今さら聞きにくい? 英語の新敬称「Mx.」や「X」って何

コクハク編集部
更新日:2024-05-26 06:00
投稿日:2024-05-26 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。
 毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように…。

女性の敬称を表す英単語

「ことば」は年代によっても捉え方が違ったり、新しい意味の方が主流になっている状況を紹介してきました。

 ウン十年前に学んだときはそのことば自体がなかったのに、いまや当たり前に使われているものもありますよね。今回は、英語で女性の敬称を表すことばをみてみましょう。

 英語の授業で習った、女性を敬称することばといえば…

□Miss(ミス)…未婚の女性の敬称。ミス・コンテストの優勝者を指すケースも。

□Mrs.(ミセス)…既婚の女性のこと。

□Ms.(ミズ)…未婚、既婚を問わず、女性の敬称。女性解放運動から生まれてきた造語。特にキャリアウーマンに好まれる。

(参照:「日常の類似語使い分け辞典(第1版)」)

ノンバイナリーとXジェンダー

 婚姻の有無にかかわらない「ミズ」はすっかり定着していますが、性自認が男性や女といった、いわゆる男女の典型的な二分論(バイナリー)に当てはまらない人を総称する呼び方「ノンバイナリー」をご存じでしょうか。日本では「Xジェンダー」ともいわれているようです。

 2021年に、歌手の宇多田ヒカルさんが、自分はノンバイナリーだと告白し話題になりました。また、英歌手のサム・スミスさんや、ネットフリックスのリアリティー番組「クィア・アイ」で人気のジョナサン・ヴァン・ネスさんがノンバイナリーだと公表しています。

 その際の敬称は「Mx.(ミクス)」や「X」と表記される場合があり、米カリフォルニア州では2019年から運転免許証や身分証明書などで、ノンバイナリーを自分の性別として選択できる法律が施行されています。

 パスポートなどで法的にノンバイナリーを選べる国は、カナダ、ドイツ、インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、オーストラリア、ニュージーランド、オーストリア、アイスランドなどなど。

 日本では、2021年、厚労省が履歴書の「性別欄」に男女の選択肢を設けず、「記載は任意または未記載も可能」とする様式例を発表。文具メーカーのコクヨではその1年前の2020年から「性別欄」を削除した履歴書も販売しています。

 学生のころに習ってなんとなーく使っていることばも、時代の変化によって変わり、もう世の中についていけないわ~、と嘆く前に、その変化の歴史に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

(日刊現代校閲/タダ美)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


義母とほどほど良い関係を築くには? 5つのポイントを紹介
 今も昔も「嫁 vs 姑」問題に悩む女性は多いです。義母とうまくいかないことで離婚に至った、という話も聞きますよね。でも...
ラベンダーの“魔力”とは? 芳ばしい香りには厄除けの効果も
 初夏にかけて、お花屋さんの店頭にはさまざまな種類のラベンダーの鉢が並び始めます。小さく可愛らしい花を細い茎の先にたくさ...
中国の幼稚園の給食事情は? 徹底した衛生面と栄養管理の今
 保育園コンサルタントの小阪有花です。今回、私はお仕事で、中国・天津にあるセンディ幼稚園を視察してきました。そこで気にな...
ママは産後7年を育児に捧げるべき?仕事や夢との向き合い方
 妊娠・出産を終えてほっとしたのも束の間、そこから始まる育児期間。ママは「我が子のためなら自分は二の次」になってしまいが...
母性本能が止まらない…将来有望な赤ちゃん“にゃんたま”
 わんぱくでもいい、立派なにゃんたまに育ってほしい!  大好評のリクエストにお応えして、こにゃんたまωにロックオン...
なぜ出張ホストをしているの? この仕事を選ぶ男性の心理
 最近、出張ホスト(レンタル彼氏)のニーズが高まっています。おひとりさま社会と言われ、恋人がいない独身女性が増えているの...
保育園で暴言を繰り返す 5歳の男の子にとるべき行動とは?
 こんにちは、チャイルドカウンセラーの小阪有花です。今回は、私が保育園に勤めていた時に出会った、“暴言”を繰り返す5歳の...
がん専門病院への転院 “ダム”決壊で真っ先に浮かんだ顔は…
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
ここは僕の縄張りにゃん パトロール中“にゃんたま”をパチリ
 忙しいな忙しいな!日課のにゃんたまパトロール。  にゃんたまは、縄張りに自分の匂いを付けて回ります。  こ...
開運花師が解説します ピンクのバラを恋愛お助けアイテムに
 はじめまして。あなたを幸せに導く一番簡単で手軽な開運アイテム「花」を分かりやすく解説させていただきます、ワタクシ、開運...
焦らずに…赤ちゃんがハイハイで得られる3つの効果と注意点
「うちの子どもはハイハイばかりしていて。歩く気を起こさせるのにはどうしたら?」――。チャイルドカウンセラーとしても活動し...
この縄張りは渡さにゃい! 仁義なき“にゃんたま”抗争勃発中
 今回は、にゃんたま同士の決闘シーン。  きょうこそは、この縄張り問題に決着をつけにゃいと!  目を逸らさず...
別居、DV、酒浸り…IT起業家の暗黒面あるある“7つの習慣”
 起業家――。華々しい響きを放ち、西麻布、六本木、恵比寿、銀座など煌びやかな繁華街でシャンパンをたしなみ、有名女優との交...
真夜中に突然の大量出血で119番、緊急搬送され人生初のERへ
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
ハッシュタグは“いいね”を超える? 承認欲求の先にあるもの
 SNSで昨年あたりから、ハッシュタグの新しい使いかたに脚光が集まりつつあります。ハッシュタグとは冒頭に「#」をつけた言...
こにゃんたま君のパパ「タンク君」のご立派“にゃんたま”
 きょうのにゃんたまは、先日ご紹介した「こにゃんたま君」(奥に写る子猫)のパパです!  その名も「タンク」君! ...