幸せなセックスから一転、毒親育ちの彼がリストカットを…#4

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-03-04 13:03
投稿日:2022-02-11 06:00

デート中の不穏な発言、そして…

ーー続けてください。

「その日を境にLINEでの連絡はもちろん、デートを重ねるようになりました。もちろんセックスも……。初めての強制フェラチオは嘘だったかのように、彼とのセックスは充実していました。

 でも、ある日のデート中、彼はふと、こんなことを言い出したんです。

『ミニスカートは俺と一緒にいる時だけにしてくれないか』って」

ーーえっ、洋服にNGが入ったんですか?

「はい、彼いわく『C子ちゃんは清楚系で可愛いから、他の男に口説かれないか心配だ。だから、普段はなるべく地味な格好をしてほしい』って。

 しかも、私の自宅マンションに彼を招いた時、クローゼットを開けてミニスカートやミニワンピースを取り出し『これは僕が預かるから、僕と一緒の時だけ着てほしい』って勝手に仕分けされたんです」

「ミニスカなんて下品だ!」と怒鳴られ

ーーそんな……。

「私が、『待って……なぜファッションを強制されなくちゃいけないの? ミニスカートって、ごく普通だよ。皆、普通にはいているよ』とやんわり言うと、『君が心配なんだ』と返されました。

 私が『心配してくれるのはありがたいけど、ミニスカくらいで……』と言うと、彼、目を剥いてすごい形相になり、『俺の気持ちはどうでもいいのか!』『俺は、君の体が他の男の目にさらされるのがイヤなんだ!』『ミニスカなんて下品だ』と怒鳴られました。

 その瞬間、忘れていた親の声がよみがえったんです。

『ミニスカートは禁止』『我が家の恥になるような言動はするな』『いつも正しく優秀であれ』ーー毒親から長年言われ続けたことばが、私の胸を無数の矢のように突き刺したんです。

 動悸が止まりませんでした。

 私が言葉を発せずにいると、彼は我に返ったように『ごめん、言いすぎた』と謝ってくれました。

 で、その夜は私の家に泊まってもらったんです。

 初めてのお泊りです。コンビニに行って歯ブラシや下着類を購入し、一緒にベッドで寝ました。そのころには仲直りできたし、おやすみのキスもしてくれたので、安心して寝入っていたんですが……」

深夜のキッチンで見た驚愕の光景

ーー続けてください

「真夜中、ふと目覚めると、ベッドの隣に彼がいません。

 寝ぼけた頭で『トイレかしら……?』と思った時、ドアを隔てたキッチンで物音がしたんです。

 嫌な予感に駆られました。

 キッチンに通じる引き戸を少しだけ開け、そっと中をうかがって……私、思わず『ヒッ』と息を呑みました。

 彼、シンク台を背に床に座り、声を殺して泣きながら、文具用カッターで自分の手首をスーッ、スーッ、といくども切っていたんです」

 続きは次回

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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