あれもこれも試した! がん治療に役立つ「情報収集」虎の巻

コクリコ 編集者
更新日:2019-09-21 07:00
投稿日:2019-06-18 06:00
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰にも頼れず、心の内側にずっと不安を抱えながらがんと闘うのはとてもつらいこと。なぜ私が……と思う気持ちと向き合って、そして不確かな情報に惑わされないように、私の体験がお役に立てれば幸いです。

手塚治虫の「ブッダ」に救われた

【Note.07】

 さて、今回は「がんと情報収集」について書いていこうと思います。先の見えないがん治療は不安ばかりですが、情報収集によって心の平穏を保てることも多かったです。

 私がやってきたことをご紹介します。

★がんに関する本を読む

 体験記、医学書、民間療法、食事法などがんに関する本はたくさんあります。退院までの間に数冊を読みましたが、まず最初は病気について体系的にまとめられた「子宮がん・卵巣がん」の本を1冊、しっかり読みました

いったい私はどんな病気に罹患しているのか?
治療法は?
予後?
後遺症は?

 といった、がんに対する一般的な情報を理解したかったからです。これはとても役立ち、「先生たちに言われていることが、まったく見当もつかない」という状況は一度もなかったです。

 ただし、この手の本は、書店店頭での回転率が悪いので、かなり前に出版されたものが返品されずに置かれているケースが多いです。

 がん治療は日進月歩。本の発行当時に不可能だった治療が今は可能になっていることも、副作用が穏やかになっている薬が出ていることも、5年生存率データが書き換わっていることも珍しくありません。

 出版年月日は巻末に記してありますので、必ず見て、新しい情報を掲載している本を探してください。図書館で借りるときも同様です。出版年月日は巻末に記してありますので、必ず見て、情報が新しい本を探してください。図書館で借りるときも同様です。

 また、卵巣がんに罹患した漫画家さんがその体験を綴ったコミックエッセイも読みました。さらっと読めるので、時間がないなかで情報をひろいやすかったです。自分と同世代の方の体験記は、がんと向き合うことや、子宮を失うといったつらい気持ちを抱いているのは私だけではないという励みにもなりました。

 がんで亡くなってしまった方の本も読みました。恐怖が押し寄せてくるので、これは精神的に強い人にしかおすすめできません。ですが、その方々がもしも後悔していることがあるなら知っておきたい、と思ったのがその方々の本を手にした理由です。

 でも、わんわん泣きました。怖くて。

 もう1冊、「死とはなにか」が書かれた科学の本も読みました。死とは単に心臓が止まった状態、心停止です! という理系のあっさりした解釈。それ以上でもそれ以下でもなく、なんの感情も伴わないところが、くよくよしている自分の救いになりました。

 入院中に先輩に差し入れてもらった手塚治虫先生の「ブッダ」も面白く読みました。どうして私が……私だけが……という気持ちが少し整理できた気がします。

 本はいつだって私を支えてくれます。みなさんも心を落ち着かせるために、そのときの心に寄りそってくれる本を探してください。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【2022年アツかった記事】“にゃんたま”御開帳はうれしいけど…スプレー行為にご用心
【きょうのωにゃんたま】 (2022年2月に公開したものを一部変更し、再掲した記事となります)  ※  ※  ※...
あけおめ! 一休さんがこんなこと言ってたよ 2023.1.1(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
「父子帰省」に初トライ! 作戦の行方は? 2022.12.31(土)
 父と子どもだけで父の実家に帰る「父子帰省」。ここ数年でよく聞くようになりました。我が家も例年、お正月は家族で義実家に帰...
ダブスタは悪? 発言がコロコロ変わる人に疲れたらどうする
 ここ最近“ダブスタ”という言葉をよく目にするようになりました。ダブルスタンダード、二重規範というやつですね。  一般...
違う場所で同じ太陽を見ている 2022.12.30(金)
 ここから朝日が昇ると知っていてカメラを構えていたのに、いざ現れると、強い光と存在感に思わず「おおっ」と声がでた。 ...
いまや希少な存在…来年も尊い“たまたま”に出会えますように
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
深追い無用!人間関係のリセット癖がある人と付き合うには
 人間関係はとても複雑です。嫌なことが重なって「今の人間関係をリセットしたい」なんて思うこともあるでしょう。実は、それを...
大人こそ切り替えが大事! ネガティブな気持ちは置いていこう 2022.12.28(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
家事育児の負担が平等なのはドラマだけ!夫が放った酷な一言
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
“たまたま”の究極の親愛アピ「オシアナどうぞ♡」にタジタジ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「ネット接続に無精卵」とガチ誤爆…勘違い!赤っ恥LINE3選
 連絡ツールとして多くの日本人が使っているLINE。とても便利なのですが、中には恥ずかしい勘違いLINEを送って誤爆して...
あの人に「メリークリスマス」を伝えてみる 2022.12.25(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
ニトリで節約「すそあげテープ」の実力は?2022.12.24(土)
 今年も残り1週間と少し。年末恒例大掃除の時期がやってきました! 大掃除がてら、部屋の模様替えをしようかなとお考えの方も...
お手本がいればマネっこしよう!コピーしても「自分は自分」
 みなさんは他の人のマネをするって、素直にできますか? 今は個性やオリジナリティが求められる時代ですし、なんとなく人の真...
背伸びにはワケがあるにゃ!“たまたま”が企む「巨大猫計画」
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
おうちでぬくぬく♪ 茨城県の地酒めぐり 2022.12.22(木)
 年の瀬が近づいてくると、なんだか日本酒が飲みたい気分になるのは私だけでしょうか? クリスマスに向けて子どものプレゼント...