「不倫女医」の悪評は我慢できても、それは無理! 15歳年下彼「銀座の黒服志願」にプッツン #3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-01-17 06:00
投稿日:2025-01-17 06:00

環境を変えるため…離島での生活を

「すぐに応募しました。卓也くんとは会う頻度はもっと減りますが、今の私には『環境を変える』ことが何よりも重要だと思ったんです。

 念のため、卓也くんに相談しましたが、『2拠点で医師をするなんて久美さんはやっぱりすごい!』『採用されるといいね。僕も頑張らなくちゃ』と応援してくれました。

 その頃には、彼への不信感がかなり溜まっていましたから、反対されなくてよかったと思って…(笑)。でも、デートで逢うとやはり好きになってしまうんです。このまま溺れてはいけないと自分を鼓舞していたタイミングで採用が決定。離島で働くことになりました」

 鹿児島空港からプロペラ機に乗り次いで降りた南国の離島は、エメラルドグリーンに輝く海が広がっていた。手つかずの自然に囲まれた島に、久美さんの気持ちは思いのほか和んだ。

「とにかく海がキレイで感激しました。海に沈む夕陽を見ていると、あまりの美しさとこれまで抑えていた感情が一気に込み上げて涙してしまったほど…。同時に、島の人の役に立ちたいと心から思ったものです。

 私が専門とする科は島に1カ所しかなくて、前任者からの引継ぎをしたのち、正式に働き出したのですが、ここでも予想外のことが起きてしまって…」

激務に忙殺されて

 久美さんは肩を落とした。

「勤務時間は『9時~17時』との約束で、昼休みも確保できると聞いていましたが、患者さんが途切れないんです。島の人の朝は早く、8時には病院前で患者さんが待っており、『9時前だけど、具合が悪いから診察して』と言われたり、17時を過ぎても診察待ちをする患者さんが10名以上ということもありました。

 東京でいう『ブラック企業』状態。宿泊施設に戻っても、ベッドに倒れ込んで寝るだけです。こんな生活が月に半分も続くと思うと、お先真っ暗になりましたね」

 ただ、悪いことだけではなかった。島の人は温かく『先生のおかげで体調が良くなったから』『いつもお世話になっているから』と、島特産のフルーツや貝殻で作ったアクセサリーを贈ってくれたりもした。上層部に勤務状態を告げると、9時~17時の開業時間は守るよう島民に伝えてくれ、久美さんの過酷な状況は落ち着いた。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


男性がうんざりする女性からのLINE…彼の心が離れる内容5選
 男性と女性は、脳の作りが違うと言われています。そのせいか、女性にとってはなんの問題もないLINEでも、男性はうんざり…...
恋バナ調査隊 2021-07-15 06:00 ラブ
出張ホストの世界にも「遠征」が…どこに行って何をするの?
 オタク界隈では「遠征」というと、遠くまで推しを応援しに行くことを指します。出張ホスト業界にも「遠征」というワードがあり...
内藤みか 2021-07-15 06:00 ラブ
別れの兆候があるカップルの4つの行動&回避するための対策
 愛情が薄れて「別れ」を意識し始めたカップルには、何らかの兆候が表れるもの。彼氏の行動に対して、「あれ? なんだかいつも...
恋バナ調査隊 2021-07-14 06:15 ラブ
毎日ドキドキ♡ 職場に好きな人がいるメリット&デメリット
 誰だって、恋をするとモチベーションが上がるもの。でも、相手が職場にいるなど身近な存在となれば、良いことだけではありませ...
恋バナ調査隊 2021-07-14 06:16 ラブ
いい男はいないの…? ダメ男を捕まえがちな女子の落とし穴
 ついつい引っかかってしまうダメな男……。一般的に、ダメ男の条件として「自分のことしか考えていない」「カラダの関係だけ求...
若林杏樹 2021-07-14 06:00 ラブ
ときめかない…カップルが感じるマンネリサイン4つ&解消法
 付き合ったばかりの頃は彼に会うたびにドキドキしていたのに、最近なんだかときめかなくなってしまった……と、悩んでいません...
恋バナ調査隊 2021-07-13 06:00 ラブ
男性が惚れる女性は一味違うかも♡ 外見&内面の5つの特徴
「男性が惚れる女性」というと、“綺麗で華やかな美人”を思い浮かべる女性は多いはず。このように、女性はモテを意識する時に“...
他人事じゃない…!コロナ離婚に至る5つの原因&防ぐ方法
 今、世の中の状況は大きく変わってきています。コロナ禍により、仕事や家庭の環境が大きく変わった人も多いでしょう。実は、そ...
恋バナ調査隊 2021-07-12 06:00 ラブ
その場で怒れない…あとからモヤモヤしないためにできること
 ちゃんと怒ることって難しいですよね。怒りたいときに怒れず、あとからモヤモヤする……そんな経験がある人もいるのではないで...
七味さや 2021-07-12 06:00 ラブ
恋愛中の彼とのLINE♡ “ネタがない時”に使える話題5つ
 恋愛中って、一秒も逃さず彼とつながっていたいと思うもの。そんな時に、とても大活躍なのがLINEです。とはいえ、毎日やり...
恋バナ調査隊 2021-07-12 06:05 ラブ
男性が夢中になる女性に共通する特徴5つ&夢中にさせる方法
 好きな男性から、愛されたいと思うのは当然のこと。彼の心を離さないためには、いかに自分に夢中にさせるかが鍵となります。し...
恋バナ調査隊 2021-07-11 06:00 ラブ
厄介な義母の対応を丸投げ…夫に不信感を募らせる妻の苛立ち
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-07-10 06:07 ラブ
なぜ距離を取らない?姑に苛立つ妻に冷ややかな目を向ける夫
「冷酷と激情のあいだvol.46〜女性編〜」では、義母の態度に困惑するも、そんな関係に対して無関心すぎる夫に苛立つ女性・...
並木まき 2021-07-11 06:22 ラブ
ひどい…不倫相手の彼から届いた冷酷&身勝手なLINE5つ
「不倫はいけないこと」とは思いながらも、刺激的な状況とスリルな恋愛にはまってしまう男女は多いようです。でも、中には本当に...
恋バナ調査隊 2021-07-10 06:00 ラブ
体の関係から始まる恋愛のメリット♡ 本命彼女になるには?
 一般的に「付き合う前の男性に体を許しちゃダメ」と言われますね。でも、大人の男女が二人きりになれば、何があってもおかしく...
リタ・トーコ 2021-07-10 06:00 ラブ
母性本能が強い女性は苦労する?5つの共通点&恋愛パターン
 母性本能が強いというと、「良いお母さんになりそう」というイメージがありますよね。確かに、母性本能が強ければ強いほど愛情...
恋バナ調査隊 2021-07-09 06:02 ラブ