強硬フェラ!人妻探偵「壊し屋」の相手は湘南のイクメン #2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-03-24 11:05
投稿日:2023-03-17 06:00

見た目の爽やかさと会話の卑猥さのギャップに

 チャットルームでのやり取りを読んだあと、A社長に連絡をすると、Xさんの顔写真が送られてきました。

 意外にもスッキリと整った顔立ちでした。45歳とのことでしたが、もっと若く見えます。メガネに短髪で、やや面長の顔立ちは『塩顔のイケメン』の部類に入るでしょうか。

 ファミリーカーのCMに登場するパパといった感じです。

(この人とセックスするの……?)

 私の下腹は妖しく疼(うず)きました。いや、それ以上に爽やかな中年男性を絵にかいたような彼が、あんな卑猥(ひわい)なチャットをして、勃起まで見せつけることに驚きましたね。

 ただ、そのギャップに興奮したのも事実です。夫は単身赴任でセックスレスですし……実は時々、A社長を思い浮かべながら、オナニーに耽(ふけ)る時もあったでしょうか。

 筋肉質でチョイ悪オヤジ系のA社長に無理やり組み伏せられて乳首を舐められたり、バックから激しく貫かれたらどんなに気持ちいいだろうと思いながら、右手の中指と薬指をヴァギナに差しこんで、抜き差しして……。

 あ……すみません。話がまた逸れちゃった。

ほほえましい家族の光景の裏で

 で、その後は、品川のオフィスから湘南の自宅までXさんを尾行することになったんです。

 私は黒のパンツスーツにカメラなどを仕込んだバックパックを持って、彼を追いかけました。湘南ですから東海道線での帰宅です。

 ただ、グリーン車に乗られた時はさすがに困りましたね。顔バレすると困るので、マスクをしたまま、車両外のエリアで彼を見張っていました。

 約45分くらい経ったでしょうか。湘南のとある駅で下車する彼を追うと、改札付近に中年女性と小学校低学年くらいの男の子が手を振っているんです。

――パパ、お帰り!

 すぐに息子と妻だと分かりました。男の子はXさんに抱きつき、彼も息子の頭を撫でていましたね。奥さんはスキニーパンツにトレーナー姿というリラックスしたファッションで、人の好さそうな感じ。

 駅近隣の大規模マンションに住んでいるのはA社長から聞いていたので、私は帰路につく3人を動画で撮影しながら尾行しました。

 Xさんは、はしゃぐ息子と手を繋ぎながら歩いていましたね。子煩悩なんだなと感じました。それに、奥さんの持つエコバッグも持ってあげて……そんな優しい彼が、まさかマッチングアプリで他の女とセックス寸前の卑猥なやり取りをしているなど、奥さんは微塵も思わないでしょうね。

 その日は、Xさんがマンションに入るのを見届けました。

住人と一緒にマンションに潜入

 念のため彼の部屋番号を調べていこうと、エントランスが見える位置で待ち伏せし、他の住人が来てオートロックが解除された瞬間、一緒に入りました。

 その際、『こんばんは』と声をかけ、住人を装うことも忘れません。Xさんの苗字は知っているので、8階の部屋番号を確かめ、郵便受けの名前と部屋番号をスマホで撮影し、画像をA社長に送り、翌日『調査報告書』の文章も送りました。

 報告書も、細かく記載しなくてはならず大変なんです。

『〇時×分にグリーン車の〇〇席に座り、スマホを見る。10分間ほど仮眠。けっこう疲れているようだ。〇時×分、△駅の◇番出口から出て南方面に向かい、家族(息子、妻)と合流。そのまま帰宅する。自宅は××マンションの8階〇号室』など、今でこそこと細かに書けるようになりましたが、最初の時は、『大雑把すぎる』とA社長に注意されてばかり。

 入社したての頃を思うと、自分でもかなり慣れて来たなという感じです」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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