NHK朝ドラ「あんぱん」絶好調の裏に“元ヒロイン”の存在 戸田菜穂と松嶋菜々子のバトルにファン歓喜
回を重ねるごとに、その演技力の高さが評価されている。今田美桜(28)主演のNHK朝ドラ「あんぱん」に出演中の戸田菜穂(51=写真)の話。ヒロイン朝田のぶ(今田)と、その幼なじみ柳井嵩(北村匠海=27)の人生を描く「あんぱん」。その中で、戸田は嵩の伯母で育ての母である千代子を演じている。
「ひな人形のような顔立ちの戸田さんですから、『あんぱん』での着物姿はさすがによく似合う。品がある振る舞いと、おっとりとした話し方が特徴の千代子ですが、嵩の生みの母・登美子と対峙する際にはそれが一転。子どもを巡ってマウントの取り合いとなりバチバチと火花を散らし、顔つきまで変わる。2人のバトルは『あんぱん』の見どころのひとつですね」(エンタメ誌編集者)
戸田は1990年の「ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得。翌91年に芸能界デビューし、93年の朝ドラ「ええにょぼ」でヒロイン・宇佐美悠希役に抜擢された。わずか2年で朝ドラヒロインの栄誉を勝ち取った“逸材”だ。
ちなみに、千代子とバチバチのバトルを繰り返す登美子を演じているのは松嶋菜々子(51)。こちらも96年放送の朝ドラ「ひまわり」のヒロインだ。
「どちらも人気が高かった朝ドラ。そのヒロインが共演し、しかも火花を散らす間柄となると、朝ドラをずっと見てきた視聴者は思わずニヤッとしてしまう展開です。2014年の『花子とアン』で、いわば敵役だった吉田鋼太郎さんと中島歩さんを、今度は家族となる関係で再び共演させるなど、『あんぱん』制作陣は朝ドラファンを喜ばせ、楽しませるツボを心得ているなあと思いますね」と話すのは、芸能ライターのエリザベス松本氏だ。
おっとりとした様子が魅力の千代子だが、夫である寛(竹野内豊=54)が病に倒れてからはその表情が一変。床に就く夫のそばで容態を案じる様子や、死に目に間に合わなかった嵩に、寛の最期の言葉を伝えるときの母性あふれる表情には《戸田さんの演技、泣ける》《悲壮感がすごい》と多くの視聴者の涙を誘った。
「いつもきちんと結い上げた髪が少し乱れ、やつれた顔で寛の死を悲しむ演技もお見事でした。さらに印象的なのは、弔問に来た羽多子と互いの夫を偲んで献杯するシーン。羽多子の飲みっぷりに、千代子は一瞬鳩が豆鉄砲を食ったような顔になりましたよね。あのチャーミングさには《戸田さんってこんなにも表情豊かな人だったんだな》と改めて感じました」(エリザベス松本氏)
さらにある在京キー局プロデューサーからはこんな声も。
「ツンとすますような役がハマる印象があるため、確かにこれまではそう表情豊かなイメージはなかったかもしれませんね。個人的には98年の山崎まさよしさん主演の連ドラ『奇跡の人』で戸田さんが演じた聡子が忘れられません。影があるファム・ファタール的な役柄が、戸田さんの美貌にぴったりだった。あの頃、いまのようにSNSが盛んだったらきっと大きな話題になったはず」
主要キャストが次々と退場していくため《楽しみがなくなってきた》なんて声も出ている「あんぱん」だが、5月30日放送の第45回の平均視聴率は世帯16.2%、個人9.1%と好調をキープしている(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。戸田と松島の登場シーンはまだあるようで、2人の元朝ドラヒロインによる火花散る演技、これからもたっぷり見せてほしいものである。
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「あんぱん」のもう1人の立役者と言えるのが松嶋菜々子だ。関連記事【まだまだ読む】松嶋菜々子「MTB疾走」で見えた充実充電ライフ 来年「あんぱん」の“二宮和也の妻”も違和感ナシ?…では、本人の無双ぶりを伝えている。
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