食材に片栗粉をしっかりとまとわせる
お品書きに「〇〇の南蛮漬け」の文字があれば心が躍り、必ず注文してしまうという左党は多いのでは? ユの木でも通年用意されている人気のメニュー。醤油とお酢がベースのつけ汁に浸した揚げ物は、格好の肴です。
生姜とレンコンはともに「新物」を使いましたが、必ずしもそこにこだわらなくてもいいそう。特にレンコンの新物は食感を味わうとされ、味や甘味が豊かなのは通年出回るものともいわれています。
「コツは、食材に片栗粉をしっかりとまとわせること。素揚げよりもつけ地が含みやすく、もちもちとした食感も楽しめます。包丁でレンコンと生姜を切った後に水洗いすることで、軽く拭き取っても表面に水分を軽く含んだ状態になり、片栗粉がつきやすくなります。ぜひ試してみてください」
冷蔵庫に保管して2~3日はおいしく食べられます。
材料
・新レンコン 250グラム
・新生姜 50グラム
・片栗粉 適量
<つけ地>
・水 540グラム
・薄口醤油 135グラム
・みりん 90グラム
・米酢 90グラム
・上白糖 50グラム
・かつお節 つけ地 全体量の2%(約 18グラム)
・赤唐辛子 1本
レシピ
(1)つけ地を作る。かつお節以外の材料を鍋に入れておく。赤唐辛子は種を抜いて丸のまま。
(2)レンコンは厚さ1センチ幅の輪切りにし、さらにひと口大に切る。新生姜は厚さ2ミリ幅を目安に繊維を断ち切るよう輪切りにする。それぞれ水で洗いザルに上げておく。
(3)天ぷら用鍋にサラダ油(分量外)を入れて180度に熱する。片栗粉をまぶした2のレンコンと新生姜をそれぞれ揚げる。浮いてきたら取り出し、しっかりと油を切る。
(4)1の鍋を中火で一煮立ちさせてから、かつお節を入れる。菜箸で優しく混ぜてからこす。
(5)タッパーに3を入れ、その上からアツアツの④をかける。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて保存する。
(6)つけ地が馴染んだら、器に盛って出来上がり。
本日のダンツマ達人…土屋為芳さん
▼つちや・ゆきよし
1974年生まれ、静岡・伊豆出身。地元の旅館でのバイトを皮切りに、東京の銀座や赤坂見附、大阪、箱根などでの修業を経て、40歳で独立。食べ歩きの趣味は「料理人にとっていいことしかない」。店の立ち位置を“第三者目線”で進化させ、外観、料理、雰囲気すべてが一体となった“土屋ワールド”をつくり出す。リピーターが多いのもうなずける。
▼食堂 ユの木
市場により近い場所を求め、江戸川区西葛西から現在の月島の路地裏に移転してきたのは2018年3月のこと。お通しの代わりに「おばんざい三種」もしくは「季節の小鉢三種」を選ぶシステム。かわいらしい手書きのお品書きには、懐石を中心とした店で腕を磨いた主人による肩肘の張らない和食ベースの逸品が並ぶ。料理の多くは3ケタの価格設定。白木のカウンターで喉を潤しながら“三種”をつまみ、あれこれとメニューを吟味する時間は何物にも代えがたい。東京都中央区月島3―14―2。
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