紅白も話題…欅坂46の平手友梨奈はなぜ女から熱烈に愛される?

こじらぶ ライター
更新日:2020-05-25 11:14
投稿日:2020-01-08 06:00

女性アイドルのイベントなのに女子トイレに超長蛇の列!

 今回の紅白に限らず、周りに何と言われようと欅じゃなきゃ、平手じゃなきゃダメなんだ! というファンやヲタクはとても多い。

 なかでも平手友梨奈の推しには熱狂的な女ヲタが多くいることで知られる。それもキッズから中高生はもちろん、社会人となった20~30代、主婦層の40~50代、おばあちゃん世代の方々まで。

平手推しの比率は女74%・男26%

 筆者がTwitter上で行った平手推しの性別を問うアンケートでは、投票数1373票のうち、男性は普通のファン19%、ガチ恋ヲタ(=アイドルに本気で恋しちゃってる系ヲタク)7%の計26%。

 一方の女性は、普通のファン42%、ガチ恋ヲタ32%で計74%。女性アイドルのファンの男女比としては尋常じゃない数値である。

世代別では30代以上の大人女子率26%

 また、女性限定で年齢層を問うアンケートでは、投票数2025票のうち10代が42%、20代が32%、30代が12%、40代以上(50代以上含む)が14%。最先端のJ-POPメインターゲット層が10~20代であること、そして、欅坂46と同世代であることを考えると10~20代からの支持が高いのは当然として、30代以上の大人女子&主婦層が26%もいるのは、女性アイドルとして驚異的な数字ではなかろうか。

 筆者はジャニーズヲタク時代を経た後、長年さまざまな女性アイドルの現場に足を運んできた。女性アイドルの場合、対象者に関わらず、ファンは男性が8~9割と圧倒的に多いのが普通だったが、欅坂46の場合は違う。体感で男女比率は6:4~5:5くらい。女子トイレの行列の長さは女性アイドルイベント現場では類を見ないし、ステージに平手が登場すると、「ギャアアアアー!」と言う悲鳴にも似た黄色い歓声で耳がつんざかれそうになる。こんなことはジャニーズのライブ会場でしか体験したことが、無い。

ボーイッシュな見た目は関係ない!?

 なぜ平手友梨奈はそこまで幅広く女性に、猛烈に愛されているのか。

 単純な思考でいくと〈短髪でボーイッシュだから〉と思ってしまいがちだが、そうじゃない。前出同様、筆者はアンケートを行ってみた。平手友梨奈にガチ恋する女子たち(ガチ恋ヲタ)を対象に平手のどんな髪型が好きかを尋ねてみると、投票数810票のうち、「短髪」(14%)、「長い髪」(19%)、「どんな髪型の平手でも好き」(67%)。平手が長い髪の女の子であっても、ガチ恋に変わりないという。

 では、ボーイッシュな髪型が理由でないとすれば、一体何なのか。他の男性アイドルや女性アイドルではなく欅坂46、平手友梨奈である理由を問うてみると、圧倒的に多いのが、〈独自の世界観を持つ力強いパフォーマンス、それを全身全霊で表現する彼女のひたむきな姿に胸を打たれて〉という声だ。

「私も苦しんでいる、でも、闘っている」

 欅坂46は、特に平手友梨奈は、他の男性、女性アイドルのようにいつもニコニコなんてしていない。むしろ秋元氏が平手に当て書きしている歌詞の主人公に憑依している。その主人公は激しいパフォーマンスと共に、大人に、社会に、世の中の常識に反抗しもがき、人間関係に苦しみ、疑い、諦め、様々な感情で葛藤する姿ばかりだ。我々ファンに上から目線でも下から上目遣いでもなく、横に寄り添うように「私も苦しんでいる、でも、闘っている」と共鳴し、代弁してくれるような存在なのだ。

 欅坂46の歌詞を全身全霊で表現する平手自身、“完全無欠のヒロイン”ではない。デビュー以来、想像を絶するネット上の誹謗中傷を浴び、16歳誕生日前日の握手会では殺意とナイフを持った男による襲撃事件で外傷こそなかったものの心へ相当な傷を受け、多くの困難や苦しみ痛みに苛まれながら結成から4年のキャリアを振り絞るように重ねてきた。彼女の叫びは、とてもリアルだ。

 その後も心の問題だけでなく、センターだけに課せられた激しい振りやアクロバットなどで身体のあちこち負傷し、一時休業や一部活動見合わせを繰り返してきた平手友梨奈。

 だが、そのたびに、床に倒れた状態から立ち上がり、高く拳を突き上げ鋭い眼光でカメラを睨みつけた紅白の冒頭のように、彼女は立ち上がることをやめない。何かにひれ伏し降参することはしない。

 そんな彼女の姿に、同世代の女子たちは共感し、筆者含む大人世代は自分が10代だった時に持っていた何かを思い出させられる。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「ばけばけ」“女中”が意味するのはどっち? おトキ(髙石あかり)のうらめしい世の中は続く…
 ヘブン(トミー・バストウ)は錦織(吉沢亮)と一緒に借家へ引っ越しをしていた。新居に満足気なヘブンだったが、いまだ女中が...
桧山珠美 2025-11-08 12:45 エンタメ
“松本人志ファン”として言わせてください。『DOWNTOWN+』は天才的だった。だが「松本、動きました」はダサかった
 2024年1月から芸能活動を休止していたお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(62歳)が、約1年10カ月ぶりに活動再開...
堺屋大地 2025-11-08 11:45 エンタメ
『ラブ トランジット』3、ついに決断の瞬間! 永遠のテーマ「良い人だけど付き合えるか」問題がリアルすぎ【8話レビュー】
『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)、最終話が配信されました! 『ラブ トランジット』(以下ラブト...
中村未来 2025-11-07 11:45 エンタメ
『ラブ トランジット』3、恋愛って“物わかりの良い女”より“ゴリ押し”が勝ったりするよね【7話レビュー】
『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)が7話目までが配信されました! 『ラブ トランジット』(以下ラ...
中村未来 2025-11-06 11:45 エンタメ
「ばけばけ」ラスト、タエ(北川景子)の姿に衝撃…!一方、錦織(吉沢亮)はいつ“相棒”になれるのか
 平太(生瀬勝久)とのケンカから、旅館を出て家を借りて暮らしたいヘブン(トミー・バストウ)。その世話をする女中探しを任さ...
桧山珠美 2025-11-05 17:25 エンタメ
近年の『M-1グランプリ』は優勝より過程が面白い?『タイプロ』のような“熱狂”が生まれる理由
 年末の風物詩『M-1グランプリ』(ABC・テレビ朝日系)。8月から1回戦が開始し、現在早くも3回戦の真っただ中です。 ...
「ばけばけ」錦織(吉沢亮)、バカ正直にもほどがあるぞ。“どっちもできる女中”ゲスい要望がやりきれない
 トキ(髙石あかり)はフミ(池脇千鶴)と花田旅館にしじみを売りに来たところ、ヘブン(トミー・バストウ)と平太(生瀬勝久)...
桧山珠美 2025-11-04 18:15 エンタメ
オダギリジョー「納得した仕事しか受けない」というこだわり。芸術家から犬の役まで!? “個性爆発”する作品5選
 2021年にNHKで放送が始まったテレビドラマ『オリバーな犬、(GOSH!!)このヤロウ』が、現在、映画版となって絶賛...
zash 2025-11-05 14:37 エンタメ
窪塚洋介「すべて変わっても、直感だけは変わらない」俳優30年、次元を超えてもブレない“自分軸”
 1995年に俳優デビューし、今年は活動30周年を迎えた窪塚洋介さん(46歳)。現在、松田龍平さんとW主演を務める映画『...
望月ふみ 2025-11-02 11:45 エンタメ
「ばけばけ」トキ(髙石あかり)の“違和感”、その正体が判明。運命の鐘ではなかったけれど
 ヘブン(トミー・バストウ)の初登校前日。いまだヘブンとコミュニケーションがとれず焦る錦織(吉沢亮)は、知事(佐野史郎)...
桧山珠美 2025-11-01 12:45 エンタメ
「ばけばけ」振り回されっぱなしの錦織(吉沢亮)が気の毒…ふたりの会話は聞き捨てならない
 しじみ売りに花田旅館を訪れたトキ(髙石あかり)は、主人の平太(生瀬勝久)やツル(池谷のぶえ)、ウメ(野内まる)と共に、...
桧山珠美 2025-10-30 18:05 エンタメ
復縁って本当にアリ?『ラブ トランジット』3、女性メンバーが思う“ヨリを戻す”前の恋愛ルール
 10月16日(木)よりスタートした『ラブ トランジット』シーズン3( Prime Video)は、元カップル5組10名...
中村未来 2025-10-30 12:00 エンタメ
『ラブ トランジット』3、全てがひっくり返る展開に衝撃! 人の心って本当に読めないなぁ【4話~6話レビュー】
『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)、3〜6話目までが配信されました! ラブ トランジット(以下ラ...
中村未来 2025-11-05 11:10 エンタメ
元カレと再会したら心は動く?『ラブ トランジット』3、女性メンバー3人が感じた“過去の恋”と向き合う勇気
 10月16日(木)よりスタートした『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)。本作は、元カップル5組1...
中村未来 2025-10-29 12:00 エンタメ
【芸能クイズ】全員元モデルだが? “女性向けファッション誌”出身の俳優は誰でしょう
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
「ばけばけ」なんともチャーミングなヘブン。“ラストサムライ”おじじ様との関係性はどう変わる?
 ついにアメリカから英語教師レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が松江に上陸した。大興奮の観衆の中、知事の江藤(佐野史郎...
桧山珠美 2025-10-28 17:53 エンタメ