お腹に水が溜まってる? 卵子凍結後のホルモン剤の影響とは

西史織 卵子凍結コンシェルジュ
更新日:2023-01-26 21:14
投稿日:2019-11-03 06:00

今後1週間の注意事項

 症状を緩和させるための錠剤を処方してもらい、医師からは、今後1週間の注意点が伝えられます。

1.激しい運動をしないこと(ヨガ、性行為はNG)。

2.お酒を飲まないこと(脱水症状になりやすい為)。

3.飛行機搭乗はNG(上空など気圧が低いところに行くと子宮が膨張する為)。

4.水をたくさん飲むこと(1日2L以上)。

5.意識的にトイレに行って尿を出すこと(尿量が少ないと腎不全のリスクがある)。

 血中の水分が血管外に漏れ出てしまい、血中濃度が高くなっている状態なので、このまま放っておくと血栓症のリスクもあります。万が一、お腹の水が引かず溜まり続けるようなことになると、水を抜く簡単な手術をしなくてはならないとのことでした。

 実際のところ、まったく自覚症状はなかったのでそんなに大変なことなのかな? と半信半疑でしたが、重症化すると死に至る(万人に1人の確率)とのことでしたので、注意点は守らなければと思いました。

 その日は、血中の水分量を上げるために点滴を1時間ほど打ってから帰宅。医師からの勧めで、念の為に3日間連続で点滴を打ちにクリニックへ通いました。

 注意点を守りながらいつも通りに過ごし、3日間続けて点滴を打つと、症状の改善が見られました。血液検査での血液の濃度もほぼ正常に戻り、医師から「もう安心だろう」との判断が下ります。そして、次の生理が来ると症状は劇的に戻ると説明を受けました。

「腹水が溜まっている」と言われた時は、正直かなり焦りましたが数日で収まり心からほっとしました。

 これで本当に全ての卵子凍結の手順が終わったのです。

トータルでかかった費用は75万円

 1回目は採卵できず、2回目に採卵できたと思ったら、また危ない状況だと言われ……約2カ月間が過ぎていました。思っていたよりも時間がかかってしまい大変でした。

 通常だと順調にいけばたったの2週間で終わります! 個人差があるとはまさにこのことですね。

 2週間後、全ての清算のためにクリニックへ。

 私が通うクリニックの最大保管年数は3年だったので、今回の卵子凍結の料金と3年分の保管料をまとめてカードで支払います。トータルでかかった費用は75万円ほど。会計は一括支払いのみでしたので、カード会社へ事後分割の連絡をしました。

 費用の内訳ですが、1回目の採卵できなかった時の料金+今回の誘発、採卵、3年分の保管料金+採卵後の過剰刺激症候群への薬・点滴などの合計です。

 2回目を低刺激法で行ったため、高刺激法よりも少し安く済みました。保管の料金は、何個卵子を保管するかによって変動しますが、私の場合は10個分の保管料金でした。

 20代で10個凍結できたことに満足したので、2回目の卵子凍結をする予定はありません。

 クリニックに3年分の保管料を支払いました。3年経ったら、自ら連絡して保管を延長するかどうか意思表示をしなければなりません。原則的にクリニックから確認の電話は来ないので、自身で覚えておくことが大切です。もし連絡をしなかった場合は、破棄されてしまうので注意しましょう。20代で凍結した卵子は二度と戻らないのですから。

 万が一、保管中に地震や津波などの災害があった場合、卵子に被害があっても保証されないので諦めるしか方法はありません。

西史織
記事一覧
卵子凍結コンシェルジュ
金融業界で営業、IT業界で事業開発に従事後、27歳のときに将来のことを考え卵子凍結をする。その経験から、女性のライフステージと仕事の両立についてをライフテーマに活動。妊活をしている方や卵子凍結をしたい方へ向けたクリニック検索サイト「婦人科ラボ
」を運営。Xでの情報発信や、日刊ゲンダイ、日経xWOMANでの執筆も行う。

ライフスタイル 新着一覧


子育てと仕事の両立どうする? 疲れた時に試すべき方法4つ
 筆者も現在、保育園児を2人養育しています。常々思うのは、子育てをしつつ仕事をすることは大変だということ。きっと筆者と同...
真面目はソン!頼むハードルを下げて早く仕事を終わらせよう
 毎日、仕事に終われる日々。 真面目にやっているのに新しい業務を押し付けられて残業……みたいな状況になっちゃいますよね?...
いざ卵子凍結するため病院へ…施術が始まるまでの長い道のり
 日本は不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位。そんな状況を変えるために、ミレニアル世代...
おいとましてほしい女友達とは? 実は嫌われているその一言
「あの子の言葉、なんか鼻につくのよね~」  女同士が集まって女子トークが盛り上がるときのネタは大抵、彼氏や旦那の悪口で...
宇宙と秩序の花「コスモス」 お部屋に飾って女子力アップも
 夏の夕暮れにトンボが飛び始めると、だんだんと日が短くなり夏の終わりを感じてなんだか物寂しく、ちょっぴりセンチメンタルな...
子どもと電車の長距離移動! 飽きさせない&騒ぐ時の対処法
 電車やバスなどの公共機関で小さな子どもと出かける時、楽しさ反面、「イヤイヤしたら?騒いだらどうしよう……」と親は心配で...
絶妙なポロリ感…ひょうきん茶トラの“にゃんたま”をパチリ
 きょうは、「茶トラ白」君のにゃんたまωにロックオン。  茶トラの中でも、白い靴を履いているみたいでかっこいいだろ...
介護はやっぱり家族が? 貧困家庭はどう切り抜ければいい
「親の介護をしてあげたい」と思っても、大きな問題になるのがズバリ、お金のことでしょう。  介護をしてあげたいと思っ...
今すぐマネしたい! 職場で好かれる女性の10個の共通点♪
 職場で憧れの女性っていませんか?その場の雰囲気を和ませたり、気配り上手だったり、仕事にも一生懸命に取り組んでいたり。そ...
入院初夜に襲われた“下剤地獄”からがん患者と仲良くなる問題
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
人間の言葉を理解? パワーあふれる“にゃんたま”に開運祈願
 今回は、待ち受け画面にすると開運しそうなにゃんたま様です。  あふれるような“ありがたいパワー”を感じるのは気の...
女子ウケしない女性の理由…やってしまいがちな行動に注意!
「男子ウケは悪くない。 でも全く女子ウケしない!」――。とあるSNS数万フォロワーの友人が悩んでいました。確かにカワイイ...
オトナ女子のSNSの使い方 “自己ブランディング”でモテ力向上
 大人の女はSNSなんてやらないもの。あんなものは学生の道楽……そんな風に思っていませんか? しかし、今やSNSは日本人...
肌のゴールデンタイム説は間違い!?美肌を作る睡眠の取り方
「お肌のゴールデンタイムを逃さないように、早く寝ないと!」なんて、キレイ女子の間で定説化している22時〜2時の肌のゴール...
高貴で厳かな「菊」を解説…重陽の節句に花びら浮かべ菊酒を
 いつの世も“目に見えない不思議”が大好きな方がいらっしゃいます。  ワタクシの友人にスピリチュアル大好きBさんが...
ピルを飲んだら妊娠しやすくなる? 妊活に備えた服用の利点
「ピル=避妊薬」って思うのやめない?と言っておきながら、ピルの優れた避妊効果について「ピルで確実に避妊するなら?心構えや...