大学進学で破局した「初めての男」と再会、結婚相手があの子なんて…#1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-07-21 10:43
投稿日:2023-07-14 06:00

「好きな子ができて」

ズバリ、失恋です。高校卒業後、それぞれの大学に進学しても交際は続いていたんですが、ある日、『ごめん……好きな子ができて』と、フラれたんです。

 彼、申し訳なさそうにしていましたが、私が『その子も、ユウキのことが好きなの?』と涙ながらに聞くと、ひと言、『うん……』って。悔しくて、悲しくて……しばらくは泣いて過ごしましたね。

 どうにか復縁できないかと、あれこれと模索しました。毎日のように彼のSNSをチェックして動向を探ったり……いや、それよりも新しい彼女って誰? と相手が気になって仕方ありませんでした

 私はどんな女に負けたんだろうと思うと、夜も寝れなかった。彼の温かな唇や逞しい腕が、他の女に触れていることを想像すると、吐きそうになりましたよ。

 あの頃は人生一番の地獄でした。そして……共通の友人が教えてくれたんです」

一番喜んでくれた友達がなぜ?

――ねえ、ユウキ君とヨウコが付き合ってるの、知ってる?

 その言葉にハッとしました。ヨウコというのは、高校時代の同級生。彼女もユウキの熱烈なファンだったんです。

 私が『ユウキ君と付き合うことになったの~』と皆の前で打ち明けた時、『おめでとう、羨ましい~!』と一番喜んでくれた友達なんですが、今思えばはらわたが煮えくり返っていたでしょうね。

 そして、私と別れるタイミングを狙っていた――。いや、要領のいい子だったから、私たちの付き合いが落ち着いたころを見計らって、巧みに近づいたのかもしれません。

 それを思うと、悔しくて情けなくて……。あの時の苦い思いは今も忘れられません。まあ、フラれたおかげで私は合コンや食事会に積極的に参加して、今の夫をゲットしたわけですが……。

 でも、このあと、私はもっと残酷な現実を突きつけられたんです」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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