シングルマザーが胸を痛める 子供の“パパへの憧れ”の解決策

山崎世美子 男女問題研究家
更新日:2019-12-09 15:43
投稿日:2019-12-07 06:00

プレゼントはサンタさんから

 そこで、専門家の私からアドバイス。この女性のようなケースは、よくあります。特に別れてから1年くらいは、元夫から誕生日やクリスマスなどにプレゼントがよく届くのです。

 ママは「子供が喜ぶなら」とよかれと思って、素直に「パパから」とプレゼントを子供に渡すでしょうが、パパからだと言わないことです。

 未就学児では、子供が父親に会いたいと思っても、一人で会いに行くことができません。パパからのプレゼントを受け取ったことで、子供の中に“素敵なパパ像”が芽生え、それが膨らんでくると、会いたい気持ちは余計に募ります。

 両親の離婚で、荒れる子供もいますし、相談者の娘さんのように小さいながらも自分なりに気持ちを整理する子供もいます。荒れる子供は、パパへの憧れがあり、整理できる子供はパパのDVを真の当たりにするなどしてママへの思いを感じているケースが多いでしょう。

 しかし、離婚は大人の事情です。女性は、夫に受け入れがたいことがあるから離婚します。子供が分かる言葉で、「これからパパと会えなくなるけど、ママはあなたのことがずっと大好きだからね」といった言葉などで説明するでしょう。どんなにダメな夫であろうとも、幼い子供にダメぶりを細かく説明することは少ないのが現実です。

 でも、ダメな部分が原因で離婚したのですから、子供に「パパ=優しい人」という印象を芽生えさせるのは、その後のシングルでの子育てを考えると、決してプラスにはなりません。

 別れた夫に彼女ができたり、再婚したりすれば、実の娘へのプレゼントはおざなりになるでしょう。誕生日やクリスマスにパパが何もしてくれなくなったら、子供はどう思うでしょうか。

 そのとき、パパがいないことの寂しさを感じた子供は、ママに反発します。シングルマザーにとって、子供の反発はもっとつらい。

 別れた夫には申し訳ないですが、クリスマスなら「サンタさんがくれたよ」とか、誕生日なら「(妻の実家の)じいじが送ってくれたのよ」と伝えてプレゼントを渡せばいいでしょう。「ママが買ったんだ!」でも構いません。

 日本で親権を持つのは9割が女性です。ところが、2016年の厚労省の調査によれば、養育費を受け取るシングルマザーはわずか24%にとどまっています。24%のパパならともかく、76%の冷たいパパからの身勝手なプレゼントなら、子供のためにも“ウソも方便”なのです。

山崎世美子
記事一覧
男女問題研究家
「平成の駆け込み寺」として、人間関係、男と女をテーマとし、さまざまな悩みを抱える相談者に的確なアドバイスを送り、心のケア・親身なカウンセリングで一躍人気者となる。TV、ラジオ、雑誌、さらに講演会などからも依頼が多数。いま最も注目されている専門家である。YouTube「せみこの恋愛大学」毎週水曜配信中。
公式HPブログInstagramTikTok

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


レディーファーストは常識!成熟“にゃんたま”デートに密着
 にゃんたマニアのみなさんこんにちは。  きょうは、にゃんたまωデートを後ろから大接近!  猫の写真週刊誌が...
なぜ内縁の夫や再婚夫はシングルマザーの連れ子を虐待する?
 女性の連れ子を虐待する内縁の夫や再婚夫の事件があとを絶ちません。一体どうしたら彼らの凶行を防げるのでしょうか。虐待する...
「親族が認知症かも?」と思ったらチェックすべき5つのこと
 自分の親や親戚が“高齢者”と呼ばれる年齢になると、些細なもの忘れに「認知症かも?」と思うことはありませんか。どんな人も...
子宮全摘手術からパン食まで回復も「腸閉塞」疑惑がぼっ発
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
ホストクラブではどんな時にシャンパンコールを行うのか?
 ホストクラブで夜な夜な飛び交うシャンパンコール。大勢のホストに囲まれてワッショイされるなんて、女子にとって夢のような時...
恋愛を求めるなら…あえて「出会いに行かない」を選択せよ
 さて10月に入り、いつに間にか秋めいて来ましたね。秋が終わると……いよいよクリスマス。できれば今くらいの時期にお相手を...
そっとシャッターを…木漏れ日を浴びてお昼寝中“にゃんたま”
 木漏れ日を浴びて、お昼寝タイムが心地よい季節になりました。  にゃんたま君はどんな夢を見て眠っているのでしょう。...
卵子凍結だけで入院騒ぎに…思い通りにならない採卵への道
 日本は不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位。そんな状況を変えるために、ミレニアル世代...
新卒くんが使う「若者コトバ」 あなたはいくつ分かる?
 学生時代はあんなに率先して身内ノリな言葉を使っていたのに、友人グループで会う機会が減ったり、広い交友関係を持たなくなる...
絶対安心の贈答花…幸せを呼ぶ「胡蝶蘭」の置き場所は?
 神奈川でも屈指の老舗旅館の店内装飾を担当させていただいおりますワタクシですが、こちらの旅館では胡蝶蘭と観葉植物など生き...
物欲が止まらない! 部屋に物を散乱させないためのルール4つ
 社会人の楽しみといえば、自由にお金を使えること。  ということで、学生時代より財布の紐が緩み、ついつい「これ可愛...
子宝・安産祈願にご利益? 梅宮大社の有難い“にゃんたま”様
 京都市右京区にある「梅宮大社」で、有難いにゃんたまω様に出逢いました。  こちらの神社、冬は見事な梅が咲き、春は...
子どもの嘔吐処理の方法! 間違えると感染源が広がる恐れも
 夏も終わり、季節も移りゆくこのごろ。子どもたちの間ではノロウィルスやRSウィルスなど感染病が流行ってきています。感染病...
助けになりたい! 認知症の初期対応で気を付けるべきこと3つ
 親や身近な人が認知症だと診断されたら、多くの人が戸惑うでしょう。人によっては「本当に認知症なの?」と、疑いたくなるほど...
昭和のアッシーの令和版「ウーバーおじさん」の生態とは?
 古き良き昭和の時代、アッシーと呼ばれる種族が存在していました。  アッシーとは女性が移動手段=足として利用する男...
恐怖のリンパ浮腫疑惑と73歳卵巣がん患者に励まされた晩婚話
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...