3. プレ更年期の膣の痛みを解消する漢方的養生
東洋医学では「気」「血(けつ)」「水」の3つの要素が人体を構成すると考えられており、プレ更年期の性交痛は、気(エネルギー)と血(血液)の滞りによって起こるといわれています。
東洋医学にもとづく漢方的な養生は、気血水のバランスを整えて健康的な生活へと導くためのものです。
プレ更年期の膣トラブルをやわらげる漢方的養生法を解説します。
1. 「腎」の機能を補う食材をとる
東洋医学における腎(じん)とは、エネルギーや栄養を生みだしたり蓄えたりする「五臓」のひとつ。
腎は西洋医学の「腎臓」とイコールではなく、泌尿器やホルモンバランス、生殖器などの機能にも関係しています。
更年期・プレ更年期には、加齢とともに低下する「腎」の働きを補う食材がおすすめです。黒色の食材は、腎を補うのに役立ちます。
<腎を補う黒色の食材>
黒豆、黒米、黒酢、ごぼう、黒きくらげ、しいたけ、黒ゴマ
これらの黒い食材を、意識的にとり入れるとよいでしょう。
2. からだを温め、冷え対策
からだが冷えると、腎の働きが落ちてしまうといわれています。
適温の入浴で全身をしっかり温めたり、腹巻きをしたりと、日頃から冷え対策を行いましょう。運動習慣をつけることも、根本的な冷え対策になります。
また、夏場の冷えにも要注意です。冷房のきつい部屋では、ひざ掛けや厚手の靴下などで防寒対策をするのも忘れずに。
3. 漢方薬で根本改善!
更年期の性交痛をはじめとした膣トラブルには、婦人科の治療でも使われている漢方薬がおすすめです。
性交痛には、痛みを軽減するために、鎮痛作用がある生薬を含む漢方薬が選ばれます。加えて、膣の乾燥による性交痛を根本から改善するためには、血流を改善して全身に栄養を届けたり、水分の循環をよくしたりすることで、膣の乾燥を改善する漢方も使われるのです。
また、加齢により衰えた生殖器の生理機能を高めたり、栄養を与えて粘膜を強くしたりすることで、粘膜に傷がつくといった膣トラブルも起こりにくくなります。
血液や水分の循環をよくすることで、潤いのある肌や冷えや疲れがないからだを目指すことも可能です。
食事や運動などの養生方法は毎日の継続が大切ですが、忙しい現代女性にとっては「続けられない!」と感じることもあるかもしれません。
しかし、漢方薬は手軽に毎日服用することができるので、無理なく体質改善を目指していきたいという方にも適しています。
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