子宮全摘のひとり暮らし会社員ですが、え、まさか猫を飼う?

コクリコ 編集者
更新日:2021-03-21 14:19
投稿日:2021-02-28 06:00

命と引き換えに母親には一生なれなくなった

 私は45歳、独身の会社員です。出版社で本の編集をしています。

 出版社って忙しそうですよね? とよく聞かれますが、実際に忙しく、ストレスもたんまり溜まり、それが原因かはわかりませんが、私は42歳で子宮頸がんになりました。

 ステージ1B1。がんとしては初期と言われるステージですが、子宮頸がんの中では悪性度が高い「腺がん」という診断がなされ、予後を考えると子宮と2つの卵巣は残せないということで、すべて摘出しました。当時のこと、そして病のことについては、「around40の胸騒ぎ~未婚、がん、子宮全摘」で綴っているので、詳しくはそちらにお寄りいただければと思います。

 話を戻します。同級生が高齢出産をしている時期でもあった頃、私は命と引き換えに、なにをどうやってもお母さんにはなれない身体になったのです。この年だし、命が繋がっただけでよかったのですが、お母さんにはなれないと言われるとそれもなんだかさみしいものなんですよね。なんとなく「お母さん」という存在には憧れを持ち続けていました。

保護猫の里親である友人たちの話

 術後、半年ほどがすぎ、体調もだんだんとよくなるなかで、猫を飼っている同僚の家に遊びに行きました。

 彼女は保護猫2匹の里親で、同い年のシングルです。結婚していた時も猫を飼っていたのですが元夫に引き取られたとのことで、離婚後に別の2匹を迎えたといいます。

 彼女は生粋の猫好きで、日々Twitterに2匹の猫の写真を投稿しているのですが、その日も猫のいる暮らしの魅力を語ってくれました。

「猫がかわいいから、毎日楽しい」「友達が猫みせてーって集まってくることが多いからさみしくない」「〇〇(同じ会社のわりとルーズな後輩)でもお世話できてるから大丈夫!」とその話を聞いているうちに、「あ、猫いいかも?」と、思うようになりました。

 もちろん「いたずらされたくない食べ物はしまわないといけないから、電子レンジの中にとりあえず入れる」「観葉植物は食べられちゃう」というネガティブ情報もあったのですが……。

彼氏はイラッとするけど猫はかわいい

 また、もう一人同じようにシングルの親しい友人がその頃に保護猫の子猫兄弟を迎えたことも刺激になりました。こんなに忙しく働いている彼女でも飼えているのなら、もしかして私でも飼えるかも? そして以前、ライターの友人が話していた「男が家にいて、腹の立つことをすると“ぶっ殺す”と思うけど、猫には思わない。なにしてもずっとかわいい」というフレーズもずっと脳裏に焼き付いていました。ぶっ殺さなくていいのか。ますますいいじゃないか。

とはいえ「自分で飼う」ハードルは高かった

 実家では犬を飼っていましたが、猫を飼ったことはありません。猫ってどんな生き物なんだろう、猫がいる暮らしってどんなものなんだろう、なにが必要なんだろう、忙しくてもちゃんとお世話できるのかな。友人たちの暮らしの一部を見せてもらう中で少しずつ「私が猫を飼ったなら?」を想像していました。でも、ひとり暮らしで命を預かることはなんだか難しそうという思いの方が大きかったかもしれません。

 だから、この時の私は、そこまで真剣に猫を探してはいませんでした。猫かわいいよね、飼えたら楽しそうだよね、でも……と揺れ動いていた気がします。

運命の出会いは本当に突然やってきた…!

 そもそも半年前にがん宣告をされ、死を考えることさえあり、術後の激やせと体力の低下で自分の世話もろくにできない時期もあったのです。それが、まさか自分が猫を飼うことになるなんて。しかも保護猫のきょうだいを。出会いとは本当に突然で、そして運命的で。ここで出会い運を使い果たしたかもしれない……!

 次回に続きます。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


なんでもない日々のこんな瞬間が好きだ 2023.5.8(月)
 次の予定があるのかな? 待たせている人がいるのかな?  もしかして、移動は小走りと決めているせっかちな性格なのか...
親友の新彼氏にモヤモヤ。その恋大丈夫?と諭すべきか、だんまりすべきか
 20代の頃は、女友達のヤバめな恋愛相談に乗る時「友達なんだから、止めなくちゃ」と思っていました。  友達が学内で...
“たまたま”が緊張の鼻チュー♡ 白黒姐さんの香りにドキドキ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
お休みは“いつか終わる”からこそ価値がある 2023.5.7(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
謝るつもりが火に油!「失言の謝罪LINE」絶対に送ってはいけない3選
 人間誰しも失敗をしてしまうことがあります。特に失言は、相手を傷つけてしまい、なかなか関係が修復できないケースも多いはず...
「キラキラしてる人が苦手」と思うのはなぜ? 隠れた理由と賢い対処法
 好感度が高いキラキラした人を見ると、「羨ましいな」と思う反面、「苦手……」と感じる人は多いのではないでしょうか。苦手と...
「今、今、今!」今でしょは生ぬるい!? ママ友からのお受験“圧”LINE3選
 自分の子供の人生を少しでも良くしようと必死の「お受験ママ」。特に小学校受験に関しては、小さな子供本人が希望してというよ...
店員の勧めも食い気味にNO!おばさんになって「楽」と感じる8つの瞬間
 ある程度の年齢になると、嬉しいはずの誕生日も憂鬱に感じるかもしれません。「もうこれ以上、年を取りたくない!」なんて思っ...
ひとりで焚火するのは良い気分 2023.5.5(金)
 パチパチという音を聞きながら、目を細めて揺れる炎をぼうっと眺める。  ひとりで焚火するのは良い気分。こういう時に...
妻を労う夫が選んだスノーピーク×久保田の酒 2023.5.4(木)
 銘酒「久保田」を製造する朝日酒造と、アウトドアブランドの「スノーピーク」。一見、何の関係もないようですが、実はどちらも...
魅惑のオッドアイにうっとり♡ コミュ力抜群な“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
現実世界では一発逆転ってあんまり起きない 2023.5.3(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
「浮気してるんでしょ?」デマだよ、デマ…戦慄!ママ友いじめLINE3選
 子育て中のママが避けて通れないのが、ママ友同士の付き合い。適度な距離感を保ちつつ、上手に付き合えるママがいる一方、マウ...
値上げにウンザリ!2023母の日のトレンド「お得な商品」が丸わかり
 春うららから初夏の予感の日々でございます。  3年ぶりの“マスクオフ”が許された今年のGWはいずれの観光地も大賑...
貯金ゼロ女、将来が不安すぎる! 無駄遣いをやめる8つの方法
 コレといった大金を使った覚えがないのに、「もう、お金がないのだけど!?」なんて毎月思っていませんか。自覚のない無駄遣い...
ヤンバルクイナ? 所変われば標識も変わるね 2023.5.1(月)
「とび出し注意」の標識に描かれているのは……もしかしてヤンバルクイナ?  所変われば標識も変わるね。道路で希少動物...