に甘ったるくなるだけですが、ウスターソースを入れることでグッと味が締まります」

 合わせ調味料の分量は黄金比率なので、人数分に合わせて加減すれば、いつでも誰でも鉄板のカレー風味酢豚が味わえるそう。晩酌をしていても白米が欲しくなります。

材料

・豚肩ロース 200グラム(厚さ1センチのステーキカット)
・タマネギ 50グラム
・じゃがいも 50グラム
・パプリカ赤&黄  各20グラム
・ピーマン 20グラム
・冷蔵庫にある野菜 何でもOK

【水溶き片栗粉】
・片栗粉 小さじ1
・水 小さじ2

【合わせ調味料】
・ケチャップ 40グラム
・酢 30グラム
・砂糖 40グラム
・水 60㏄
・カレー粉 3グラム
・ウスターソース 15㏄

レシピ

(1)肉の表面と裏面を右斜め、左斜めと反対方向にじゃばら切りして切り込みを入れる。塩、コショウ(分量外)をして3センチにカット。
(2)タマネギはくし切り、じゃがいも、ピーマン、パプリカは細切りにする。
(3)湯に少量の塩、カットした野菜を入れ、ボイルする。
(4)具材をザルにあげ、水気を切って皿に盛り付ける。
(5)肉は薄く片栗粉をまぶして油で焼き、火を通す。この時、火が通り過ぎないよう注意する。
(6)そのフライパンの中に合わせ調味料を加減しながら少しずつ入れる。
(7)水溶き片栗粉を入れて、とろみの様子を見ながら好みで調整する。

本日のダンツマ達人…矢谷幸生さん

▽矢谷幸生(やたに・ゆきお)
 大阪府松原市出身。子供の頃、中華鍋とお玉が当たる「カチン、カチン」という音に憧れ、小学校4年の時、「将来の夢は」という欄に「調理師」と書いた。辻調理師専門学校卒業後、在学中に講師を務めていた千葉県柏市の老舗中華店「知味斎」の料理長にその意欲と熱心さを買われ、9年間、修業を積んだ。料理は全て手作りで「できることは全部やる」という現在の店のコンセプト、経営のノウハウは全て知味斎で叩き込まれた。32歳で店を始め、今年13年目を迎えた。

▽中国菜 香味(シャンウェイ)
 2020年、21年と2年連続ミシュランのビブグルマンに輝き、リーズナブルでこだわりの料理の数々が味わえる。常に新しい味を求め続けるオーナー兼シェフの矢谷さんは、オープン以来、毎年4、5回、わざわざ休暇を取って北京や上海、四川省、香港などに買い付けに行っている。山積みにされた数種類の唐辛子や山椒を味見し、どんな料理に合うかを考え、納得したものだけを仕入れるというのだから探求心旺盛だ。店の名前は「知味斎」の「味」と、同店で一緒に修業した先輩が経営する四川料理店「飄香」の「香」から取った。「飄香」は現在、銀座三越など東京で3店舗を展開する有名店だ。大阪府大阪市北区西天満3―6―15。

(日刊ゲンダイ2021年1月16日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


混ぜるだけ「甘エビのチリソース」はサルサソースがいい仕事
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の「farm studio #20...
ビール一択から卒業!鶏の唐揚げに辛口の白ワインが合うワケ
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2023-01-11 06:00 フード
「暗殺者のパスタ」はお出汁が飛ぶけど激旨 2023.1.5(木)
 運動不足改善&腰痛対策で縄跳びを始めたのですが(80回も飛べば息ゼェゼェ)、飛び終わると「腹が、減った……!」(byゴ...
【2022年アツかった記事】ひとりランチにお金はかけられない!卵かけご飯をチンして「即席チャーハン」に
【およねの爆速!女ひとり飯】 (2022年12月に公開したものを一部変更し、再掲した記事となります)   ※  ...
およね 2023-01-27 19:59 フード
【2022年アツかった記事】吉野家待望の親子丼 不適切発言にマジ切れした40女の食ルポ
(2022年4月に公開したものを一部変更し、再掲した記事となります)  ※  ※  ※
「鶏ハツ焼きとイチジク山椒風味」フルーツとハツと赤ワイン
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒の「Bar à Vin ムッシュヨー...
KALDIで1年間リピートしまくった食品5つ 2022.12.29(木)
 今年も残すところあと3日。1年間お世話になったKALDIで、リピートしまくった商品を5つピックアップしました。  人...
年越し蕎麦はワインで決まり!「辛口カヴァ」が超絶合うワケ
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-12-28 06:00 フード
団子が焼ける! コメダ和喫茶おかげ庵ルポ 2022.12.27(火)
 みなさま、コメダ珈琲店でお好きなメニューは何ですか? クリームたっぷりの看板メニューシロノワール? それともメニューよ...
クリスマスイブにぴったり! ラム酒を利かせた「生チョコ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は京都・梅小路京都西の「西洋茶屋 山本」の山本智弘...
「焼きカチョカバロと洋ナシ」洋ナシのコンポートに七味の妙!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は京都・梅小路京都西の「西洋茶屋 山本」の山本智弘...
新大久保で流行りの屋台グルメを食べ歩き 2022.12.20(火)
 いまや渋谷や原宿と並んで、流行の最先端の街といわれる新大久保。コロナ禍もあって、食べ歩きがなかなかできていなかったので...
ゾンビのように疲れた日に「レンジであったかチゲうどん」
 2022年も残すところ2週間弱。世間はクリスマスモード一色だけどさ……。今年中に納めなくちゃいけない仕事はまだまだある...
およね 2023-05-31 14:56 フード
山口下関「大衆酒場 三枡」で旬のふくを!2022.12.17(土)
 山口県の下関といえば、やっぱり「ふぐ」(※)。今が旬の高級魚を求めて、東京駅始発の「のぞみ」に飛び乗りました。 ...
「マッシュルームのひと皿」生と焼きで味も食感も全然ちがう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒の「Bar à Vin ムッシュヨー...
寒い夜には「おでん」と“ベストマリアージュ”の白ワイン!
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-12-14 06:00 フード