更新日:2022-07-29 11:29
投稿日:2022-07-22 06:00
「あんたさえいなければ」幸せそうな姉の顔に怒り
――おつらいですね。
「そうですね。姉の幸せそうな顔を見るのが一番つらくて、苛立ちました。『あんたの隣に座っている彼は、私と何度も愛し合った男なのに……あんたさえいなければ、また彼は私のところに戻ってきてくれたかもしれないのに……』って。
で、最初こそ私の目を気にしてか、どこかぎこちなかった彼も、徐々に両親とにこやかに話していましたね。母も『こんな素敵な男性が息子になるなんて』と、イケメンエリートの彼を気に入った様子です。
父も、昔から姉びいきでしたから、姉が選んだ男なら間違いないと思ったんでしょう。『娘をよろしくお願いします』と最後には、自分の好きな日本酒を母に出させて乾杯していましたよ。
抱かれた記憶がいくどもよみがえり
私は何を話していいか分からず、皆の会話に相づちを打つばかり。ホステス仕込みの笑みを浮かべていましたが、姉を見る目だけは冷ややかでした。
Rさんは……悔しいけれど、やっぱり素敵でした。情熱的に抱かれた思い出がいくどもよみがえってきました。
手を伸ばせば届く位置に、私の体を抱いた手や、愛の言葉を囁いてくれた唇がある。
そして、彼の匂いがわずかに鼻先に揺らいで……気づけば涙目になっていました。もちろん、泣くことなんてできません。でも失恋後、彼とのセックスを思い出しながらオナニーをし、自分を救っていた夜を思い出すと、目頭が熱くなって……」
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