20代派遣OLの告白「私、不倫相手と同じマンションに…」#4

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2021-09-03 06:00
投稿日:2021-09-03 06:00

プレゼントの香水が招いた悲劇

――恋愛って本当に女性を変えますよね。

「はい、心からそう思いました。毎日がワクワク……というか、ヒリヒリ、ドキドキ……でも幸せです。毎日のように来るLINEも嬉しかった。『愛してる』『早く抱きたい』と送られるたび、ときめいていました。

 で、ある日、彼が『はい、プレゼント』と高級ブランドの香水をくれたんです。それまでの私は香水をつけない派で、どちらかというと、天然のアロマオイルや自然派のボディーローションのみだったのですが……せっかく彼からのプレゼントだからとつけるようにしました。彼の好みの香りなんだと思うと、まとっているだけで、彼に包まれているような幸せな気持ちになりました」

――しかし、ある日、恐れていたことが起こったという。

「彼が来られない日に、女友達が遊びに来てくれたんですね。で、天気もいいし、屋上に行こうということになったんです。マンションの屋上はベンチがあり、芝生や花壇もあるとても居心地のいいスペースなんです。

 晴れた日には、小さな子供を連れて散歩するファミリーやヨガマットを敷いてヨガを楽しむ女性もいる。ベンチはたくさんありますから、読書をしたり、おしゃべりを楽しむ人もいる。
……で、偶然にも彼を見つけちゃったんです。しかも、奥さんと息子さんも一緒の……。 

 私、『ああ、ついに恐れていた日が来た』と思いました。

 屋上はA棟とB棟の共同スペースでしたから……でも、よりによって家族団らんの場に遭遇するなんて……ショックでしたね。

 十歳と聞いていた息子さんは、彼に似て聡明な感じで、奥さんはスラッとしたスタイルで、スポーティなショートボブが似合う美人でした。三人とも細身のデニム姿で、まるでCMに出てくる幸せな家族そのもの……」

天国から地獄に

――つらい現実ですね。彼はH美さんに気づきましたか?

「はい、女友達が花壇の写真を撮りたいと言うので、そちらに向かったら、彼もたまたま同じ方向に歩いてきて、奥さんの顔も真正面からばっちり見ちゃいました。彼とも目が合いましたが、そ知らぬふりです。
……ただ、ショックだったのは、奥さんがつけていた香水が、私にプレゼントしてくれたものと全く同じ香りだったということです」

――そんな……

「私も言葉を失いました。

 あれは、私のために選んでくれたものではなく、不倫がバレないように奥さんと同じものにした『浮気バレ防止アイテム』だったんです。すれ違った奥さんから、自分と同じ香りが漂ってきた時のショックと言ったら……とても言葉では言い表せません。

 天国から一気に地獄に突き落とされました。

 屋上に続く階段の中ほどに化粧室があるのですが、女友達に、『ちょっとトイレに行ってくるから』と急いで個室に駆け込んで、一人で泣きました」

――つらかったですね

「はい、不倫にはある程度の覚悟は必要だと思っていましたが、家族と鉢合わせるわ、贈り物の香水が実は奥さんと同じものだったわで、動揺して……。あの甘いセックスや優しい言葉は何だったんだろうって」

続きは次回。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

エロコク 新着一覧


憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#3
 大ファンである人気女優・美咲さん(仮名・30代)に近づきたいがために、その夫・Kさん(40代)と肉体的関係を持った邦子...
蒼井凜花 2019-09-02 06:45 エロコク
クワガタの角に息子クンを挟んで…男性を喜ばせるラブグッズ
 彼を喜ばせたい! でも何をどうしていいか分からない。テクニックを身に付けるのって難しそう……という女性に知ってほしいの...
桃子 2019-11-12 04:44 エロコク
映画「火口のふたり」に充満する男女のエロスと切ない裏事情
 女性は甘美な欲望に貪欲かつ忠実な生き物です。いいんです、それでいいんです。むしろ、オトナ女子なら神様が授けてくださった...
「ギネス世界記録」を断る失敗しない男・ひろしの処世術
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
必要以上に身体を触られ…アラフィフ女に覚えた違和感
 同性からのセクハラも、逃げ場を塞がれやすいものです。 (この人の態度、なにかおかしいけど、まさか……女同士だし…...
女性器リノベに投資する女たち#3…「膣がゆるい」の真相は?
 美容整形外科のメニューにはあるのに、あまり表立って語られることの少ない女性器の整形手術。費用はどれぐらいかかるのか? ...
憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#2
 大ファンである人気女優・美咲さん(仮名・30代)に近づきたいがために、その夫・Kさん(40代)と肉体的関係を持った邦子...
蒼井凜花 2019-08-26 06:00 エロコク
地球の裏側からでも操れる? スマホで遠隔操作可能なバイブ
 仕事でもプライベートでも必要不可欠なものになっているスマートフォン。これからはセックスライフにも欠かせないものになるか...
桃子 2019-11-12 04:44 エロコク
タバコもピルも本当の自分も捨てたら酒カスになったわたし
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
「会わずに君を追い詰めたい」SMサイトの男性が講じた奇策
 とあるSMサイトで出逢った人の中に、「会わないままで君のことを追い詰めたい」という一風変わった人がいました。  ...
性癖を通してパートナーを…緊縛されたかった女性の出会い
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-08-21 19:20 エロコク
吸って震えてのダブル刺激…“吸引系”火付け役の高級モデル
 毎年、「出会えてよかった!」と心から思えるバイブレーターが何本かあります。「ウーマナイザー デュオ」もそのひとつ。 ...
2019-11-05 13:23 エロコク
祝結婚・小泉進次郎的「鎧を脱がせる」隠れた被支配欲求とは
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイッ...
性欲の強い女性が好きそうな食べ物“ベスト5”を考察してみた
 私の周りには性欲の強い女性のお友達がいるのですが、彼女たちとご飯に行くと、メニューやお店のセレクトにどうやら傾向が見ら...
大きさも振動も…女性が安心できる「電マ」売れているワケ
 自分で自分を気持ち良くするセルフプレジャー。じっくりと楽しみたい夜もあれば、短時間でささっと済ませて眠りにつきたい夜も...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#1
 人の数だけドラマがあり、同時に嫉妬も憎しみも、それ以上の愛や執着もあるのだとしみじみ感じます。前回の「主婦レズビアン」...
蒼井凜花 2019-08-26 12:22 エロコク