シンママになって“甘え”を覚えた私…認めてもらえる幸せ

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-12-07 06:00
投稿日:2021-12-07 06:00

「幼稚園おつかれさまでした!」と声をかけたら…

 息子の幼稚園は働くママの数が少なく、ほとんどが専業ママ。年少の時には「なんでみんなのママはお迎えが早いの? 早く帰りたい!」と、息子に泣かれたこともしょっちゅうでした。

「延長保育は子どものお仕事! ママもがんばるね!」と、なだめたこともたくさん。とはいえ、息子にとっての仕事は「嫌いなこと」。逆に、私にとっての仕事は「好きなこと」であり、生活の糧。

「自分都合だな」「申し訳ないな」と思いつつも、その環境に置いてしまう自分。でも、息子はいつだってあっという間に馴染んで、楽しさを見出してくれます。その“順応力”に、私はいつも「甘えている」と思うのです。

 年長になった今、仲の良い男友達と徒党を組み、まるで猿山の猿たちのように走り回って、本当に楽しそうにしている息子。

 最近「しっかりしたなぁ」と、なんだか愛おしくなって「幼稚園おつかれさまでした! いつもありがとね!」と、つい言葉が出ました。そしたら、「え? どうして? 遊んでただけだよ、ただの遊び!」って、たくましく答えてくれた息子。本当に頼れる男なのです(笑)。

シングルマザーの友達が言っていたこと

 そういえば、20年くらい前のこと。シングルマザーの友達に「うちの息子、すごいんだよ」と、自慢されたことがあります。夜、どうしても家を空けなければならない時、「今から出かけていいかな?」と、まだ小さな息子さんに聞いたところ、「お母さんが好きなようにしていいんだよ」と送り出してくれたと言うのです。

 当時の私は、単に「いい子だなぁ」と思っただけでしたが、同じシンママになってみると、その時、彼女がどれだけ心強く思ったか、どれだけその言葉に助けられたのか、すごくわかります。そして、自慢をしたくなる気持ちも!

 シングルマザーになると、ふいに孤独を感じることがあります。「いつかひとりになるのかな」とか、「この先大丈夫かな」とか。でも、そんな不安を一瞬にして拭い去ってくれるのが、我が子なのかもしれません。

“甘え”を認めてくれている存在がいる幸せ

「少し寝ていいかな?」と聞くと、お布団をかけてぽんぽんとしてくれたり、「イライラしてごめんね」と言うと、「さっき、めっちゃ変な顔だったよ!」とおどけてくれたり、「指が冷たくなっちゃった」と言うと、小さな手を擦り合わせて温めてくれたり。

 こんなふうに甘えたい感情を丸ごと伝えられる人がいるって、さらに、そんな甘えを認めてくれる人がいるって、なんて幸せなことなのでしょう。お互いにそうなら、なおのこと。

 私は今まで、「甘えたら嫌われる」とでも思っていたのかもしれません。さらに、誰かを丸ごと信用したことがなかったのかもしれません。

 とにかく、「甘えることはダメなことじゃない」ということを、この年にして一から学んでおります。そうすることで不思議と周りの人に「もっと甘えて!」と思えるようにもなりました。

 母にも「やらなくてよかったのに!」ではなく、「ありがとう」と素直に言ったほうが、お互いにいい気持ちになれるんだな、ということもわかってきました。

 相変わらず、泣いてその場をどうにかしようとは思いませんが、涙腺が緩くなったのは、年齢のせいなのか、甘えを覚えたからなのか。今後の人生に、上手に活かしていきたいものです。

(文;孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


小籔千豊さん「人生会議」は炎上も…家族のためにできること
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。今回は、ちょっと重いテーマかもしれませんが、「もしものとき」について考えてみ...
来年の幸せを呼ぶ 聖域と現世の境界線「しめ飾り」の作り方
 さぶ店長率いる我がお花屋さんのこの時期は、お歳暮とクリスマスとお正月が乱れ打ちで、足の踏み場を探すほど。  もう...
サボりがちなジム通い…やる気を継続させるための4つの工夫
 美容と健康のためにジムに入会している人は多いですが、ジム通いが習慣づいている人は意外と少ないですよね。 「行かな...
新宿で一目惚れ♡洲本発絶品厚焼き玉子サンドはいかがです?
 デパコスの聖地・伊勢丹で新色リップを試した後にZARAで掘り出し物を物色♡といった具合に、コスメもファッションも大好き...
黒くてまん丸…黒猫“にゃんたま”はまるで「あんこ玉」のよう
 白黒猫のにゃんたまωは哲学的なマーブル模様、キジトラは美しいグラデーション。  茶トラは美味しそうな鈴カステラの...
ママ友が面倒くさい! 快適な保護者生活を送るための秘策4つ
 良くも悪くも「ママ友」には、すごくお世話になりますよね。ママ友問題と無縁の夫たちは「そんなの一時の話だろう」と、まとも...
運動量の減少も…介護士が暴露する介護施設のデメリット3つ
 介護士をしていた筆者は、基本的に介護施設に入ることを肯定的に捉えています。介護施設には介護士はもちろん、理学療法士や作...
女性のひとり暮らしの部屋で男性が見ている7つのポイント!
 初めてのお家デート。好きな男性が自分のひとり暮らしの部屋に来るとなったら、いつもよりも念入りに掃除をする女性は多いでし...
男が手放したくなくなる女性は…か弱い量産型より“自立女子”
 華奢見えテクや上目遣いなど、女の子がか弱く見えるテクニックがこの世には溢れています……が、はっきり言いましょう。「姑息...
塩対応に負けるな! “にゃんたま”君の思いが届きますように
 にゃんたマニアのみなさま、こんにちは。  きょうは、かわいいあの子ににゃんたまωをアピールするも、そっぽを向かれ...
キャッシュレス払いは賢く!クレジットカードとの付き合い方
 オリンピックが近づいていることや経済産業省の推進もあり、キャッシュレス決済が広く認知されることになりました。これまで現...
乳がん検診を思い出して「プリンセチア」は女性の味方です
「自分のオッパイが足りなくて、酷い目にあったわ」  ある日、ワタクシの知り合いが仕事の打ち合わせで会って早々、興奮...
シングルマザーが胸を痛める 子供の“パパへの憧れ”の解決策
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。離婚は人生での大きな決断です。お互い好きになってくっつくのは簡単ですが、別れ...
コンビニにGO! 二日酔いの朝に摂るべき食べ物&飲み物6選
 ひどい二日酔いの朝、グロッキーな中で「もう二度と飲まない!」と決意した経験がある方は多いはず。でも、そんな人に限って、...
ほっこり幸せ…クリスマスプレゼントに“にゃんたま”はいかが
 もうすぐ楽しいクリスマス。  大好きなあの人に、気の利いたクリスマスプレゼントを考え中なら!  リンリンリ...
栄養士が教える! 冬に取り入れたい「温活食習慣」のススメ
 冷え込む日が増えて「冬がきた」と実感する日も多くなりましたね。芯から冷えた身体は、女性の大敵。日頃からしっかり温活をケ...