元気、泣き虫…“ビリー・ミリガン”の日々
【Note.09】
がんによる子宮全摘という大きな手術を1カ月後に控えていた私。一体、どんな風に過ごしていたと思われますか?
普段は比較的メンタルが安定しているほうですが、この時期はがんになった私をひとりで受け止めなくては、一方では目をそらしたい気持ちもあり、感情の浮き沈みが非常に激しかった。
・異常に元気なコクリコ
・攻撃的なコクリコ
・泣き虫のコクリコ
それらすべてが入り混じった、躁鬱状態。たとえるなら多重人格の“ビリー・ミリガン”のようであった日々……。私と同じように独身女性ががんと向き合う際の支えになれば幸いです。
★続く検査。ひとりぼっちでさみしい待合室
転移の有無の確認と手術に備えて、病院で3度検査をしました。MRIとCT、エコー。血液検査などです。
がん専門病院は高齢のご夫婦や親子で通院されている方が多く、病院に行くたびに「みんなは寄りそってくれる人がいて、いいな。旦那さんもいないし、私ってひとりなんだな……」と待合室で心細く、悲しくなっていました。とにかく待ち時間も長いので、その時間ひとりでいることがつらくて、友達や心配してくださっている知人にくよくよとしたメールを送ることもありました。
そんな私を心配して三重県からかけつけてくれた既婚の友達は、こう言います。
「年寄りになると普段そんなに出かけることもないから、ただ旦那さんがついてきちゃっただけなんじゃないかなー。暇なんだよ。うちだって年を取ってからどっちかが病気になったら、“それじゃ一緒に行こうかな”ってなると思う」
目からうろこがポロリ。なんだ、暇だからなのか。
ともに年を重ねて支え合う夫婦っていいな、なんで私はひとりなんだろう…と思っていたけど、一気に元気が出て、その後は待合室でも平常心を保つことができるようになりました。本当のところはどうかわかりませんが……。
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