プレ更年期って何?デリケートゾーンが痒い!【薬剤師監修】

コクハク編集部
更新日:2023-01-26 19:06
投稿日:2022-05-25 06:00

2. かゆみの原因はホルモンバランス!?

「デリケートゾーンのかゆみというのは、汗や蒸れ、カンジダ感染など、さまざまな原因で起こるものなのよ」

 えりのボスはゆったり説明を始めました。

「おりものシートをこまめに替えて清潔したり、婦人科で診てもらったりするのがまずは大切。でも……いろいろなケアをしてみてもかゆみが改善しないという場合は、女性ホルモンの影響も考えてみるといいかな、と思うわね」

 ナナさんは興味津々の様子で聞き入っています。

「加齢の影響で女性ホルモンの分泌が減ると、デリケートゾーンが乾燥しやすくなってかゆみが出やすくなる方もいるのよ。これまで使えていたおりものシートなどが、刺激になってトラブルが出る方も……。とくに30代後半のプレ更年期以降は要注意だわね」

「プレ更年期、ですか……?」

「そうよ。更年期は閉経前後の40代半ばから50代半ば頃までの時期をいうけれど、30代後半も女性ホルモンの分泌が乱れやすい時期でもあるの。

 東洋医学でも、女性は7の倍数の年齢のタイミングで体調に変化が出ると考えられているわね」

「7の倍数?」

「古代からの考え方だから現代の女性には必ずしも当てはまらないかもしれないけれど、14歳で初潮を迎え、21歳で女性のからだができあがり、28歳でもっとも充実した状態となり……35歳で肌や髪トラブルが気になり始め、42歳で美容面での衰えが多くなり、49歳くらいで閉経する……というイメージね」

「そういえば、私はいま35歳なんですけれど、前より肌のくすみが気になってきたような……」

 デリケートゾーンのかゆみでお悩みのプレ更年期・更年期のみなさんは、女性ホルモンを整えることを意識してみてはいかがでしょうか。

3. プレ更年期の乾燥から来るかゆみの解消法

 更年期・プレ更年期の症状改善の方法のひとつとして、通院によるホルモン補充療法があります。

 ホルモン補充療法は女性ホルモンを薬で補ってホルモンバランスを整える方法ですが、乳がんなどのリスクがわずかに高まるおそれがあり(※1)、定期的ながん検査などが欠かせません。

 ホルモン療法に不安がある方、通院の時間がない方には、以下のようなセルフケアや、東洋医学的なアプローチがおすすめです。

(※1)産婦人科 診療ガイドライン -婦人科外来編2020

3-1. 質の良い睡眠

 できるだけ十分に睡眠をとるように意識しましょう。睡眠不足が続くと自律神経のバランスが損なわれ、女性ホルモンの分泌が乱れる原因になるからです。

 更年期には夜中にほてりや発汗などが起きやすくなり、加齢などにより眠りが浅くなる方もいるので、睡眠の質が落ちてしまうケースも少なくありません。

 そのため、意識的に毎朝同じ時刻に起きる、寝る前はカフェイン類を避けてリラックスするなど、睡眠リズムを整えるようにすることが大切です。

3-2. 適度な運動

 適度な有酸素運動は更年期の不調をやわらげることが知られており、東洋医学的にも「気」の巡りを整えるとされています。

 ウォーキングやジョギング、ヨガなどを無理のない範囲で取り入れていきましょう。

 運動の前後でストレッチを行ったり、有酸素運動に加えて5~10分程度の軽いウェイトトレーニングを加えたりするとさらに理想的です。

3-3. 漢方薬で体質改善を目指す!

 デリケートゾーンのかゆみには、炎症を抑える抗炎症作用やかゆみを止める作用を含む漢方薬の服用もおすすめです。

 また、漢方薬によって血液の循環を良くすることで、皮膚に栄養が行き渡り、デリケートゾーンの乾燥やかゆみを根本から改善することもできます。

 この血流の改善によって免疫力も上がり、美容やダイエットにも効果を発揮します。

 皮膚科や婦人科の治療でも、実際に漢方薬が使われているのです。

 漢方薬は女性ホルモンのバランスや自律神経の乱れも整えるので、心とからだ全体の健康を目指せます。「バランスのよい食事や運動を毎日続けるのは大変……」という方も、漢方薬ならば気軽に継続できますよ。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


夫が求めても無理!倦怠感をなくす更年期の心得~専門家監修
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
適当接客にイラッ…美容院を変えたいけどメリットはある?
 長年、同じ美容院に通っている人は多いですよね。でも、中にはだんだん違和感や不満を感じて美容院を変えたいと考えるようにな...
「写真が苦手」を克服!デジタル時代を生き抜くちょい盛りメイク術
 デジタルが進化した今の時代、写真撮影はとても身近になっています。でも中には、「いつも写真写りが悪い」「顔に自信がないか...
“垂れ乳”は断固拒否! 簡単バストケアで40代でもふっくら美胸をキープ
 40代頃からだんだん、バストのハリが弱くなってきたと感じる人が増えてくるとか……。このまま50代になり、しょぼしょぼに...
加齢たるたるのあるある<2>お尻の下のそれはマイナーな悩み
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんのこじらせ...
輪郭すっきりで5歳若見え! 超簡単セルフ小顔マッサージ4選
 40代になると、だんだん顔がふっくらしてきたり、たるみが目立ってきたりと、フェイスラインの変化を実感しはじめますよね。...
美容オイルで保湿!アラフォーで凄さを実感、ガチ使い3品♡
 30代半ばまで肌のハリを気にしたことがなかったのですが、最近気になりだしました……。そこで乳液をオイルに変えたところ、...
疲れやすい、眠りにくい!“幸せホルモン”不足を解消するには
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
巨乳女子の攻防戦「今絶対見てたよね?」胸が大きいあるある
「胸が大きくて羨ましい」と言われるたびに、「いやいや結構ツラいんだよ」とため息をつく巨乳女子も多いはず。「大きな胸は男を...
プチプラ服ですが何か? 40代女性向け“高見え”のコツ6カ条
 40代を過ぎると「もう40代なんだから、プチプラ服は卒業しようかな」と思ってしまう人もいますよね。でも、できれば節約し...
40代女性は髪まで悩みだらけ ツヤサラ髪を取り戻すケア3選!
 女性にとって、髪は命とも言われるほど大切な部分です。でも、40代を超えてくると、さまざまな髪の悩みに直面するのが現実…...
プレ更年期?ホルモンバランスの乱れに働くエクオールって??
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
タレ目メイクは2工程で理想形!失敗しないコツは目尻にアリ
 みなさん、今日もアイラインは引いていますか? アイラインは、角度が少し変わるだけで顔の印象を大きく左右しますよね。 ...
「テレワークのブス化」注意報! “上半身だけ”で本当にOK?
 コロナ禍でテレワークを導入する会社が多くなりました。出勤せずに自宅で仕事ができるテレワークは便利な反面、女性が「ブス化...
残暑と湿気でムシムシ「メイク崩れ&顔汗を止める」方法9つ
 残暑とはいえ、まだまだ湿度が高く、女性のメイクをドロドロに崩してしまう「顔汗」に悩まされますよね。止めようにも勝手に出...