36歳、はじめての風俗デビュー
苦しいはずの風俗勤務、それよりも…
美沙さんは「奈々子」という源氏名で“人妻風俗”に勤めはじめます。18時までは受験参考書の会社で働き、19時には待機室で客からの指名を待つ毎日。職場の人はもちろん、健斗に知られてはならない……といつもピリピリしていました。
「30代半ばになって風俗で働くなんて……お客にいやがられたり、バカにされたりするんじゃないかと不安でした。でも、実際にはそんないやなことはありませんでした」
清楚でまじめな美沙さんは実年齢よりも初々しく見え、リピートのお客が付くようになりました。お客の脱いだ服を丁寧にたたみ、言葉づかいもやさしい美沙さんに、
「あんた、本当に良いところの奥さんなんじゃないの? なんでこんな仕事しているの?」
と、心配するお客もいました。
風俗ですから手や口での処理をしなければなりません。かなり抵抗があったはずですが、
「正直、健斗にするより楽でした。お客さんとは仕事だから……」
と、美沙さんは口ごもります。
「健斗は突然……夜明けの4時や5時に私を起こして、口での処理を求めるので……。眠くて舌の動きが止まってしまったり、歯を立ててしまったりすると怒るし。でも、お客さんとは料金通りのことをすればいいだけなので、慣れてしまうと楽でした」
健斗には、会社で残業していることにしました。風俗のバイトがばれたら健斗は去ってしまうだろう、と美沙さんは細心の注意を払っていたのです。
しかし、健斗はそんな美沙さんの変化の裏側を執拗に嗅ぎまわっていたのです。ある夜、デリヘルのバイトを終えて帰宅し、健斗が寝ているベッドに入ろうとしたときのことです。
「おかえり、奈々子さん」
眠っていると思った健斗に源氏名を呼ばれ、美沙さんは凍りつきました。
次回、「「恋人」「同棲」に見せかけた支配の檻 美沙さんのケース#5」に続きます。
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