ピルでツルツル肌に? 知っておきたい8つのメリットと危険性

リタ・トーコ ライター
更新日:2023-01-26 20:20
投稿日:2019-08-12 06:00
 ピル連載も4回目。第1回目の「日本はピル後進国!『ピル=避妊』の考え方は遅れています」でも少し触れましたが、今回は、ピルの避妊以外の効果について、詳しくお伝えしましょう。

体験者が語るピルの8つのメリット!

 さっそく、ピルのメリットについて、1つずつ見ていきましょう。自分が得たい効果があるか、チェックしてみてください。

1. 避妊効果がある

 これまでもご紹介してきたように、ピルの1番のメリットは高確率で避妊の効果を得られることにあります。

 これは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンがピルに含まれているため、排卵を抑えてくれるから。日本産科婦人科学会によると、99.7%も妊娠の予防ができるそう。

 再三お伝えしてきたように、男性任せの避妊に不安を抱える女性にとっては、まさに救世主とも言える存在なのです。

2. 生理周期を安定させる

 普段、生理周期が安定していたとしても、生活習慣が乱れたり、過度なストレスを感じたりすると、生理が遅れたり早まったりすることってありますよね。

 でも、ピルを正しく服用すれば、確実に生理周期を安定させることができます。旅行や試験などのスケジュールを立てやすいのはもちろん、生理周期をずらすことも可能に。

 ちなみに、私がピルを飲み始めたのは、生理不順がきっかけ。このように、治療の一環としてピルを処方されることもあるんです。

3. 経血量が少なくなる

 ピルを飲むと経血量は激減することは、あまり知られていないメリットかもしれませんね。生理中の漏れって、女性にとっては深刻な問題。特に、生理2〜3日目の経血量の多さには本当に辟易してしまいますよね。

 でもピルを飲むと、経血量を約3分の1程度に減らすことができるんです。そのため、ピルは子宮内膜症や経血量が多い過多月経の改善にも。貧血などの症状緩和にも繋がります。

4. 生理痛が改善される

 第一三共ヘルスケアによると、「生理痛がひどい」と感じている人は全体の8割とも。日常生活に支障を来してしまう方も、中にはいますよね。

 そもそも生理痛は、排卵後〜生理にかけて分泌が増える黄体ホルモンによって増加される「プロスタグランジン」という物質が大きな原因だと言われています。ピルはホルモン量を調節して排卵を止めてくれるため、生理痛の改善ができるのです。

 飲んでみると分かりますが、生理中の腹痛や腰痛などもぴたっと収まりますよ。生理中のストレスがなくなるのは、かなり大きなメリットだと思います。

5. PMS(月経前症候群)を和らげる

 PMS(月経前症候群)というのは、生理前1〜2週間、体や心に起こる不調のこと。イライラ、不安感、食欲の増加、頭痛、腹痛……など、人によって症状はさまざまです。

 妊娠中や閉経後にはPMSの症状は見られないことから、女性ホルモンがなんらかの原因であると考えられています。ピルには、このPMSを緩和する効果があるそう。

 生理中のイライラに悩んでいた私ですが、比較的楽になっています。後から知ったメリットでしたが、思わぬ付加価値でした。

6. 肌荒れの予防になる

 ニキビ治療の一環として、ピルを皮膚科で処方されることがあります。これは、ピルに含まれる女性ホルモンが、ニキビや肌荒れの原因となる黄体ホルモンや男性ホルモンの分泌や働きを抑えてくれるから。

 特に、ホルモンバランスの乱れが大きな原因となる「大人ニキビ」の改善に期待ができるようです。実際、肌が綺麗になったと感じている方は私の周りにも多くいます。

 なかなか肌荒れが改善されない方は、ピル処方の実績がある皮膚科に相談してみると良いでしょう。

7. 生理周期をずらすことができる

 私がピルに非常に恩恵を受けているのが、これ。生理周期をずらすことができること。生理を早めることも、遅らせることもできるため、何かとスケジュールを調整しやすいんです。

 ちなみに、女性のスポーツ選手なども、ピルで生理日の調整を行っている方が多いそう。ただし、飲み始めてからすぐにコントロールするのは難しいため、少なくとも2〜3カ月前からピルの服用を開始することを覚えておきましょう。

8. 卵巣がんや子宮体がんの発症率を低下させる

 ピルは、卵巣がんや子宮体がんなど、女性特有の病気の発症率を低下させると言われています。卵巣がんについては、排卵を抑えることで卵巣内に傷がつきにくくなることで予防できますし、黄体ホルモンが減少することで発症しやすい子宮体がんは、ピルで黄体ホルモンを保つことができるため、発症しにくくなるのです。

 ただし、現在何かの疾患の治療中の場合には、ピルで症状が悪化する恐れもあるため、必ず医師に確認して服用を検討することが大切です。

ピルは本当に安心して飲める? 危険なことはない?

 どんな薬にも副作用などのリスクはあります。ピルは本当に安心して飲めるものなのか?危険性についても、しっかり確認しておきましょう。

副作用が起こる可能性がある

 個人差はありますが、ピルによる副作用はあると考えていた方が良いとも思います。

 一般的な副作用としては、吐き気や頭痛、不整出血、むくみ、バストの張り、などのマイナートラブルが挙げられます。でも、多くの場合には1〜2カ月で自然と症状がなくなるので、あまり心配しなくても良いかもしれません。

 症状の程度が重いようであれば、ピルの種類を変えることで改善されることもあるので、病院に相談してみることをおすすめします。

血栓症のリスクが高くなる

 ピルの1番大きなリスクとしては、血栓症が挙げられますね。血栓症とは、血管の中で血が固まってしまうことで起こる疾患。ピルを飲むと、発症の確率が2〜3倍に上がってしまいます。(ジャスミンレディースクリニック調べ)

 特に40才後半の方、1日15本以上の喫煙者、肥満の方は血栓症のリスクが高いため、要注意。とはいえ、30才の女性の場合には2万人に1人と言われるほど非常に稀なケースですので、過度に心配しすぎる必要はないとも言われています。

ピルを飲んではいけない人

 ピルは基本的に初経〜閉経までの女性が使用することができる薬です。でも、中にはピルを飲んではいけない人もいるので、ここで確認しておきましょう。

▶家族に血栓症を発症した人がいる人
▶妊娠中の人
▶肥満の人
▶高血圧の人
▶血糖値が高い人
▶コレステロール値・中性脂肪値が高い人
▶肝臓、心臓、腎臓に疾患がある人
▶副腎皮質ホルモンや抗うつ剤を服用している人
▶乳がんや子宮頸がんを患っている人

 これらの項目に当てはまる方でピルを希望している方は、自己判断をせずに必ず医師とよく相談をするようにしてください。

ピルを服用するなら、正しい知識を得ることから始めて!

 ピルの知られざるメリットを知って、「いよいよピルを飲んでみようかな?」なんて思っちゃいませんでしたか?(と、どこまでもピル推しの私)

 避妊効果はもちろん、生理に関するマイナートラブルは一気になくなるし、美肌や病気の予防など、ピルは本当に女性に優しい薬なんです。

 でも、その反面、リスクがあることも忘れてはいけませんよ。前回「ピルをもらう方法と病院選びのコツ…“避妊”が理由でも良い?」でお伝えしたように、病院を通さずに個人輸入代行業者からピルを購入する人もいますが、自分の体がピルに適していない場合もあるんです。自己判断は禁物!

 ピルの恩恵を受けたければ、まずは正しい知識を得てから。自分の体を守ってくださいね。さて、次回はピルのメリットである「生理日のずらし方」について、書こうかと。最大限に活用したい方、必見です!

リタ・トーコ
記事一覧
ライター
引きこもり既婚ライター。夫とのゆるい幸せを楽しみつつ、つい浮つく。類は友を呼ぶのか、周りに似た友人が多い。人生1回きり。興味に負け続ける女。好きな言葉は「自己責任」。

ライフスタイル 新着一覧


“たまたま”の不思議な1枚を発見!あれ…片手が消えている?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
鉄分を摂り始めたら生理痛がマシになった 2023.4.13(木)
 鉄分不足が気になっている女性は、少なくないと思います。私自身、毎年の人間ドックで貧血ではないことは分かっているのですが...
「ガーベラの命が短い」は間違い! 超経済的でハッピーな花
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべき花屋は猫もまたげる敷居の低さのせいか、ご贔屓いただくお客様は実に様々な方がいます。 ...
宇宙飛行士候補者のニュースにワクワクした 2023.4.12(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
祝・再販!「そのまま使えるおさしみわかめ」が美味♪ 2023.4.11(火)
 最近、海藻を意識して食べるようにしています。というのも年に一度の人間ドックが近いから。栄養たっぷりでカロリー控えめな海...
私クサいかも? 40代女性が気をつけたい3つの体臭とケア方法
 40代になると「私って、もしかして体臭がキツイ……?」と不安になることが増えませんか? 実は、女性は40代になるとホル...
名づけの親は郵便屋さん「太郎」の“たまたま”に今年も会えた
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「限定品」の文字に弱い…つい買ってしまう心理&衝動買い対策3つ
 店頭やネットショップで「限定品」と書かれると、思わず買ってしまう人は多いはず。ところが、同じ商品でも限定品ではなくなっ...
桜の中にたたずむ茅葺き屋根の山門 2023.4.10(月)
 ひっそりと桜の中にたたずむ茅葺き屋根の山門を見上げる。  あと数日もすれば花が散って葉桜になるんだろう。青空に浮...
ムツゴロウさんはいろんな顔を持っていた 2023.4.9(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
「式の出席はお兄ちゃんだけで」意地悪な小姑からのドン引きLINE3選
「嫁姑問題」という言葉は、耳にしたことがある方が大半ですよね。では、「嫁小姑問題」はどうでしょう?  年齢が近い場...
大人の誕生日の過ごし方8選 おひとり様だからこそ楽しめる!
 今回はおひとり様でも楽しめる、8つの「大人の誕生日の過ごし方」をご紹介します。自分の誕生日はいつも通り仕事をしている女...
推定樹齢2000年! 日本最古の山高神代桜 2023.4.7(金)
 推定樹齢2000年と言われる日本最古の山高神代桜(やまたかじんだいさくら)が、たくさんの棒に支えられて今年も花を咲かせ...
アドバイスする立場の心得「やるヤツはやる、やらんヤツはやらん」
 人にアドバイスするのって難しいですよね。できれば相手のためになるようなことを言ってあげたいと思うから、結果が出てないと...
チャーミングすぎ! “たまたま”が振り向きざまにウインク♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
大人だって誰かに迎えに来てほしい日がある 2023.4.5(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...