普通のきんぴらとは明らかに違います
「私が幼少期から慣れ親しんだ福田家の味です」
フライパンを軽快に振りながら、そう言ってまず作ってくれたのが、今回のこの一品です。
特に九州で珍重されるという干しダラを使ったきんぴらは、「熊本出身で飲んべえの父が自分の酒のアテに昔からよく作っているものです。私にとっては、おふくろの味、ではなく、オヤジの味。多めにつくれば、最高の常備菜にもなりますよ」と福田さん。
常備菜の代表格のきんぴらに、干しダラの独特の香りとうま味、食感が加わるのだから、おいしくないわけがない! 干しダラの風味をまとったごぼうも明らかに一味違います。
まろやかでコクのある球磨焼酎「大石」に合わせれば、グラスが止まらなくなること請け合いです。
【材料】
・干しダラ 100グラム
・ごぼう 中サイズ2本
・ごま油 大さじ1
・鷹の爪(小口切り) 1本分
【調味料】
・酒 大さじ2
・しょうゆ 大さじ2
・みりん 大さじ2
・砂糖 大さじ1と2分の1
【レシピ】
(1)干しダラを水で戻し、ごぼうをささがきにして水にさらす。
(2)ごま油をひいたフライパンに鷹の爪、干しダラ、ごぼうを入れて炒める。
(3)材料に油がまわったら調味料を入れ、水分が飛ぶまで炒めたら完成。
本日のダンツマ達人…福田拓矢さん
▽福田拓矢(ふくだ・たくや)
高校時代の校長に言われた「オレのような雇われではなく、オーナー社長を目指せ」との言葉を胸に、大学卒業後に飲食店経営の道へ。趣味の食べ歩きで「これは!」と思う一品に出合うと、店主に頼み込んで厨房に入れてもらうことも。旺盛な好奇心と研究心、さらには自家農園を持つほどの食材へのこだわりが、客の舌をうならせる秘訣だ。
▽たより
2015年7月にオープンした、五反田の隠れ家的人気店。注文が入ってから刺し身用をさばいて揚げるアジフライをはじめ、料理のほとんどを作りたてにこだわる。からしれんこんや馬刺しなど、父の故郷である熊本、九州料理も大人気。豊富に取り揃えられた焼酎も飲んべえにはたまらない。
(日刊ゲンダイ2020年3月31日付記事を再編集)
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