親の介護施設入所に罪悪感を感じないで! 施設のメリット3つ

東城ゆず ライター・エディター
更新日:2019-08-28 11:29
投稿日:2019-08-28 06:00

親を介護施設に入所させるメリット3つとは

 罪悪感を感じている人に知ってほしい、介護施設へ入所するメリットをまとめました。

認知症同士の交流ができる

 一昔前の介護施設といえば、拘束ベルトで固定され続けたり、罵声を浴びせられるような場所というイメージがあったと思います。一度入所したら最期までその人らしい人生を送ることができない場所。そんなイメージが確かに存在しました。そのような介護施設も当時は本当に存在していたようですね。

 しかし、現在は介護保険法の施行により、そのような行為はほとんど見受けられなくなりました。多くの施設がその人の一生に責任を持って介護を行っています。

 ひとつのフロアに個室が持て、自分の家具を搬入することもできます。身体面や精神面に異常がないのであれば、介護施設から車で買い物に出る高齢者だっていますよ。そうした明るい介護施設では、多くの高齢者が活き活きと暮らしています。だからこそ、同じ認知症同士や高齢者同士の会話も弾みやすい環境があるといえます。家族以外の誰かと交流を持てることは、本人だって心強いはずです。

「うちの母はあまり人付き合いが得意ではないのですが……」という相談をいただいたこともあります。多くの場合、それは若い時の話だったり、単純に近所付き合いが苦手だったケースが多く、介護施設に入れば気の合う友達を見つけることも多くあると筆者は断言できます。

 介護施設に来る人はそれぞれ事情があったり、身寄りがいなくなって寂しく暮らしていた人たちであることが多いからです。介護施設に入所する人は、「人との交流が欲しい」と思う理由がそれぞれ多くあります。そのため、仲良くなりやすいところがあるはずです。

親とのいい距離を保てる

 介護施設に入所してもらうことで、親といい距離感を保てるでしょう。面会は時間が空いた時でもいいので、「親が危険だから見に行かないと」というプレッシャーが存在しなくなります。自分に余裕があるときは、外食するご家族も多くいますし、長期休暇があるときは泊まりがけで遊びに出られることもあります。

 親の介護を義務感でする必要がなくなるので、イライラしたり悲しくなったりすることが減るはずです。介護施設に入ったことで、サークル活動など夢中になれることを見つけて、面会に来た子供を「ちょっと待ってて」と待たせる親もいるくらいです。ご家族が「父の生活は充実しているんですね!」と嬉しそうにしていたのが印象的です。生活の基盤がそれぞれ整っているというのは、お互いにいい影響があるでしょう。

たくさんのプロが集まるのが介護施設

 介護施設には、ケアマネージャー(実際に行われる介護サービスをプラニンニングする人)や理学療法士や作業療法士。看護師や、介護士と実に多くのプロが集う場所です。

 定期的に往診医を呼んでいる施設も多くあります。このことから、些細な不安も解消しやすく、ご家族も一人で悩むことがなくなります。

 また、すぐ近くにいつも専門知識を持っているプロの人がいることは、本人にとっても安心した生活になるでしょう。

介護施設への入所に罪悪感を感じる必要はない

 介護施設への入所を罪悪感からためらってしまう人は多くいます。現代の介護施設は多様化し、施設それぞれ特色が際立つので、ご家族が思うように「かわいそう」なんてことは全くないのです。

 むしろ、介護施設と共に介護できる面ではメリットしかないでしょう。自分が辛い時こそ、介護施設への入所を考えてみてくださいね。

東城ゆず
記事一覧
ライター・エディター
1994年生まれ。11歳の頃からブログを運営。ライターやエディターとして、女性誌メディアや地元新聞のコラム枠まで幅広く活躍中。恋愛やママ友問題、介護士であった経験からリアルな介護問題まで幅広い知見がある。年子兄弟を連れ離婚の経験があり、現在は再婚に至る。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


恋愛序盤の花火デートはキケン! 準備ゼロでは行かないが吉
「花火デートってドキドキする」――。この季節、誰もが期待し盛り上がる「花火大会」ですが、調べもせず安易にデートとして行く...
ピルをもらう方法と病院選びのコツ…“避妊”が理由でも良い?
 第1回「日本はピル後進国!『ピル=避妊』の考え方は遅れています」、第2回「ピルで確実に避妊するなら?心構えや男性任せの...
声かけが大切! 子どもの“やる気スイッチ”をONにする方法
 子どもの心スペシャリストとして子育て中のお母さんたちと接していると、「子どもにやる気を起こさせるにはどうしたらいいか?...
夏休み中の子供たち…ママのイライラが沸点に達する瞬間3つ
 ただ今、小さな子を持つ世の母たちにとって恐怖の夏休みの真っ最中!!  子供にとってはとても楽しい夏休みなのですが...
純潔と恋愛の花「ユリ」でフェロモン漂うイケてる女性に!
 突然ですが、ワタクシの家にはたくさんの「天使ちゃん」がおります。  全開バリバリ仏教徒のワタクシではございますが...
気をつけて! LINEから発生した“壮絶キャットファイト”3選
 いまやLINEは忙しい現代人には欠かせないコミュケーションツール。しかし、文字だけでのコミュニケーションは時として、リ...
チラッとアップの問題作 “にゃんたま”がツキを運んできた?
 きょうは「にゃんたま写真集」で問題作といわれた写真です。(拡大してみてね♪)  私が「にゃんたま」で開運したお話...
介護士が伝授します! 誰でも簡単に30代からできる介護予防
 介護士をしていると、高齢者の方々は「こんな状態になるなんて思ってもみなかった」と言います。日本の平均寿命は、確実に伸び...
保険はやっぱり必要? 子宮頸がんの治療にはいくらかかるのか
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
有給休暇を消化中…会社からの連絡は絶対に受けたくない!
 モワッとした熱気、紫外線対策必至の日差し、花火や祭りなどのイベント、企画している旅行……いよいよ夏本番、楽しい季節にな...
無防備ショット♪ 遠い猫の島で“にゃんたま”の神様と出会う
 きょうは「にゃんたま写真集」表紙の男の子、初公開のサービスショットωです♪  私が「にゃんたま」で開運したお話の...
抱っこが辛い…私が保育園で実践していた腰痛防止テクニック
 子どもの抱っこで腰痛に悩まされていませんか?「子どもが可愛くて抱っこしてあげたい」「抱っこは辛いけど、しないと泣くから...
“癒し”とはなんぞや? 万能植物「ハーブ」が持つすごい効能
 世の中「癒し」が絶賛ブーム中でございます。その癒しグッズの種類もさまざま。「灯り」で癒される方、「音楽」で癒される方、...
子どもの“おねしょ”原因と対策…小阪有花が専門医と対談<下>
 子どもの心スペシャリストの小阪有花です。前回に続き、子どものおねしょの実態や治療法について、夜尿症を専門とする順天堂大...
職場の面倒な「かまってちゃん」女性の特徴&ベストな対処法
 相手のことを考えず、とにかく「かまって!」と、必要以上に距離が近い「かまってちゃん」。友人関係だったら距離を取るという...
子どもの“おねしょ”原因と対策…小阪有花が専門医と対談<上>
 子どもの心スペシャリストの私が先日、おねしょにまつわる記事「5歳過ぎてもオムツがとれない…意外な“おねしょの原因”とは...