少しの工夫でプロの味
「白いご飯にのせてもうまいですし、店ではこれを冷たい日本そばにぶっかけて、『まかないそば』にしたりします。その際は濃いめのつゆをかけますが、つまり、いろいろとアレンジが利く。もちろん、ツマミとしても酒を選びませんが、特にビールがいいですね。この『神泡』に合わせてみてください」
そう言って注いでくれたのがプレミアム・モルツ。きめ細かでクリーミーな泡はまさに「神泡」。コリッとしたイカの食感と甘味、上品なだしとおろし生姜(しょうが)の香りをまとったオクラの粘りを、どっしりとした味わいのビールで洗い流します。うん、おいしい!
スーパーでイカの刺し身を買ってきて、茹でたオクラと合わせて醤油をかけても、お酒の肴にはなりますが、ダンツマに格上げするにはやはり、だし醤油を使う大将のレシピを真似たいですよね。
「このだし醤油は冷ややっこにかけるタレとしても使えます。『イカとオクラの生姜醤油和え』をそのまま豆腐にのせれば、夕飯のおかずにもなりますよ」
イカは刺し身用ならなんでもOK。スーパーで売っている、出来合いのイカソーメンを使えばよりお手頃です。多めにつくって一杯やったら、すし延の「まかないそば」で締めてみては?
【材料】
・イカ(刺し身用) 1ぱい
・オクラ 10~12本
・塩 分量外
・調味料
だし 180㏄
醤油 90㏄
おろし生姜 適量
【レシピ】
(1)塩をまぶしたオクラをまな板の上で転がし、表面のうぶ毛を取る。
(2)塩がついたままのオクラを沸騰した湯で好みの硬さに茹で、冷水にさらして色止めをしたら、水気を取って小口切りにする。
(3)細切りにしたイカとオクラを調味料で和える。
本日のダンツマ達人…伊東純司さん
▽いとう・じゅんじ
1968年、兵庫県神戸市生まれ。中学卒業後に16歳で神戸の老舗料亭「山三ツ輪」(閉店)で修業を始め、寿司職人に転じて関西で14年、関東で16年、有名店のツケ場に立って研さんを積んだ。2015年に独立。東西の寿司文化に精通し、各界著名人のファンも多い。
▽すしのぶ
15年にオープン。料理は1万8000円(おつまみ8品、握り10カン、巻き物1本)のおまかせのみだが、事前に相談すれば柔軟に対応してくれる。自慢の穴子の握りは、ツメの代わりに10年物の奈良漬をのせ、それを海苔でクルッと巻く。伊東さんのセンスとアイデアがあふれた、店のスペシャリテだ。東京都中央区銀座8―7―20 belle銀座Ⅲ 5階。
(日刊ゲンダイ2018年11月2日付記事を再編集)
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