魚は白身魚なら何でもよし
サワラは、身が崩れやすい魚です。西京焼きや塩焼きが好まれるのは、塩で身を締めるため。そんな春を告げる魚は、油との相性もいいんです。
「春のサワラは、冬に比べると脂が少なく、サッパリしているので、調理に油を使うとコクが出るのです」
刺し身で食べるとホロホロとした身が、この調理だとふんわりとまとまっています。あんのウマ味とサワラそのもののウマ味も重なって、焼酎や日本酒との相性抜群です。
小松菜、ニンジン、シメジの野菜は歯触りがよく、胃に落ちます。食感のアクセントもgood。
「店で作ると、野菜を素揚げしたり、油通ししたりします。家庭でそこまでやるのは面倒なので、野菜は生のままあんに加え、水溶き片栗粉でとろみをつけるときだけ加熱すれば十分。そうすれば手間が減るし、野菜の食感のよさが生きる。一石二鳥です」
サワラのほか、タイやスズキ、ヒラメ、タラなど白身魚なら何でもよし。野菜もレシピにこだわることなく、何でもよし。食材は、その日の気分や財布と相談して選ぶといいそうです。
「火を使うのは、白身魚を焼くときと、あんにとろみをつけるときの2回だけ。あんの味つけも、麺つゆでいいので、この料理、見た目よりかなり簡単ですよ」
何度か練習して、パートナーに作ってみては?
材料
・サワラ 1切れ
・塩 少々
・小麦粉 適量
・サラダ油 適量
・小松菜 1株
・ニンジン 適量
・シメジ 適量
・麺つゆ(濃縮タイプは水で薄めたもの) 80㏄
・大根 3センチ分
・片栗粉 適量
・ごま油 少々
レシピ
(1)サワラを一口大に切り、塩を振って10分ほどおき、小麦粉をまぶす
(2)濃縮タイプの麺つゆは水で薄めておき、大根はおろして軽く搾る
(3)熱したフライパンにサラダ油をひき、1を焼いたら、取り置く
(4)ニンジンは薄い半月切りに、小松菜は3センチ程度に切ったら、ほぐしたシメジと一緒に鍋に入れ、麺つゆを加えて、加熱する
「加熱は、とろみつけのときにサッと。ニンジンや大根など火が通りにくい野菜は、薄く切るのがコツです」
(5)4に水溶き片栗粉を加える
(6)5にとろみがついたら、大根おろしを加えて火を止める
(7)3に6をかけて、ごま油を垂らしたら出来上がり
本日のダンツマ達人…丸山陽三さん
▽丸山陽三(まるやま・ようぞう)
大手中華料理チェーンのホール担当として飲食のキャリアを積み、約20年前にこの店で板前に。焼き物や煮物などレパートリーは幅広い。週末は妻に料理を振る舞いながら、新メニュー研究に励んでいる。
▽銘酒処 木曽路
東京・新橋にオープンして30年超。魚介の鮮度の良さから、豊洲市場の関係者も訪れる。大間のマグロのほか松阪牛のにぎりも人気で、日本酒や焼酎はレアな銘柄がズラリ。東京都港区新橋3―6―4 スカイワールドビル3階。
(日刊ゲンダイ2021年4月15日付記事を再編集)
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