コロナ禍で転業を考え始めたイケメンカフェ店員の胸の内

内藤みか 作家
更新日:2021-07-22 06:09
投稿日:2021-07-22 06:00
 緊急事態宣言が発令され、街の人出が減るなか、密やかに営業を続けて穴場となっているスポットはいくつもあります。実は、イケメンがいるあの人気スポットにも、前代未聞の空席が生じているらしいのです。

全国数百点規模の「コンカフェ」

 東京には秋葉原や池袋などに「コンカフェ」と呼ばれる店が、ひしめくようになりました。メイドなど店舗のコンセプトに沿った衣装に扮した女性が給仕をする店がほとんどですが、一部には衣装を身につけた男性が給仕する店もあります。コンカフェは近年増殖を続け、全国に数百ほどの店が存在しています。

 都内にあるコンカフェには、執事やアイドル、戦国、女装、BL……など、さまざまなコンセプトの店舗があり、女性客は自分の好みに合った店に足を運ぶことができます。店内で女性を出迎えるイケメンたちと、お話ししたりチェキを撮ったりと交流することがこうした店舗での大きな楽しみなのです。

時短営業中のコンカフェ

 コロナ禍となり、東京都に緊急事態宣言が発令されると、イケメンたちが在籍しているコンカフェも対応に追われることになりました。時短営業の要請により、今までは深夜までだった営業時間は午後8時までとなり、カクテルやシャンパンなどの酒類も販売できなくなってしまったのです。

 今までであれば、週末は地方からの女性客で賑わい、予約が取りづらいこともありました。しかしなかなか東京に足を運びづらい現在、「空席あります」とアナウンスする店舗も増え、人気のイケメンと余裕をもってやり取りできる環境が生まれているようです。

生活苦のキャストも

 コンカフェのイケメンキャストのひとりであるKくん(仮名・21歳)に、話を聞くことができました。薄い金髪の、色白で弱々しそうな母性本能をくすぐるルックスの彼は、開口一番「生活苦です」と言いました。時短営業で労働時間が今までの半分になってしまい、生活費がかなり厳しい状態になっているのだそうです。お店自体もお酒の売り上げが減り、来客人数も今まで通りとはいかず、この先どうなるのかとても心配だとも。

 Kくんは減った収入を補うために、アパレルショップの店員のアルバイトを始めたそうです。その掛け持ちで、なんとか生活できているとのこと。できればコンカフェの収入のみでやっていきたいそうですが、コロナがいつ収束するか先が見えません。お店が元通りの賑わいを取り戻すにはまだしばらくかかりそうだと考え、生きるために昼の仕事を探したそうです。

転業を考えることも

 このままコロナ禍が続いたらどうするかを、Kくんは今、真剣に考えているそうです。カフェ店員を今までのように続けることができない場合、彼が今、検討しているのが、アイドル業。いわゆる「メン地下(メンズ地下アイドル)」への転業です。といっても、ダンスも歌もこれから勉強する必要がありますし、どこかのユニットに入れてもらえるかどうかもわからない、どうやって売り込んだらいいのかもわからないので、今は情報収集中だそうです。

 コロナ禍ではアイドル業も厳しい状態が続くかもしれないのですが、それでもチェキや物販のバックもあるだろうし、カフェ店員より稼げるのではないかと考えているのだとか。とはいえ、ファンはつくのかなど心配も多く、安定した生活は難しそうです。

ゆくゆくは上に立ちたい

 それでもKくんがアイドルになることにこだわり続けているのには、理由があります。それは、いずれは自分がアイドルのプロデュースをしたいということ。「自分で実際にアイドルを経験していたほうがプロデュースもやりやすいと思うので、将来のための投資として、アイドルをしておきたいんです」と言うのです。そうすれば、何歳になっても稼ぐことができるからと思っているそう。

 長引くコロナ禍、イケメンの生き方や稼ぎ方にも大きな変化が訪れているようです。話を聞いているとリアルな世界よりはオンラインの世界のほうがコロナの影響が大きくないようなので、このままだと、オンラインにイケメンが押し寄せる可能性も出てくるかもしれません。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


動物は「あったかい場所」を見つける才能があるみたい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
私「復縁希望?」女友達「あと2年で吹っ切る」失恋かまってちゃんLINE
 失恋をして心が傷つくと、少しでも誰かに気持ちを聞いてもらいたくなるもの。  でも、あまりにしつこかったり、常識が...
キャンプより安近短なべランピング!楽しむコツ&それでも失敗したエピ
 空前のキャンプブームが到来していますが、やはりイチからキャンプギアを集めてテントを張って…となると、ハードルが高いと感...
見上げた青空が眼に染みて…1日に1回くらいは空を眺めてみる
 青空が眼に染みると思ったら、しばらく空を見上げていなかった自分に気が付いた。  うつむいて歩くのがクセになってい...
「俺のソーセージも試食して」じゃねえ! 40女の成人の日の思い出
 1月8日は成人の日。晴れ着やスーツに身を包んだ新成人たちの姿は、眩しいものです。  成年年齢が18歳に引き下げられま...
これって誘拐ですよね!? 遊んでいたら詰められた恐ろしいご近所トラブル
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
神秘的! 宝石のようなオッドアイの純白“たまたま”に幸福祈願
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「緑の黒髪」があるなら、白髪の“褒め言葉”は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
日本の美徳すごい!便器に汚物箱…海外で体験した考えられないトイレ事情
 日々の生活に絶対に欠かせないもの、「トイレ」。1日に何度も顔をあわせる存在ですが、実は国によってトイレの形状や使用方法...
2024-02-26 19:03 ライフスタイル
まるで宝探し!話題の木更津コンセプトストアでほっこりした男女の会話
 昨年6月、三井アウトレットパーク木更津(千葉)の隣にオープンした「木更津コンセプトストア」。サステナブルな社会を目指し...
「量と質」どちらを優先するか迷ったら経験値を振り返ろう
 大人になると「量より質」を意識する機会が増えますよね。私の場合、食事に関してはまさにそうなってきた気がします。  そ...
湧き水が心にも沁みてくる 福井県爪割の滝
 北陸地方に甚大な被害をもたらした能登半島地震。  被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。  つらいこ...
貫禄の毛繕い中をパチリ!ありがたいご神体“たまたま”に感謝
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【2023年人気記事】セックスは嗜好品?子宮頸がんサバイバーの性生活
 2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初...
2024-01-04 06:00 ライフスタイル
近すぎなくていい 毎日は“ゆるい人間関係”に支えられている
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
【2023年人気記事】吉田沙保里と大久保嘉人は公認? ウロつく女が嫌!
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...