食感は火の入れ方で決まる
小学生の頃、共働きの両親に代わり自ら料理をすることが多かったという望月さんは、3人の鉄人が料理を競う「料理の鉄人」の放送を楽しみにしていました。しかし料理が最先端すぎるとも感じていたそうで……。
冷蔵庫の残り物や常備されている具材で家庭用にアレンジした方が、もっと身近で役に立つんじゃないかと思っていました。今回のレシピは、そんな普段使いの材料だけでできるおツマミです。
「ポイントは、空気を入れるようにかき混ぜた卵液に、さっと火を通すことです。火を入れすぎるとふわふわ感がなくなりますし、入れ方が足りないとグチャッとしてしまいます。アクセントに薬味を散らして締まりをもたせてもいいですし、ご飯にかけて丼ものにしてもおいしいです」
金色に輝いた卵を口に入れると、ふわっ、とろっと溶けます。とろみをつけただし汁もよく絡んでいて、「煮る」と「のせる」の2段使いをした海苔の香りも口の中に広がります。
「店では使いませんが家庭用でしたら、めんつゆで十分ですよ」
【材料】
・卵 2個
・水 20㏄
・片栗粉 2グラム
・マヨネーズ 5グラム
・めんつゆ(3倍に希釈したもの) 180㏄
・海苔 2分の1枚
【レシピ】
(1)鍋に用意した海苔の半分とめんつゆを入れて火にかけて沸騰させ、水溶き片栗粉でとろみをつける。
(2)水、片栗粉、マヨネーズを混ぜて卵を加え、空気を入れるように混ぜる。
(3)油を引いたテフロンのフライパンに混ぜた卵を入れて火が通ったら器に盛る。
(4)1をかけて、もう半分の海苔をちぎってのせる。
本日のダンツマ達人…望月洋介さん
▽もちづき・ようすけ
生まれ育った静岡県の割烹で5年間修業。オーナーの石井道雄さんにその腕を見込まれて上京し、26歳で料理長となった。
▽いわせ
築90年の趣のある古民家で創作和食を楽しめる人気店。歴史と風情を感じる和食店。望月さんが仕入れるこだわりの食材と、粋な名物女将が出迎える。元大工のオーナー・石井さんのこだわりがちりばめられた骨董を楽しむ客人も多い。ミシュランガイド東京の「ビブグルマン」に4年連続で選ばれている。東京都中央区日本橋人形町1―5―10。
(日刊ゲンダイ2018年10月26日付記事を再編集)
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