「子どもがいない人生」は不幸なのか? SNSの“子持ちvs子なし”論争にアラフィフ独女の心がザワつく理由

mirae.(みれ) ライター
更新日:2025-06-27 18:47
投稿日:2025-05-13 06:00
 51歳の独身・独居ライターである私は、いわゆる“子どもを持たない人生”を歩んできました。結婚もしないまま気づけばアラフィフ。周囲の友人たちが母となり、家庭を築いていく中で、私は「子どもが欲しい」と強く思ったこともなければ、この選択を後悔したこともありません。けれど、そのたびに感じるのは、社会からの“静かな圧力”。

 5月2日に放送されたNHK「首都圏情報 ネタドリ!」で“子どものいない人生”を語る女性たちの姿に、私は深く共感を覚えました。今回は、“子どものいない人生”についてお話ししてみたいと思います。

番組から見えた“いらない存在”という痛み

 NHKのドキュメンタリー番組「首都圏情報 ネタドリ!」の特集「広がる“子どものいない人生” 語り始めた女性たち」は、まるで自分の人生がようやく“見つけてもらえた”ような、心震える内容でした。

 番組内で紹介された作家・月岡ツキさんの著書『産む気もないのに生理かよ』では、「子どもを産めというくせに、産んだら産んだで“ちゃんと育てて”と丸投げ。支援は不十分」という、社会の矛盾が痛烈に描かれていました。この言葉には胸を突かれました。

 さらに印象的だったのは、「子持ち家庭への支援が手厚くなる一方で、子どもを持たない私たちは“社会に必要とされていないのでは”と感じてしまう」という声。それはまさに、私自身が長年、静かに感じてきた“取り残され感”そのものでした。

 日常のどこかで、ふと「自分はこの社会にとって余剰なのでは」と思ってしまう。そんな漠然とした孤独や、無力感に襲われる瞬間が、確かにあるのです。

【こちらもどうぞ】アラフィフ独女が『人事の人見』を見て思うこと。平成の働き方はもう通用しない…私たちはどう振る舞うべき?

「老後はどうするの?」の一言が刃になる

 最近のSNSを見ていると、「子持ちVS子なし」とでも言うべき対立構造が、あからさまになりつつあります。お互いの立場を思いやる余裕がなくなり、「わかりあえなさ」だけが浮き彫りになっていくような光景に、どこか胸がざわつきます。

 とりわけ「未婚で子なし」の私のような立場は、しばしば“かわいそう”という視線を向けられます。「老後はどうするの?」「親は孫の顔も見られないなんて可哀想」――悪気なく放たれたその一言一言が、まるで小さな刃のように心をチクチクと刺していくのです。

 けれど、私たちが語らなければ、この“生き方”は社会の中でいつまでも透明なままです。見えない存在である限り、偏見も誤解も、ずっと更新されないまま残り続けてしまう。

 今回の特集は、そんな私たちの存在に初めてスポットが当たったような気がして、言葉にならないほどの救いと痛みを同時に感じました。ようやく“声を上げてもいいんだ”と思えたのです。

mirae.(みれ)
記事一覧
ライター
アラフィフのフリーライター。ライター歴は15年以上。いろいろこじれて48歳で処女卒業。現在は性に奔放で貪欲に、独身生活を謳歌中。
X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


なんでもない日、子どもらしさが愛おしい 2023.7.14(金)
 自分にも、あの人にも、知らないどこかの誰かにだってこんな時代があった。  僕らみんなが子どもだった。誰もが通る道...
40代への「貫禄がある」は悪口とは限らない!5つの“褒められ”特徴は?
 貫禄というと「老けている」といった、マイナスイメージを持つ人もいるでしょう。けれど、そもそもは品格や風格、威厳を表す言...
“たまたま”探しの猫旅へ!素敵な「ねこの島」が見つかるかも
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
タイパ重視!? いしだ壱成、田口淳之介…有名人のホスト化が止まらない
 いしだ壱成さん、押尾学さん、田口淳之介さん、そしてついに羽賀研二さんまで。最近、芸能人や有名人のホスト化が止まりません...
近所付き合いってめんどくさい! “鉄則5カ条”だけ守ってイライラ回避
 家族と暮らしていてもひとり暮らしでも、多少の近所付き合いはあるものです。「マンションの隣の部屋にどんな人が住んでいるか...
イライラ虫よサヨナラ! 夏を快適にする「虫除け植物」おすすめ6選
 うるさいコバエや蚊にイライラが募るシーズン突入でございます。猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋の店先は、ほぼワタク...
人生一度きり! アフターコロナの変化を上手に受け入れるための心構え
 令和5年5月にコロナが5類感染症に移行してからというもの、だんだんと以前の生活に戻りはじめているこの頃。皆さんは、アフ...
「誰かいい人いるといいね」は余計なお世話?2023.7.12(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
疲れやすい40代にぴったり!新しい休暇スタイル「ホカンス」の楽しみ方
「心身ともに疲れやすくなったな〜」と感じているアラフォーは多いはず。せっかくの休日も家でダラダラ過ごしているうちにあっと...
めんどくさい女友達に振り回されるの苦痛過ぎる! タイプ別対処法を紹介
 いくつになっても悩みが尽きない、女友達との関係。なかには、親しくしているけれどちょっとめんどくさい女友達もいますよね。...
ぬいぐるみと格闘中!「ジオラマ食堂」のやんちゃ“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
飲みたいけど楽しめない? お洒落な居酒屋でも“母親だから”に縛られる
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
仲悪い義理の妹がストレスかけてくる…うまく付き合う方法あるの?
 結婚すると、必ずついてくる家族同士の関係。よく姑と嫁との確執の話は聞きますが、「仲悪い義理の妹との付き合いがしんどい!...
あるべき世界が戻ってきた 夏はすぐそこに 2023.7.10(月)
 去年の夏は何してた? あまり家の外に出なかった記憶がある。  猛暑の中、みんながマスクをつけていた。不思議な光景...
「性格悪いな…」要注意! 腹黒性格ブスが仕掛けてくる罠LINE3選
 世の中には「深入りしないほうが良い人」が存在するもの。もしかしたら、今あなたが仲良くしている人こそが距離を置くべきタイ...
週休2日制そろそろ限界説を唱えてみる 2023.7.9(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...