「シングルマザー」はかわいそう? 世間は意外に優しかった

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-09-28 06:00
投稿日:2021-09-28 06:00

「シングルマザーになりました!」と公言して回った日

 離婚の理由はそれぞれで、女性の生き方はさらに自由になっているはずなのに、「シングルマザーです」と誰かに打ち明ける時には、少しだけ勇気が要るものです。

 しかし、私は「シングルマザーになりました!」と、わざわざ思い切り笑顔で公言して回った派でした。同情や心配をされたくなくて、「強いね」と思われようと予防線を張りました。

 でも、世間のみなさまは、思ったよりもあっけらかんとしていました。

「バツイチの世界にようこそ!」と、離婚経験者の言葉。「えー! 突然すぎ! それ、井戸端会議で言う話!?」と、笑い飛ばしてくれたママ友。

 近所に住む、顔見知りのおばあちゃんにも「出戻りました!」と報告。昔の女性だし、普段から毒舌だし、きついことを言われるかなと覚悟していたのですが、「あら、よくやったわ! 我慢するよりよっぽどいいわ! たいしたものね!」と褒められ、拍子抜けしたものです。

 私のほうが、古い人間なのかもしれません(笑)。

シングルマザーに対して世間は意外にも優しかった

 つまりは、頭でっかちに、過敏に、卑屈に考えていたということですね。

「シングルマザーはかわいそう」と思っていたのは自分自身だけで、実は世間は優しく、というか、他人にそこまで興味なんて持ちません。

 幸せかどうかは自分と我が子が決めればいいことであって、ほかの人がどう思おうと、どうでもいいことでありました。

 とはいえ、離婚は、結婚をする時以上に「第二の人生をどう生きよう?」と考えますし、「絶対に後悔しない」と心に誓う、人生のターニングポイント。

 自分を肯定し、どうしても「間違っていない」って思いたくて、「シングルマザーになりました!」を、当時の私はやっていたのでしょうね。

シングルマザーかどうかは“取るに足らない”こと

 離婚して3年目の今、「シングルマザーなんて、わざわざ公言することでもない“取るに足らないこと”だな」ということがわかってきました。

 そんなわけで今は、隠しはしないけれど、聞かれたら言うくらいにしています。

 いつか息子が「ぜんぜんなんとも思わなかった」と言うのか、「パパがいなくてさみしかった」と言うのかはわかりません。

 もしも、後者だった時には、思いきり落ち込みます。でも、きっと謝ることはしません。息子と私は違う人生を歩んでいますし、その日まで、堂々と笑顔で育てているはずですから。

「シングルマザー」はかわいそう? 今のところ、そんなふうには思いません。そう思い続けられるように、宝物の息子を引き続き大事に育てたいと思います。

(文;孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


すべてはそこから 人も食べ物も「相手を知る」と好きになる
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
モテないのは「太ったから」ってさぁ 女友達の素直すぎるLINEにグサッ
 自分にも人にも素直な人は魅力的ですよね。言葉に計算や嫌味が隠れていないため、付き合いやすく感じるはずです。 ...
子供も自分も波風立てずに守りたい! モンペア級要注意ママ友の見分け方
 子育て中はママ友との付き合いは少なからず避けられません。もちろん、気の合う人もいるでしょうが、中には要注意人物やモンス...
マウント地獄は住んでから…ゴミ捨て顔作りは当然!タワマン住民あるある
 華やかなイメージのあるタワマン生活。誰よりも高い場所から街の景色を見下ろせるのだから、とてもいい気分だろうなと想像して...
戦いごっこの兄弟を激写!純白のツー“たまたま”はまさにお宝
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
生活感がない世界が一閃切り開かれる瞬間をみた
 生活感がない世界が一閃切り開かれるよう。  巨大な建築物と、血管のように張り巡らされた路線と、時間に正確な鉄道と...
発達障害疑惑の長男が知能テストで高得点…医師の診断に母の心は晴れない
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
「べっぴん」の由来は? 褒め言葉のつもりでもセクハラ認定の可能性が…
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
カナとか!!!とかwwwとかおばさん構文認定なのね…ドン引き痛LINE集w
 言葉遣いや、文章の書き方は世代によって変化していますよね。  そのため、LINEの文章には、つい年代が滲み出てし...
ほっこり読み切り漫画/第61回「ぎゅうぎゅうにゃんこホーム」
【連載第61回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
押し流されていいのか…ダンプカーが運ぶ土が海を埋めていく
 ダンプカーが運ぶ土が、着々と辺野古の海を埋めていく。  ラジオから「完成は早くても2037年」というニュースが聞...
40代独女が「ひとりでできる趣味」でクレーンゲーム中毒になりかけた!
 前回の記事「習い事は無理でもプチ趣味なら! クレーンゲームとガチャガチャにハマった」でクレーンゲームを紹介しましたが、...
参加予定の飲み会、行きたくないときあるよね…角が立たない断り方4選
「飲み会に誘われたけど、どうしても行きたくない……」  そんな気分の日は、誰にでもありますよね。今回は行きたくない飲み...
人生絶賛停滞中…スナックのお姉さんや経営者が実践するブレイクスルー
 仕事でもプライベートでも、“行き詰まった感”がハンパない時ってありますよね。見えない壁があるというか……。みなさんはそ...
ずっと会っていない「昔の友達の誕生日」が忘れられない
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
ドヤ顔で“たまたま”をチラリ! ニヤリな口元がカッコイイね
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...