「膣トレ」きちんと知りたい!インナーボール、膣ハイフ、膣ヒアルロン酸はwinwinな治療法!?

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2025-01-20 06:00
投稿日:2025-01-20 06:00
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容外科医の増田えりかがアラフォー世代の女性に多い、婦人科の骨盤や膣まわりのお悩みについて症状別に解説いたします。

「尿漏れ」と「お湯漏れ」“チョロっと”対策

 まずは「尿漏れ」です。女性は骨盤内の臓器(膀胱、膣、腸管など)を支える骨盤低筋群が出産や加齢、肥満等により緩みやすく、尿道口を閉める筋肉の緩みも生じて、くしゃみやお子さんとの遊び(特に多いのがトランポリンや縄跳び)でチョロっといってしまうお悩みが多く聞かれます。

 手始めに「骨盤底筋トレーニング」を日常のすきま時間にやってみるのがおすすめです。たとえば、通勤中、電車内で立ちながら吊り革を持ち、両足のかかとをくっつけ、つま先を逆八の字になるように開き、内ももにグッと力を入れます。自然と膣の中が締まりますので、この感覚をトレーニングする癖をつけましょう。

入浴後のチョロっとは湯船のお湯

 同様のお悩みに「お湯漏れ」があります。湯船に浸かった入浴後、髪を乾かしている時などにチョロっとショーツに滲んでくるのは、尿でなく、湯船の中で膣に入ったお風呂のお湯です。下着が汚れて、不快に感じるというお悩みはあなただけではないので、安心してください。

【こちらもどうぞ】眼瞼下垂を治したい! 美容外科界隈で「世紀の大発明」と呼ばれる手術とは?【目元の美容専門医師が解説】

膣トレーニングの方法、美容クリニックで行う場合は?

 先に述べた骨盤底筋トレーニングももちろん有効ですが、膣内に直接、小さなシリコンボールを入れて落ちないように締める「インナーボールを使用した膣(圧)トレーニング」もおすすめです。

 はじめは違和感100%(!)なので、挿入後、仰向けに寝ているだけの状態からスタートさせ、その後、膣を絞めながら立ち上がり、歩く練習を回数を重ねながら行ってください。慣れると1日15分程度、家事をしながらでも膣トレができるようになります。

 最新の医療技術でトレーニングしてみたいというあなたは、自費診療で美容クリニックや婦人科専門クリニックなどで、 骨盤底筋トレーニングが可能です。

 まずは、EMS(高密度焦点式電磁)と呼ばれる座るだけの装置で遠隔的に骨盤底筋を刺激して引き締めます。1回約30分を週1回、6回1クールが治療のプロトコール(基準となる方針)です。

「膣ハイフ」の効果とリスク

 時間に余裕がないというかたは、年に1回程度の頻度で骨盤底筋の治療ができる「膣ハイフ(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)」という超音波の機械もあります。

 以前解説したお顔のたるみ治療でもよく知られている機械ですが、電子レンジの原理で遠隔的に熱を加えることができます。焼肉を焼くと肉が縮むように、骨盤底筋に熱を加えると縮んで引き締まるのです。

 当院では膣ハイフの施術前後に膣圧(膣をめいっぱい締めた時の圧測定)を測定していますが、1カ月後の膣圧は80%以上の人で上昇が見られています。

 お顔と同様、膣ハイフはやりすぎると組織を硬くする(瘢痕化)させてしまうリスクもあるので、婦人科専門医のいる施設でしっかりと膣壁の状態の診察を受けながら安全に行うのがおすすめです。

満足度が上がる「膣ヒアルロン酸」

 そして、性交渉でも膣の締まりに衰えを感じる場合は、「膣ヒアルロン酸」という物理的に膣を締める自費治療もあります。

 今年38歳の私もリピートして受けている治療ですが、加齢により薄くなってゆく膣壁を分厚くさせる効果があり、相手の満足度はほぼ確実に上がります。それだけではありません。

 下図のように肛門側だけではなくGスポット近くにも注入できるので、相手のサイズに関わりなく快感を得やすくなり、自分の満足度も上がるんです! こんなwinwinな治療が他にあるでしょうか。

膣ヒアルの料金は20万〜40万円が相場

 料金はクリニックによって注入するヒアルロン酸の種類や量が異なり20万〜40万円が相場ですが、人間の3大欲のひとつである性欲が40代になって更に上昇するなんて、一度体験してみる価値はありますよ。

 膣ヒアルロン酸は、加齢による萎縮性膣炎という乾燥で膣が痒くなる症状にも絶大な効果を発揮します。性交渉の満足度を上げたい20代から乾燥が気になる60代の方まで、実は幅広い年齢層に適応のある治療です。

 まずは美容クリニックにてご相談のみでも受けてみてはいかがでしょうか。私が婦人科専門医の先生と自分自身で様々実験しながら受けた動画はYouTubeでUPしていますのでご興味のある方は是非ご覧ください♪

 イートップクリニックには婦人科専門医が複数名在籍、経膣エコーによる膣壁の厚さの測定や同日に保険診療も可能です。ご相談、お待ちしています。

「イートップクリニック」院長/増田えりか

 2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

増田えりか
記事一覧
医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

病院HPYouTubeInstagram

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


漢方薬の副作用!? 体調崩し気味で心配…飲み続ける目安は【薬剤師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
身に着けたらワクワクする? 40代で捨ててよかった服と手放す判断基準
 クローゼットにはたくさんの洋服があるのに、なぜか着る服がなくて困っている人は多いですよね……。  着ない服は捨てれば...
40代、加齢を受け入れ生まれた心の変化…トシを重ねるのはつらいだけ?
 人は、トシを重ねるごとに加齢による変化に向き合わなければならなくなります。でも、加齢を受け入れるのが難しいのも事実。「...
自分の“化けた顔”に飽きました…メイクが同じになるマンネリ回避の裏技
「20代の頃は色々なメイクを試していたのに、ここ数年ずっと同じメイク。 さすがに飽きてきたな……」と感じているオトナの女...
下まつげどうしてる? “痛ケバ”40代を回避するマスカラの塗り方&選び方
 女性に欠かせないメイクは、年齢によってだんだん変化していきますよね。特に40代女性の頭を悩ませるのが「下まつげ」のメイ...
巨乳より本当は胸を小さく見せたい!着痩せも狙える“盛らない”テク4つ
 巨乳の人の切実な願いといえば「胸を小さく見せたい」ですよね。実際に胸が大きいと、いろいろな苦労や悩みがあるものです。そ...
朝の洗顔から差がつく! 夏老け・日焼け対策にプチプラスキンケア3選
「夏老け」といった言葉があるように夏の強い紫外線ダメージで、秋になると一気に老けたように感じてしまいます。  さら...
歯ブラシちっくで毛穴掃除!韓国の洗顔ジェルクレンザーでゴッソリ叶う?
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
「レチノール」って大丈夫? シミ・シワに“ほどほどケア”で取り入れたい
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
今すぐお腹の肉を隠したい! “部分ぽっちゃり”を撃破する6大アイテム
 若い頃にほっそりしていた人も、食生活をまったく変えていない人も、なぜか40代になるとだんだん代謝が落ちてふっくらしてく...
無自覚のスメハラは不本意…「香水つけすぎた?」判断法と匂いの落とし方
 いい香りを身にまとえる「香水」は、年代問わず多くの人が使っていますよね。でも、時には香水をつけすぎたことに自分で気がつ...
アラフォーこそ挑戦!ピンクとツヤ感“命”の「純欲メイク」やり方&コツ
 SNSで話題の「純欲メイク」。若い人にしかできないと諦めていませんか? 実は、純欲メイクは40代女性の魅力を最大限に引...
好きでも似合わない色ってありますよね…上手に取り入れる2STEPの方法
 ファッションを楽しむ上で知っておきたいのが「自分に似合う色」。とはいえ、好きだけど周囲の人には「似合わない色」と言われ...
不器用な人こそ試して!「ヘアアレンジが苦手」でも“おしゃれ髪”は叶う
 おしゃれな女性を見ていると、ファッションだけでなくヘアスタイルもセンスよくアレンジしている人が多いですよね! でも、ヘ...
冷えとの戦いは夏も続く! 30代からの「つらい下痢」改善対策ガイド
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
Over30歳向け・アイシャドウの掟…パウダーとクリームのどう使い分ける
 美しいアイメイクを完成させる手順は、アイシャドウの選び方から始まります。  アイシャドウにはさまざまなテクスチャ...