我慢強いA型長女は返上! がんがくれた「キャンサーギフト」

コクリコ 編集者
更新日:2019-09-24 06:27
投稿日:2019-06-25 06:00

「お母さんより長生きしてほしいな…」

 婦人科がんを専門にしている先生は、これまでにたくさんのがん患者さんを診てきています。がんになったことで、女性が失う可能性があるもの――仕事、お金、趣味、恋人や夫、健やかな心と身体、そしていつかの未来に産まれたかもしれない子ども……。

 これらのいくつかはきっと失われてしまうけど、それでも「がんにすべてを奪われてはいけない」というメッセージを、先生がくださったような気がしました。

「あ、刺激で出血しちゃうから、性交渉だけはだめね」

 ちなみに出血していなければ性交渉はOKで、当然ながらがんは移りません。

 この日はMRIやCTの正確な画像診断結果が出ておらず、がん転移の有無が不明でしたので遠隔転移がないという前提で、「手術は広汎子宮全摘手術、両卵巣も摘出。後日、診断結果を見て手術日程を決めましょう」ということで診察は終わりました。

 病院を出て、母とカフェに寄ります。

「あの先生はいい先生って気がするな~。お母さんはこれは治るなって思った!」

「私も思った」

「お母さんがコクリコちゃんの病院に行くって言ったら、お父さんが『俺も頭痛いからこれから病院に行くのに……?』って言うのよ! どうやらついて来て欲しかったぽいのよ! 冗談じゃない。あの人、娘にやきもち焼いてるのよ!」

「……お父さん……」

「一人暮らしだと心配だし、入院まではうち(実家)に戻って、そこから会社に行く!?」

「いい。今の家にいる」

 緊張が解けたのか、母はおしゃべりを続け、私はカフェラテをすすりなながら相槌を打ちます。その後、ふたりそろって最寄駅まで歩き、それぞれの家に帰るため、母と私は逆方面の電車に乗ることに。

 別れ際、母が私の背中をさすりながら、「がんばるんだよ。とりあえずコクリコちゃんには、お母さんより長生きしてほしいな……」とつぶやきました。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


秋葉原の高架下巡りでお腹と好奇心を満たす 2022.6.18(土)
 ぽっかりと予定があいた週末、以前から気になっていたスポットに行ってみることにしました。目指すは秋葉原。そう、あの電気街...
「最高の計画」は立てないで!自信のない人がやめるべき習慣
 みなさん、計画を立てるのは好きですか? 私はめちゃくちゃズボラなんですが、実は計画を立てることは大好きです。だけどその...
「誕生日なのにバナナ?」性格悪い義母全開(!)のウザLINE
 みなさんは「義母とのLINEが苦痛……」と感じたりしませんか? 世の中には、ほどよい距離で接してくれる義母もいれば、嫁...
リヴァイのポップコーンは並ばないとダメ? 2022.6.16(木)
 今年3月、USJで「進撃の巨人 XRライド」がスタートしてから、大人気と話題の「リヴァイ兵長のポップコーン」。  い...
新種の“たまたま”を発見?丸顔折れ耳&短足がかわいすぎる!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
実は卵並みの安定価格!ユリで金運と恋愛運UP、今が最盛期!!
 神奈川でささやかなお花屋さんを営んでいるワタクシですが、年がら年中たくさんのお花に囲まれた生活のせいか、“四季”みたい...
今度は300万円! 好きでもないアイツにコツコツ貢いできた私
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんのこじらせ...
コロナ後初の海外! 私が異国の地でワーケーションする理由
 こんにちは。複業家の林知佳です(占い師もやってます!)。全4回にわたり、コロナ後初の海外について書かせていただきます。...
“たまたま”のプロレスごっこ!「にゃんたまアタック」に悶絶
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
私、ナメられてる? いっつも遅刻してくる人の心理&対処法
 人と待ち合わせをしたら時間を守るのがマナーです。でも、中には約束時間を守れず、毎回遅刻してくる人も……。そんな人が周り...
ウォーキングの楽しみ方8選 “アメとムチ”で3日坊主から脱却
 健康のために運動をはじめたくても、「どうせ長続きしない」と、最初から諦めてしまう人は多いでしょう。でも、そんな人におす...
「私は一応慶応卒だけど」ママ友からの性悪マウントLINE3選
 子育て中の女性が避けて通れないのが「ママ友との付き合い」ですよね。最近では、保育園や小学校でも保護者同士でLINEの交...
悩み相談で友達を失う地雷ポイント!優しさは“機能”じゃない
 みなさんはメンタルがヘラっちゃった時はどうしてますか? 人によって解決法はいろいろあると思いますが、中には友人や恋人に...
成長過程の少年“たまたま”にきゅん♡ 澄んだ瞳も美しすぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
“フィリピンパブと愚兄”の話…恋愛運UPの夏の花グラジオラス
 まだ携帯電話が世間一般に普及していない頃のお話しでございます。本コラムにも何度が登場しておりますが、ワタクシには若干一...
夫の実家に帰省したくないのです…“ダラダラ滞在”回避法アリ
 お正月やお盆など、大型連休になると訪れるイベント”義実家への帰省”。せっかくのお休みなのに「義実家のことを考えただけで...