味噌が香ばしい「冷や汁」 真夏にぴったりな宮崎の郷土料理

コクハク編集部
更新日:2020-08-14 06:00
投稿日:2020-08-14 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は宮崎市の板前料理店「福重」の福重浩さんに、宮崎の郷土料理「冷や汁」のレシピを教えていただきました。

魚は多ければ多いほど…

 宮崎県を代表する郷土料理の「冷や汁」。飲んだ後のシメにピッタリですが、水に溶く前の特製味噌だけでも十分、お酒に合います。飲むのはもちろん、芋焼酎です。

「冷や汁は主に山間部で好まれていたもの。真夏の農作業で汗びっしょりになると、塩分とミネラルが不足する。今のようにガスコンロなどがなかった時代は、夏に火をおこして食事の支度をするのもひと苦労だった。そこで生まれたのが冷や汁です」

 焼いてほぐした魚と味噌をすり鉢で混ぜ合わせます。できた特製味噌をすり鉢の内側に塗るように広げ、コンロにかぶせるようにして弱火で回しながら焼きます。表面に焼き目がついたら再び混ぜ、これを数回繰り返します。

 使う魚は何でもいいのですが、「できればアジなどの青物。白身だと味があまり出ない。面倒ならば、切り身を使ってもいい」と福重さんは話します。

「冷凍保存が利くので、一度にたくさん作ってもいいですよ。魚は多ければ多いほど味のコクと深みが出ます」

 そのまま味噌をなめながら一杯やってもよし。好みの濃さに氷水でのばしてご飯にかければシメの冷や汁になります。三つ葉や大葉、ミョウガなどを刻んで入れれば栄養豊富、彩りも豊かです。

【材料】

・魚(青物)
・味噌 魚の身に対して倍が目安
・好みで三つ葉、大葉、ミョウガ、キュウリなど

【作り方】

 魚をよく焼いてバラバラにほぐし、すり鉢で味噌と混ぜ合わせる。逆さにしたすり鉢ごとコンロにかけ、味噌全体に焼き目がつくように何度も混ぜながら火にかける。

本日のダンツマ達人…福重浩さん

▽ふくしげ・ひろし
 宮崎県都城市出身。高校の調理科を卒業後、大阪から南は鹿児島まで、西日本を中心に修業。しかし、「どこに行っても宮崎の食材が頭をよぎっていた。結局、日向灘の魚にかなうものはなかった」と見定めて、帰郷。30歳で独立して「福重」を構える。 

▽福重
 日向灘で取れた新鮮な海の幸が自慢の板前料理店。メニューはなく、コース中心で、料理はその日の仕入れ状況次第。「だからこそ、海の食材は面白い」(福重さん)。予算に応じた注文も可能。プロ野球選手やプロゴルファーらにもファンが多い。
宮崎県宮崎市千草町8―6 
℡0985・28・8196

(日刊ゲンダイ2017年8月26日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


山形のソウルフード「どんどん焼き」家呑みはせめてお祭り気分で!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・下北沢の「大衆酒場 こみじ」の天津真弓さん...
時短&コク増し♡「手羽先のコーラ煮」は忙しい日の救世主
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・富士見ヶ丘の「HONGKONG DININ...
「餃子の王将」LOVE♡ 40女の1人飲みはチェーン店が最適解かも
 自他ともに認める酒好きです。1人でも飲みに出かけます。中でもせんべろ系の安い大衆酒場がお気に入り。  いろんな人...
納豆好きが考案した「納豆餃子」隠れ消費大国・山形のDNA、冷凍保存◎
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・下北沢の「大衆酒場 こみじ」の天津真弓さん...
超人気生ドーナツ同様、そば粉クレープ店「ソバープ」も行列必至なのかっ
 食べる前からおいしいに決まってる――。そう思わせる食べ物はこの世の中にごまんとあって、その食べ物は人それぞれです。 ...
めちゃ合う!【ミスド×ゴディバ】ドーナツに“レンジで1分”ホットワイン
 街中の至るところからチョコレートの甘~い香りがただよってくるような2月♪  ドーナツの人気チェーン店ではバレンタ...
市野瀬瞳 2024-02-14 06:00 フード
バレンタイン 薬剤師が開発したチョコレートなら罪悪感ナシ
 明日は待ちに待ったバレンタインですね!  普段はダイエットに勤しむ方や、健康のために糖質制限をしている方も罪悪感なく...
話題の韓国フードをうどんで。「チュモッパ風うどん」がアタリすぎたー!
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れる、まんぷく連載「およねの爆速!...
およね 2024-02-12 06:00 フード
タイに行った気分でラープヘッ! 酸っぱからいトムヤムクンに似た炒め物
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「オールドタイランド」のウィラサック...
隠し味は味噌!旬の牡蠣入りグラタンでハフハフしませんか♪
 大寒を迎え、寒い日が続いていますが、旬真っ盛りの“海の宝”といえば、牡蠣! ふっくら濃厚でミルキーな味わいは、牡蠣好き...
笹山真琴 2024-02-02 06:00 フード
ワイン居酒屋新幹線、開店!駅構内のコンビニで調達OKなお値打ちの1本
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2024-01-31 06:00 フード
太らない濃厚みそ春雨ラーメン。丼どんどんIN、ずぼらダイエッターに◎
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れる、まんぷく連載「およねの爆速!...
およね 2024-01-29 06:00 フード
全国4店舗のみ! はま寿司の激レア朝食、夢の1皿2種盛りにソーセージも
 一日の計は朝ごはんにあり。  今日は、「はま寿司」にお邪魔しましたよ。
生臭さゼロ!今が旬の「ぶりの竜田揚げ」は柚子胡椒が決め手
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・下北沢の「大衆酒場 こみじ」の天津真弓さん...
そばをしゃぶしゃぶする?郷土料理「とうじそば」を初体験!
 みなさんは「とうじそば」って聞いたことがありますか?  筆者は恥ずかしながら30年間も生きてきて、初めて知りました...
中華の定番!「トマトの卵炒め」はケチャップと火加減でプロ級の一皿に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・富士見ヶ丘の「HONGKONG DININ...