【2023年人気記事】セックスは嗜好品?子宮頸がんサバイバーの性生活

更新日:2024-01-04 06:00
投稿日:2024-01-04 06:00
 2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初公開日は同年6月3日。年齢や固有名詞等は公開時のままとなります。本年も変わらぬご愛読のほどをよろしくお願いいたします。
 ※  ※  ※

がんになって変わること

 日本人の2人に1人が罹患するといわれる「がん」。

 ひと昔前なら不治の病とされていましたが、今は早期発見と手術や化学療法で寛解する人も珍しくなく、がんサバイバーとしてその後の人生を豊かに過ごすことも可能になっています。

 とはいえ、がんの治療で体や心に傷を負うと、これまでの生活とまったく同じ、とはいかないことも多いです。

 食事が難しくなったり、呼吸が苦しくなったり、排尿や排便が難しくなったり、見た目に変化が起きたり。そしてその1つに、性生活があります。

がん患者の性生活は語られてこなかった

 がんの中でも、特に女性特有の乳がん、子宮がん、卵巣がんなどや、男性特有の精巣がん、そして男女ともに膀胱がんなどは性生活に影響するとはさほど知られていません。というよりも語られていないといったほうが正しいでしょうか。

「命が助かったんだから、それはもういいじゃないの」と、いうことでしょうか。セックスは嗜好品かなにかのように捉えている医師もいると聞きます。

 がんになったことで、性生活に対する考え方が変わったり、性生活に前向きになれなかったりすることもあると思います。

 でも、性交渉はコミュニケーションの1つの手段として、やはり大切なこと。いえ、コミュニケーションとかかっこつけた大仰な言い方をしてみましたが、「欲望のおもむくままにしたい!」と言ったっていいはず。

 だって生きてるんですから!

 前置きが長くなりましたが、子宮頸がんに罹患した者の1人として、がんと性生活について語ってみようと思います。

42歳女、未婚。突然のがん宣告

 さかのぼること5年、2018年5月のことです。

 止まらない不正出血を相談するために婦人科に行きました。内診ののち「異常はなさそうだけど、ご希望があれば子宮頸がんの検査もできますよ。念のためしておきます?」と聞かれ、子宮頸部の細胞診を受けました。

 1週間後、病院から連絡があり、結果は「クラスⅤ」。

 細胞診の分類はクラスⅠ~Ⅴまであり、クラスⅠは以上なし~クラスⅢaで軽度異形成~クラスⅣbで高度異形成。高度異形成は「前がん状態」などとも言われます。

 これまで子宮頸がん検診は年1回欠かさず受けており、前がん状態を疑われたことは一度もなかったのに、いきなりのクラスⅤ。クラスⅤは「悪性腫瘍」、つまり「がん」だと言うのです。

 がーん。

 当時、私は42歳、未婚。突然のがん宣告でした。

 ところで、私自身もそれまで知らなかったのですが細胞診のクラスと、がんの進行具合でよく耳にするステージは違います。ステージ5かと思って「4より先…! 怖っ!」と思ったんですよね。

よく調べないとがんの状態はわからない

 子宮頸がんは(おそらく他のがんもだと思いますが)、細胞診だけでステージは確定しません。細胞診のあとに精密検査を受け、原発を特定し、がんの大きさや浸潤の深さ、そして転移の有無を調べ、ようやくがんの状態がわかります。

 そして、場合によっては手術後までステージは確定しないのです。

 がん告知といっても、とにかくがんであることだけが伝えられ、私の場合はそのがんの「悪性度の高さ」が伝えられました。

 がんにもタイプがあって、見つけやすいがん、見つけにくいがん、治りやすいがん、再発しやすいがん……。私の場合は見つけにくく、再発しにくい「腺がん」でした。

ライフスタイル 新着一覧


「渋谷・円山町のスイーツホテルに行ってみたい!」編
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんの月イチ連...
このまま空へ向かって飛び立ちそう 2023.1.21(土)
 鳥取県の境港市と松江市をつなぐ江島大橋は通称「ベタ踏み坂」と飛ばれている。  急勾配で、車のアクセルを思い切り踏...
ご飯作りたくない!無理しない!ストレス知らずの賢い対処法
 毎日のご飯作り。時には疲れて「どうしてもご飯作りたくない!」と思う日もありますよね。とはいえ、独身ならともかく子供や夫...
顔だけじゃない!勘違いしがちな「人は見た目が9割」の真意
「人は見た目が9割」と聞いて、みなさんはどう感じますか? 同意する人もいれば、「そんなことない」と否定する人もいるかと思...
知ってた? 大寒の日は「シマエナガの日」 2023.1.20(金)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
過度な若作りは罪!?「インスタおばさん」痛い投稿にご用心
 インスタグラムは、年齢に関係なく誰でも簡単に写真投稿を楽しめる人気のSNSです。しかし、30代や40代が年齢に合わない...
“たまたま”流リラックス法を伝授♡ 忙しい時ほど力を抜こう
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「私って天才?」100均グラスでチューリップ2大悩みを解決!
 そろそろお正月気分もなくなり、2023年という新しい年にも慣れた頃ではございませんか? 新春とはいえ寒さの本番はこれか...
最初に食べようと思った人の勇気に感謝 2023.1.18(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
夫婦仲も良好に!夫ウケするとっておきご飯&レンチンレシピ
 どうせ毎日ご飯を作るなら、夫ウケする料理を作りたいですよね! とはいえ、毎日手の込んだものを作る余裕がないという人もい...
華やかビジュ♡ファミマ“あまおうスイーツ”2選は必食 2023.1.17(火)
 先日、ファミリーマートに行ったら、店頭にこんなポスターが! 「ファミマのいちご狩り」ですって?  HPによると、...
ヘアゴム入れた?一人暮らしの女性が備えたい防災グッズ10選
 災害は一人暮らしをしている女性にとって、とても不安なものです。いざという時、困らないためには日頃からの準備が欠かせませ...
凍り付くような空気で胸を満たすと 2023.1.16(月)
 音が雪と氷に吸い込まれていく。  凍り付くような空気で胸を満たすと、一瞬だけ世界が止まったように見えた。 ...
青天を衝け! 憂いを帯びた美少年“たまたま”で視力も回復?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
人の運命について少しあまのじゃくな意見を 2023.1.15(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
趣味がない人、何してる? 休日の“ゆるふわ”な過ごし方5選
 趣味を楽しみながら、充実した休日を過ごしている人がいる一方、無趣味で何もせず一日を終えている人もいます。実は今、そんな...