我慢強いA型長女は返上! がんがくれた「キャンサーギフト」

コクリコ 編集者
更新日:2019-09-24 06:27
投稿日:2019-06-25 06:00
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰にも頼れず、心の内側にずっと不安を抱えながらがんと闘うのはとてもつらいこと。なぜ私が……と思う気持ちと向き合って、そして不確かな情報に惑わされないように、私の体験がお役に立てれば幸いです。

がん告知される前と後では何も変わらない

【Note.08】

 子宮全摘が決定的になった私。とてもショックなことではありますが、そこで泣くことはありませんでした。

 がんを宣告されてからずっと「この先どうなるんだろう?」と不安だったし、今朝は大量出血をしていて「もうダメなんじゃないか」と絶望していたので、「子宮を取ればとりあえず大丈夫なんですね。はいはい、それじゃ取りますよ!」という気持ちだったのかも……。

 40歳を越えていた、ということも大きかったです。母も同様だったよう。

 先生は私たちに向かって、「ふたりとも精神的に安定してますね。なら大丈夫だ。明日から会社に行って、入院までしっかり働いて」と言います。

 そして、

「出血はおさまってきているし、止血剤も出すし、大丈夫。編集者なんでしょ? バリバリ赤字いれちゃうんでしょ~?」と、ペンで書き殴るしぐさをされます。

「えっ……いいんですか?」

「だって、今どこも具合悪くないでしょ? がんだって知らなかったら今日だって働いてるでしょ?」

 たしかに。がん告知される前と後で、私はなにも変わってないんだ……。

「“子宮をとります”って言うと、たいていの患者さんは、泣き崩れてしまうんだよねぇ。結婚したばかりの人はとくに。旦那さんがつかみかかってきたり、お母さんが泣き崩れたりすることもある。そうなると、こちらの話もまともに聞いてもらえないの」

 それはそうだろうな……。未婚の42歳でもショックなのですから、当然です。

「なにも手につかず、仕事や家事ができなくなったりする人もいる。でも、コクリコさん親子は平気そうだ。だったら、手術までは普通に暮らして、しっかり治療費を稼いできてください。がんはお金がかかるからね」

 がんになるとお金がかかるのか……(これについては改めてお話させていただきますね)。

「じゃあ会社行きます」

「そうして。あと、運動もした方がいいね」

 すると、今度は母が「えっ? 先生、運動なんてしても大丈夫なんですか??」と聞きます。

「大丈夫ですよ。だってこの間まで普通に運動もしてたでしょ? 腹筋があるほうが、術後にすぐ立てるし。ところで……すごい腹筋しているけど、なんのスポーツしてるの?」と先生。

 CT画像を指さし、「これ腹筋なんだよね。2㎝くらいあるの。すごいね」

 がんになるまで、ピラティスに毎週通っていたかいがあり、私のお腹にはがっつり腹筋がついていました。なんだかちょっと恥ずかしい!

「ピラティス、よく知らないけどいいんじゃない。じゃあ入院までピラティスもしておこう。なんでも食べて、手術の日まではできるだけ普通に暮らして」

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


人間は“ド忘れリピート”が前提かも? シゴデキ女子たちの仕事観3.0
 みなさんは仕事で一回したミス、もう一度したことありますか? 私は何回もあります。そして忘れてしまうこともよくあります。...
冷え性つらいし試してみる?カフェイン断ちメリット5つ&成功させる方法
 朝起きたらコーヒーを淹れることがルーティンになっていたり、仕事中にコーヒーブレイクするも多いでしょう。眠たい時や疲れた...
身体のSOS見逃さないで!「鉄分不足」で生じる不調サイン5つと改善策
 毎日忙しく過ごしていると、ついつい自分の身体のサインを見逃しがち。「これくらい大丈夫」と高を括っている人も多いでしょう...
モテ男協議に「異議あり!」白ソックス“たまたま”が立候補するの巻
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
キンプリ見分けムリ! 40女の老化あるある2023.6.22(木)
 45歳です。もうじき46歳になります。誰ですか「40にして迷わず」なんて言った人は。40代も後半になってもなお、迷走し...
ジムのあちこちで出没する迷惑おじさん! イラッと回避の対処法は?
 夏、目前! 健康維持やダイエットのために、スポーツジムに通う人が増えるシーズンですね。思い切り身体を動かすと、リフレッ...
マジで嬉しい観葉植物ブーム!「バイオフィリア」から学ぶ新しい生活
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべき花屋のわりとご近所に大型ショッピングモールが出現し、何かと相談にのってくれる花屋の男友...
自ら「幸せな状態」に寄せていける人は強い 2023.6.21(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
面倒くさい、お金もない!行きたくない結婚式の“カドが立たない”断り方
 愛し合っている二人の晴れ舞台、結婚式。仲の良い友人や同僚、親戚などの結婚式は出席して直接お祝いしたいと思う女性がほとん...
すいかばかのレシピ~'23年<2>月夜の畑ですいかの苗を愛でる
 すいかの生産量は全国ワーストの山梨県で、こだわりのすいかを作る男がいる。ひとは彼のことを「すいかばか」と呼ぶ――。
自宅で収穫したジューンベリーでジャム作り 2023.6.20(火)
 昨年の夏、新居に引っ越した際に家のシンボルツリーとして植えたジューンベリーの木が実をつけました。赤い小さな可愛い実はそ...
キャベツ枕に洗体しない育児…うっわぁー自然派ママのドン引きエピ5選
 健康志向が高まる中、世間では自然派のママが増えているようです。マクロビ、ヴィーガンにはじまり、病気になっても薬を一切使...
我が家のカレーが食べたくなった瞬間 2023.6.19(月)
 旅先で急に我が家のカレーが食べたくなった瞬間。  郷愁をそそる、紅白ののぼり旗。  そして、そそられる、ち...
いずれやって来る去勢手術、尊い“たまたま”を今のうちに激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
仏では「不倫された側」が責められる?2023.6.18(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
癒しの漫画/第51回「恋の落とし穴」
 ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、その生きものたちをこよな...