安心できる材料は離婚前に集めたい…私が用意した3つのもの

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-11-09 06:00
投稿日:2021-11-09 06:00

私がシングルマザーになる時に用意した3つのもの

 私がシングルマザーになる時に用意したのは、次の3つ。「子供にとって最適な住まい」「収入の見通し&もしもの時のお金」「大丈夫という確証」です。

1. 子供にとって最適な住まい

「離婚後どこに住むか」というのは、最初に考えたことです。選択肢は2つで、部屋を借りるか、実家に帰るかのどちらか。

 心機一転、新たに住まいを探すことも考えましたが、そうなれば幼稚園から保育園に転園させることを考えなければなりません。物理的に親子の時間が減るので、息子に大きな環境の変化を強いることになります。それは避けたほうが良いと思いました。

 幸い、実家には私の部屋が残っていました。そこに帰ることができるかが、第一関門。

 しかし、当時、実家の両親には離婚を考えているそぶりすら見せていませんでしたので、何度か機会を作り、順を追って離婚への経緯を話しました。

 孫と娘の将来を案じてくれたのでしょう。両親は、“出戻り”を認めてくれました。

2. 収入の見通し&もしもの時のお金

 シングルマザーになる時、やはりお金の心配は避けては通れないことです。

 子供一人が18歳になるまでにかかるお金は、約1,730万円だそう!(参考:内閣府調査)、加えて、大学に行く場合や自分の老後のことも考えなければなりません。そのうえで「1カ月にこのくらい稼げていればなんとかなる」というボーダーラインを割り出して、収入の見通しを立てました。

 ちなみに、養育費は数に入れていません。養育費を払わない男性は約75%もいると聞きますが、そんな不確かなものをあてにしたくもありませんし。それに「自分だけで育てる!」という決意だったものですから、公正証書なども作らずじまいで……。(元夫に失礼なので言及しておきますと、口約束でもきちんと払ってくれています)

 あとは、「もしもの時のお金」も、離婚後、真っ先に用意したものです。私に万が一のことがあった場合、両親に負担がかかりますし、息子が路頭に迷ってしまいます。そこで、息子を受取人とした生命保険、そして、息子が一生涯使える終身医療保険に加入しました。

3. 大丈夫という確証

 それから、母子家庭で育った男友達たちにリサーチしたりもしました。「母子家庭って寂しくなかった?」「名前が変わってどうだった?」「恨んだりした?」なんて。

 単純に、今後、息子がどんなふうに思うのかが知りたかったのです。でも、真剣に質問すればするほど、なぜかみんな笑います。「考えすぎだよ」「どーんとしていなよ」「母親って無駄に心配するよね」「ママがいれば子供は大丈夫」って。

 これは、もちろん一意見です。でも、少なからず、背中を押してもらえました。根拠はないものの、「シングルマザーでも愛情いっぱいに育てたら大丈夫」と思えたのは大きなことでした。

 それに、話を聞いてはじめてわかったことが、みんな驚くほどの孝行息子だということ。「がんばる母親の姿」は、子供を賢く強く優しくするのかもしれません。どうやって育ててきたのか、シングルマザーの先輩であるお母様たちに、お話を聞きたいくらいです(笑)。

かわいい我が子がいてくれたらママはいくらでも強くなれる

 と、話が飛びましたが……そうして私は、安心材料が整ったあとで、最後に「後悔しない覚悟」を用意しました。

「離婚は第二の人生」と言いますが、子供にとっては「はじめての人生」。産むと決めたのも、この世に登場させたのも自分です。だから、息子には絶対に幸せになってもらわなければ困ります。

 実家に戻れなかったら、収入がなかったら、大丈夫と思えなかったら……どうしていたのか、正直、わかりません。今だって、不安要素はありますし。

 でも、先が見えなければ、道を作るまで。“地図なき道”を進むことには勇気が要りますが、私はひとりじゃありません。いつでもそばにかわいい我が子がいてくれる以上、ママはいくらでも強くなれるんじゃないかな、と思います。

(文;孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ちゃんと眠れてる? 休める時に休もうね 2023.6.4(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
爪噛み、鼻ほじ、風呂排尿…やめられない「私の悪習慣」から卒業する方法
 人間、生きていれば一つや二つくらいは人には言えない「やめられない習慣」があるもの。やめたいと思っていても、ついやってし...
セックスは嗜好品ですか? 子宮頸がんサバイバーの性生活を語ります
 日本人の2人に1人が罹患するといわれる「がん」。  ひと昔前なら不治の病とされていましたが、今は早期発見と手術や...
2023-06-22 18:37 ライフスタイル
癒しの漫画/第50回「君のトモダチは、僕のトモダチ」
 ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、その生きものたちをこよな...
歯科矯正で“ハムカツNG”となり、人生の楽しみが半減 2023.6.3(土)
 46歳になって歯科矯正(表側のワイヤー矯正)をはじめた女の悲喜こもごも。わかっちゃいたけど、食事に“難あり”の日々を強...
「圧が強い人LINE」に見る“3大”特徴…もっと違う言い方あるよね?
 圧が強い人と会話していると、なんともいえない嫌な気持ちになりますよね。勝手に断定して話を進められたり、強い口調で上から...
外国に来たかと思ってしまう光景 2023.6.2(金)
 外国語を話す人々に囲まれて、まるでこちらが旅行に来た気分。  僕らの日常は、この人たちの目にどう映っているんだろ...
SNSに疲れてない? 心身を整える「デジタルデトックス」5つのコツ
 インスタ、Twitter、TikTok……SNSのチェックやUPが日常となった今、「スマホやパソコンが欠かせない」とい...
デキる女が徹する「人の噂話3原則」乗らない・広めない・わかんない
 みなさんは人の話を聞く時、どんなことに気をつけていますか? コミュニケーションのテクニックは色々とあるでしょうが、私は...
お父さんといっしょ♪ チビ“たまたま”の尊さにノックダウン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
トイレ行列を横目に「今だけ男ね!」おばちゃん最強と悟った瞬間5選
 親しみを込めて「おばちゃん」と呼ばれる人もいる中、一部の女性は「鋼(はがね)の最強メンタルな迷惑おばちゃん」に仕上がっ...
【保存版】梅雨のお楽しみ♪ アジサイの切り花を“愛で尽くす”テクニック
 アジサイの美しい季節がやってまいりました! 近年アジサイ品種の豊富さは、アジサイフリークにとって誠に悩ましく、毎年コレ...
さいきん梅雨が来るの早すぎじゃない? 2023.5.31(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
誰にも言えない癖8選 鼻をかんだティッシュをつい見ちゃう!
 誰にだって、癖のひとつやふたつあるはず。癖は無意識にやっているため、いまだに自分で気づいていないことがあるかもしれませ...
ドッグフードってウマそうじゃない? 巷で噂の3品を食べたら思いのほか…
「毎日の食事が身体の基本を作る」と巷ではいわれていますが、それはわんちゃんも同じこと。  最近では犬の健康を追及し...
2023-05-30 06:00 ライフスタイル
【マツキヨ】プライべートブランド日用品4選 2023.5.30(火)
 ドラッグストアで買い物してると、「matsukiyo」と記載された商品が増えてきたなと思う今日この頃。ご存知の方も多い...